
「朝鮮新報」に連載中の「虫よもやま話」は、楽しみな記事の一つだ。
連載中といっても、今回で二回目、筆者は朝鮮大学の研究院に籍を置きながら、現在
愛媛大学大学院の修士課程で学ぶ韓昌道さんだ。
第1回目では、次のように自己紹介している。
…現在、私は四国朝鮮初中級学校の寮で生活しながら愛媛大学農学部に所属する環境昆虫学研究室に通っています。ここには約120万点以上の昆虫標本が所蔵されており、その中には学術的に欠かすことのできない大変貴重な標本も多数含まれています。日本各地の筋金入りの「虫屋」が集まるこの研究室では、「虫について学びたければフィールドへ出て行け!」を信条に、晴れた日にはみんなが「先生が飼育する虫カゴ」から飛び出し、捕虫網を片手に山へ出かける日々を送っています。…
けっして長いコラムではないのだが、一言で面白い。こんな朝鮮人が、青年がいるんだという驚きもあるが、なんと言っても、「私、虫大好きです」がにじみでているのだ。
彼と面識があるわけもないのだが、なぜか、とても身近な存在に思え、私の中では完全に「愛媛の昆虫博士」である。
先日、朝鮮大学に行った時も、教務部長と用件を話しながら、彼について尋ねてしまった。大学時代から「虫」「虫」、「虫」の生活だったようだ。共和国を訪問した時、カブトムシをめぐる人民軍とのやりとりなど、教務部長はタバコをふかしながら楽しそうに語ってくれた。
第二回目の連載のテーマは、新種発見である。
「愛媛の昆虫博士」によると、地球上には2千万種の昆虫が存在すると考えられていること、発見され命名されているのは96万種。毎年、日本では約130種、世界的には2千種の新種が発見されている。彼によると「現在の日本国内における昆虫類の解明種は3万種弱ですが、10万種は生息すると見積もられています」とのことだ。
連載はつぎのような言葉で結ばれている。
「事実、私も採集へ出かけると必ずと言っていいほど採集したことのない昆虫類と出会います。その多様さと向かい合うたび、私は喜びと感動、未来への希望やロマンを感じずにはいられません。今年はまたどのような出会いがあるのか楽しみです。
もちろん昆虫たちだけではなく、多くの同胞たちとの出会いが何よりも楽しみです」
「多くの同胞との出会いが何よりも楽しみ」と書くところにも、ウリハッキョを卒業した「昆虫博士」の心意気がうかがえていい。
南北関係が進展する中で、いつか非武装地帯の自然調査団のメンバーになった、彼の板門店発の「昆虫レポート」を読むことができるのではないかと一人今から楽しみにしている。ik
「愛媛の昆虫博士」と出会いたい方は
1回目の連載「自己紹介」
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2008/01/0801j0118-00004.htm
2回目の連載「出会い」
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2008/01/0801j0215-00004.htm