「記憶力が良い」
これだけ聞くととても良い響きのように思います。
私は記憶力が良いです。これを言うとよく「いいなぁ」と言われます。ですが自慢とは言えません。
記憶できる=勉強ができるというイメージがある気がするのですが私は勉強や仕事など本当に必要なことはすぐ忘れます。
じゃあ何を覚えているんだという話になりますが、昔の思い出や出来事については鮮明に覚えています。勿論最近のことも細かいところまで覚えています。
私の中にある1番古い記憶は、2歳くらいの時に行ったお花畑でちょっと先で待ち構えている父の所まで着ていたポロシャツの裾を何故かパタパタさせて「ぽんぽん見えちゃう〜!」と爆笑しながら走っていくという謎シーンです。
よく晴れていたこともひたすら楽しかったことも覚えています。
楽しかった記憶を覚えていられることは正直嬉しいです。問題は嫌だったこと、早く忘れたいことも鮮明に心に焼きついていることです。おまけにその時の感情もセットでついてきます。
長い年数は生きていないですが、今までを振り返ると圧倒的に嫌だったことが多い気がします。
小学校時代に同じアパートに住んでいた子に6年間ずっと執着され、その子以外と話すと休み時間や帰り道に大声で怒鳴られて詰られて、挙句の果てには帰る所が一緒だから帰り道でどれだけ逃げようとしても怒鳴りながら追いかけられたこととか、
中学時代、クラスメイトが聞こえるように陰口を言ってきたり私の言ったことだけ無視したり、毎回机を動かす時に私の足元を軽く机の足にぶつけてきたこととか、部活で先輩や先生に何をしても理不尽に怒られたり私の分だけプリントが配られなかったり大事な情報を伝えられなかったりと小さな嫌がらせを受けてきたこととか(正直中学が1番辛かったです)、
高校時代に部活である役職を任され、責任感と自己嫌悪に押し潰されていたこととか。
全部全部、一人称視点の映像として見ているような感覚で思い出せます。無視された時の心に何かを突き刺されたような、心を握りつぶされるような感覚や、何をすれば怒鳴られずに済むかを考えて「どうしようどうしよう」となって呼吸が苦しくなるほど焦る感情までご丁寧に再現されます。
他人にされた嫌なことは勿論そうですが、それに加えて自分がやらかしたことも覚えています。こちらに関しては「この時こうすればよかった」という後悔と反省会をするところまでがルーティーンです。
更に、嫌がらせをしてきた人は忘れているのにこっちはその記憶を抱え続けているということがよく起きます。私がその記憶に苦しめられることもある中、相手は綺麗に忘れて呑気に生活していたと思うと悲しくなります。
友人が言うには私は気にしすぎな性格らしいのですが、いつになったら過去に引っ張られずに、まっすぐ前を見て生きられるのだろうともがき苦しんでいる毎日です。
「忘却は人間の防衛本能」とはよく言ったものだと思います。
とはいえ、色々覚えているおかげで会話する上で役に立ったり楽しかったことを鮮明に思い出せたり、もう同じやらかしはしないと思えるので損だけではないことは確かです。
友人の1人に忘れっぽすぎる子がいるのですが、その子曰く「忘れている記憶の中で自分が何をしでかしたのかわからないのがつらい」「思い出話になると覚えているフリをして頑張って話を合わせるのが大変」らしいので忘れやすい人には忘れやすい人の苦労があるのだと思います。
ですが記憶力によって苦しんでいる人もいるということを頭の片隅にでも置いて頂けると嬉しいです。