
タイトルは「『南北コリアと日本のともだち展』平壌のともだちとの再会」、「絵画がつなぐ子どもの友情、『私も朝鮮語の勉強をがんばります』」。引率した東京朝鮮第5初中級学校の金聖蘭先生が書いている。
少し長いが、そのまま紹介する。
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私たちを乗せたバスが夏の日差しに照り返る文繍通りを右に曲がり、高層アパートが並ぶ住宅街に入るとそこは綾羅小学校である。
バスの中の朝鮮学校5人の生徒の瞳に期待と緊張が見える。バスはそんな瞳を乗せ、木陰にある校門を抜け運動場をつっきり正面玄関に停まった。
■3年ぶりの笑顔
私たちを迎えてくれる小学生たちの歓声の中に懐かしい姿が見えた。
はにかんだ笑顔で私たちを迎えてくれたのはソン・ミソンちゃんだ。彼女は、3年前に赤いチョゴリを着て朝鮮学校の生徒たちと等身大の自画像を描いてくれた女の子。歓声の中にもう一人、りりしい男子学生に成長したロ・チョルソンくんがいた。彼もまた等身大の絵を一緒に描いてくれた仲間だ。
「チノギもすぐに来るそうです」との声に、等身大の絵を描いてくれた3人が綾羅小学校を卒業したにもかかわらず、私たちに会うため駆けつけてくれたことに心が弾んだ。
「南北コリアと日本のともだち展」は、その名のとおり3つの地域の子どもたちの絵の展示と、子どもどうしの交流を催し、東北アジアの平和な未来をめざしている。
東京での絵画展や交流の様子を、絵を出品してくれた朝鮮の子どもたちに伝えるため、朝鮮学校の生徒たちが「ともだち展」と共に平壌を訪れるようになって6年になる。
今回訪問したのは、李那優さんと李素和さん(東京第5・中2)、金愛理さんと金恵理さん(東京第1・初6)、金仁峰くん(東京第3・初6)の5人。
那優さんは3年前に大きな紙にミソンちゃんの等身大の自画像を一緒に描き、その感動を胸に、いつかまたミソンちゃんたちに会いたいと願っていた。今回その絵が日本各地で展示されていることを伝えるために二度目の訪問をした。
私もまた、ミソンちゃんに会いたかった。
日本に持ち帰ったその絵が、「平壌の子どもたちがやって来た」と温かく迎えられ、たくさんの人々との出会いを繰り広げたことを彼女たちに伝えたかった。
その思いが今日の再会へとつながった。
■絵画展の報告
バスの扉が開いたとたん、那優さんとミソンちゃんが「久しぶりだね」と笑顔で抱き合った。そのとなりでは、先日の共同制作ですっかり仲良しになった小学生たちが仁峰くんたち4人のまわりに駆け寄って、手を取り合う姿があった。
でも、チョルソンくんは3年前にペアになって絵を描いた琴稀さんが来なかったのでがっかり顔だった。
音楽公演で歓迎してもらった後は教室に移り報告会が始まった。
朝鮮学校の生徒たちが緊張した表情で、当日の朝まで練習した解説を映像に合わせて話しだすと、みんな興味深そうな表情で聞いてくれた。日本や南の子どもたちの絵やメッセージを伝えると、感心したり笑いが出たりした。
なかでも日本から持ってきた等身大の自画像を出して、この絵が日本各地で展示されたことを紹介すると、周りの声に押されて自画像の本人であるミソン、チノギ、チョルソン君の3人が絵の隣に並び、教室は大いに盛り上がった。続いて、これまで平壌を訪問した生徒たちのビデオレターを紹介すると、身を乗り出して彼らの言葉に聞き入り、懐かしんでくれた。
■楽しいひととき
報告を終えた朝鮮学校の5人は、仲良しになった小学生たちと果物やお菓子を分け合ったりしながら交流の時間を楽しんでいた。
恵理さんも両脇に座った小学生たちに囲まれニコニコ顔。
素和さんはソンウくんに「こうやって食べるんだよ」と梨の丸かじりを教えてもらい、チャレンジしていた。
愛理さんの隣に座ったクムリョンくんは、先日の共同制作でわんぱくぶりを発揮した子。愛理ヌナをもてなそうと張り切ってサイダーの詮を抜くと…! サイダーが噴水のように吹き出し、愛理さんのスカートにかかってしまった。
愛理さんの周りの男の子たちは大慌てだったが、愛理さんは「大丈夫。これも楽しい思い出になります!」と笑った。
交流会は先生方や私たち大人も混じって、出会いや再会を喜び合う和やかなひとときとなった。
別れの時間。たくさんの人々に見送られる中、私たちを乗せたバスは綾羅小学校を後にした。
バスの中では精一杯がんばり、思う存分楽しんだ5人が、互いに感動を語り合っていた。
「ミソンが私とたくさん話ができるように日本語の勉強をしているので、私も朝鮮語の勉強をがんばります!」と話す那優さんの言葉に胸が熱くなった。
翌日の長慶小学校でも生徒たちの報告は好評で、交流も楽しいものとなった。
こうして今年も平壌訪問に関わる日本と朝鮮の人々のおかげで、素晴らしい出会いと思い出が子どもたちの心に紡がれた。
ささやかな出会いと思い出ではあるけれど、それが子どもたちの心を豊かに育んでくれると信じたい。
9月。
平壌を訪れた朝鮮学校の5人は、日本の子どもたちと手を取り合い、南での絵画展に参加するためソウルへと出発した。
5人には平壌の子どもたちとの交流を誇らしく語ってほしい。
新しい出会いと再会の中、元気いっぱい東京-平壌-ソウルをつなぐ大役を果たしてくれることを期待する。
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残念ながら、チェーサムから行った金仁峰君のことは、ここでは詳しくふれられていない。
文中に「9月。平壌を訪れた朝鮮学校の5人は、日本の子どもたちと手を取り合い、南での絵画展に参加するためソウルへと出発した」とある。
金もいったのだろうか? 是非とも感想を聞く、そんな機会をえたいものだ。ik
記事は
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2008/04/0804j1003-00002.htm