
「一粒出版」ニュース(2009.12.015)
「私のピョンヤン訪問記」再版刊行に際して
予想外の反響、勇気づけられる感想の一方で…
正直、予想外の反響に途惑っています。
「北朝鮮についても、こんな風に書けたのですね」「今まで見えていなかった、見ようとしなかった庶民の姿があった」「私たちと同じように笑い、泣き、戸惑い、怒る人が『人民の国』にもいたという驚き」「庶民生活からこの度の通貨交換(デノミ)の必然性を察することができる」「すべては理解できないが、現地での体験だけになんとなく納得してしまう不思議な1冊」など、刊行1か月余りにして、勇気付けられる感想が寄せられました。
また、12月5日付のM紙の夕刊に本著の一部が引用・紹介されました。日本のマスコミが取り上げてくださることはとても喜ばしいことなのですが、刊行の主旨にそったものとはいえません。共和国・北朝鮮というと「拉致」か「脱北者」、それに「健康異常説」、昨今では「後継者」など、マスコミの関心事は絞られているという現状をまざまざと再認識させられました。
http://mainichi.jp/select/world/news/20091203dde012030005000c.html
筆者の了解をえて以下、京都市在住のC・Tさんから寄せられた感想文を紹介します。(I・K)
ここに登場する人々の間の心遣いや心の交流が、
本当に温かくてひたむきで人間的で、羨ましい
ボクは数年前、右半身に障害を持ちながら映画を諦めない(!)者として支援してくださる方がありまして鹿児島に長く滞在したことがあります。
温泉が近くにある小さな家を一軒貸してくださって、ここでシナリオを書きなさいという訳です。
(そこでの体験が別の企画、『特攻花咲く頃』となったのでした。)
鹿児島やその周辺、鹿児島から旅した福岡は、ボクがそれまで暮らしたどこよりも人が温かくて、まことに心穏やかに和んだ日々を送れたのでしたが、一般に九州の人々は歴史的にも地勢的にも朝鮮との距離感覚が近いということを感じました。
「ああ、ついそこだよ」とか、「民族的にも近いものがあるさ」という様に多くの人がさらっと言うのです。
鹿児島市郊外のボクの借りていた家近くの毎日のように通った温泉の露天風呂では、地元の人々の話を聞いていたり、そのうち話しの中に入っていったりした訳ですが、その頃はちょうど『経済制裁(!)』とかマンギョンポン号の入港禁止とか拉致が…とかいったネガティブキャンペーンが盛んな頃でして、ボクは、彼ら鹿児島の人々の話になにやらシンパシーを感じて、「拉致拉致って言ってるけど過去には日本の方が何百万人単位で拉致して来て炭鉱や軍需工場でこき使ったり慰安婦にまでしたんでしょ」って言えば、「そうだよね~、そんなことだよね~」って同調してくれるのが嬉しかったりしました。
また、北の共和国にはゼッタイ行けないという人がいて、その時、少し読んだ知識と半分はハッタリで
(ごめんなさい!)、「そんなことないんじゃないですか~。旅行社なんかでもツアーがあったりするようですよ」って言えば、一緒になって数人の人が、「そんなもん行けるに決まってるじゃないか。フツウの国だよ、この辺の人でも行ってる人あるよ」って言ってくれたりして、鹿児島では本当に楽しい会話が出来たものです。
(以上、方言がまたあたたかくてよかったのですが、ボクは覚えるに至らず書けません。)
さて、『私のピョンヤン訪問記』を面白く拝読いたしました。
面白くと言ってはちょっと失礼なのかもしれませんが、ボクのスタンスからですと、本当に面白く読ませていただいたのです。
かねてより関心があるのに行けていない国、ほとんどの日本人が真実を知らない国であったり誤解している国が、どのように書かれていてボクの知りたい欲や想像していることにどれほどマッチしているかというなんか当て物めいた楽しみもありまして…。
もうドンドン新たなイメージがリアルにボクに入って来まして、それがまたおおよその共和国に対するボクの全体像的イメージには合っていまして…。
「ほらね!」なんて自分で悦に入ってるような按配で、誠に楽しかったのです。
それから、1952,3年頃に三重県の小学校で同級生だった崔セキエン君と富山栄子君の一家が帰国されたのですが、その後の消息が分からず、よく日帝的な噂話としては帰国者は粛清されたり、僻地に送られて強制労働させられてるとか、在日の親族からの仕送りが多くあるものだけは許される(?)が仕送りの何割かはピンハネされているとか…、なんかそんな話しばかりが蔓延してるので、正直に言えばちょっと彼ら二人(家も近所で毎日一緒に遊んでました)のことは心配していたのですが、今回のご著書を読んで、彼らもまたご帰国なさったご兄弟や登場なさった方々のように、差別のない安寧のうちに祖国再建を戦って来、いまでは楽しく暮らしているのだろう思えまして安心致しました。
映画もお好きだと言う金正日さんのお元気な間に(後継者にかかわるのであろう話も興味深く読ませていただきました)、一度行ってみたいものです。
出来れば、ボクの企画がらみで…。
サブタイトルのように読んで「共和国の旅行の仕方」も実用的で楽しく読めたのですが、それ以上に、人々の暮らし振りや町の佇まいが興味深く読めました。
が、実はそれ以上に感じたことがあります!
それは、ここに登場する人々の間の心遣いや心の交流が、本当に温かくてひたむきで人間的で、羨ましいほどでした。
なんてステキな人たちなんだろう…。
感動を覚えることしきりでした。
資本主義の行き着く先として恐慌と人間疎外があるとは学校で学んだマルクス経済学ですが、共和国の姿(この前親しい医師がキューバに行ったときの話を聞いたのですが同じことを感じました)に触れて、ああ、ここは人間としての自然な思いやりや情が通う世界なのだと痛感いたしました!
歴史を歪曲し捏造する保守反動の策謀に負けないで、このような本が広まることを願います。
あ、ここで本文中で笑えた箇所を思い出しました。
ラストの文章で、
「多少でも何かを感じたら知人、友人…」と読み進みまして、「異議なし! この本はみんなに回すぞ!」と思ったら、次になんと、「できれば回し読みだけはしないでください」と!
思わず笑いましたが、でもそうですよね。多くの人が買ってくださらなかったら刊行が続きませんものね!
なんとか頑張ってください!t
書籍のご購入・お問い合わせは
一粒(한알)出版 (旧「綜合企画舎ウイル」)
〒115-0053 東京都北区赤羽台3-4-7
TEL.FAX 03-6279-3356
uil21@yahoo.co.jp
在日朝鮮人関連書籍・紹介サイト www4.ocn.ne.jp/~uil/p.htm