『ソウル留学日記』刊行まで2日!! | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

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写真は、学内のコーヒーショップ

あとがきにかえて-カニの殻がもたらした留学・3
東京の留守番名人・金日宇

学問に遅すぎると言うことはない。積極的に夢の実現へと突進するかみさんの姿も悪くはなかった。それに、彼女が昔から世話になっているソウルに住む親戚が高齢で、ときどき臥せることもあると聞いていた。留学に行ったら度々お見舞いに行けるのではないかとの思いもあったので、反対はしなかった。

見事、合格。次の難関は、私の親の説得である。何しろ、玄関の表札が「朝鮮民主主義人民共和国海外公民 金○○」である。共和国の祝日には玄関前のポールに共和国の旗を掲げる家である。アボジの口から「韓国」という言葉を聞いたことがない。「アメリカの植民地の南朝鮮」に嫁が留学に行くというのである。そんな両親をどう説得したのか、正直覚えていない。

それでも流れは何となく留学へとすすみ、「体に気をつけて行ってきなさい」とのお墨付きをもらって、ついに出発。そして、夏休みや冬休みになって一時日本に戻ってくると、いつしか「スゴヘッソ(ご苦労様だったね)」「今度はいつ行くのか」へと、変えてしまったのだから、見事だというほかない。

この2年余り、一番大変だったのは、何といっても昨年3月のひとりでの引越しである。一部の荷造りを済ませて行ってくれたものの、事務所も兼ねた住居の荷物は決して少なくはない。引っ越し屋さんの見積もりも甘く、1台では載せきれず、2台目の車を待って荷出しの確認。急ぎ電車に乗って引越し先に行ってみると、事務所と自宅の荷物はごちゃ混ぜの山積み状態である。仕事をしながらの荷物の整理に、たっぷり2週間かかった。

引越し後、初めてソウルから戻って来るかみさんを迎えたときは、冷や冷やした。築ウン十年の家のリフォームの完成にも立ち会っていない。それでも一応、及第点だったようだ。それに「一人でご苦労さん」とのお褒めの言葉もいただけた。

食事は、腹が減れば食べに行くか、何かを作るようになる。着るものがなくなれば、洗濯機を回す。干して取り込むのは大変だが。問題は掃除である。一人暮らしなので取り散らかすこともなく、埃で死んだといった話を聞いたことがないからだ。

1ヶ月もすると、外食にも飽き、スーパーの安売り広告に自然と目がいくようになり、夕食は7割方、ご飯を焚いて食べるようになった。翌日の天気を確認し、風呂の残り水での洗濯にもなれ、そして雨が降ろうが風が吹こうが、毎週水曜日には掃除機をかけるようになった。雨の日の掃除には、近所の人もさぞかしおどろいたであろう。家事でもう一つ欠かすことのできない、ゴミの分別とゴミ捨ては、従来、私に任されていたので、何ら問題はなかった。

一人暮らしで深酒になるのではないかとの心配も、杞憂にすぎなかった。酔っ払って帰って、倒れても救急車を呼んでくれる人もいない。50も半ばを過ぎるとそんなことを心配してしまうのである。寝るときも内鍵を閉めたら、もしもの時、救急隊が入れないのではないかと、真剣に思ったりしたこともある。

人と会うのも夜は極力避けて昼のコーヒーですませ、誘われても適量の半分に抑えるようになった。風呂上りの一杯もやめて2年もすると「飲まない」が「飲めない」になってしまったようだ。いまでは、「マッコリと爆弾酒の国」帰りのかみさんに、酒量では太刀打ちできない状態だ。なぜか、タバコもやめ、健康生活が自然と身についたようだ。(9月12日につづく)


『アジュンマのソウル留学日記』-07年9月12日刊行!!!

40代も後半の筆者がソウルにある大学院に留学。
体験する驚きや失敗、老化する脳との格闘を楽しく紹介します。
同名のブログと「月刊イオ」などに掲載のエッセイを一冊の本に!

カルチャーショックにヘトヘトになりながら、勉強とアルバイトに追われる日々でした。
受け入れ側も熟年学生には不慣れなようで、
朝鮮学校の教員や新聞記者の経歴も手伝ってか、かなり物珍しげでした。
(前書きより)

著者・金淑子
 (キム・スッチャ 1958年、京都生まれ。東京在住。
 朝鮮大学校を卒業。京都の朝鮮学校で教員を8年、
 朝鮮新報社の記者を8年務めた後、ソウルの大学院に留学。
 07年8月24日に社会学修士学位を取得)

A5版・日文・208頁・頒価2.000円(梱包・送料280円)
目次は
http://www4.ocn.ne.jp/~uil/602.htm

一般書店では取り扱っていません。

07年9月15日までにご予約の方に限り
送料・振込手数料を
当方が負担させていただきます。

ご注文は-綜合企画舎ウイル
TEL・FAX 03-6279-3356 
メール uil21@yahoo.co.jp