いよいよ今日は内分秘科の診擦日。入院の宣告を言いわたされるのは確実だ。なんとかして通院にしてもらうように、悪あがきをしようと考えながらも、昨晩は首ねっこを掴まれたネコのように観念したのか、今日の診擦に遅れないように神妙になって床についた。

 朝は目覚まし時計が鳴った時間に起きれたもののなんとなくからだがだるい。起きた後すぐに団地の管理人からクレームが入り、2年前に行った工事の図面を提出するはめになった。なんともさいさきが悪い。オークションで落礼されたCDの梱抱を終えた後、遅い朝食を食べたが、なんだか飯がまずく感じた。

 診擦時間に余欲をもって間に合う時間に部屋を出て病院に向かったが、歩く足どりが重くはや足で歩くとひや汗が出た。

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 病院に着いた後、前回行った再来の受けつけをまた最初から行い、血圧を計るように言われ血圧計で計ると上は138の下は98、体温計で熱を計ると35.9℃だった。

 "血圧と体温は平常だ"と安堵しながら、体重計にそのままの格好で乗ると、70数キロ、この前計ったときより1kg増えてた。

 先週は食べ過ぎたかなぁ(^_^;)"

 内分秘料の受付が終わり外の待合室で待っている間、最近読み始めた漫画を読んだ。入院になりはしないかと考えると不安で新聞や雑誌の活字が目に入ってこない。その点、面白い漫画は便利だ。長い待ち時間も気にならず漫画に没頭できた。

 ほどなく待合空に備えつけられている予約の表示板を見て、診擦の時間帯が来たのを知ると、中の待合室に入り、診察室の戸のまん前の長待子の空いているところに座った。

 さすがに診察室が目の前にくると、あらぬ不安でいっぱいになる。ぼくは不安をかき消すかのようにニューズウィーク日本版の"海兵隊は普天間に必要か?"だったか特集を必死に読んで、目前に迫る脅威を考えまいと海兵隊が必要か不要かを書いた記事を読んで理解することに集中した。不安を鎮めるのにこれは幸いにも役立った。

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 あまりも雑誌を読むのに集中していたせいか、ぼくの名前を告げられたとき、ぼくは読んでいた雑誌をバッグに入れるのにあたふたしてしまった。

 ところが、戸を開けて入ると数年来ぶりにお目にかかる医師が、

「ひさしぶりだねぇ」とやんわり声をかけてくれたので、一気に緊張がゆるまった。白髪まじりの髪に細身でいかにも町医者といった気さくさは今も健在だった。

 「ほにゃらら先生(仮名)、ヘロヘロクリニック(仮名)にいるんだ。」と懐かしかなりながら、

 「ほにゃらら先生変わってない?」と尋ねてきたので、

 「あれから少し太りました」と言ってしまた(^_^;)ぼくの主治医とは長いつきあいだからという医師の返事を聞いているうちに、緊張が溶けてすっかり落ちつくことができた。

 かなり急がしくてなかなか予約がとれない医師だが、やはりこの医師でないとダメだ。8年前にペットボトル症候群で入院してインスリン注射を打っていたときも、この医師が"一時的に打てばあとは打たなくてもよくなる"、と言ってくれたのを信じて食事療法と運動療法に励み、インスリン注射から脱出きた。

 「入院した方がいいんだけど...」と医師は言いながら、血糖値を下げる薬を処方してくれた。同時に中断していた眼科の予約と3度めになる栄養指導も決まった。

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 血糖値を測定するチップと針の処方をお願いしたとき、インシュリン注射を打たないとチップが処方できないことを言った後、

 「血糖値を計ることよりアルコールを飲まないことの方が先決だよ」と針をさされた。

 やんわりとした言い方だが、この医師のひとことは鬼より恐ろしい(*_*)

 「アルコールは飲まないようにします」、と思わず神妙になって答えてしまた(^_^;)

 来月の診察まで薬を服用するだけでよくなったことにホッとしながらも、いまだ高血糖(500超)なのが不安に残りながら病院を後にした。

 診擦が終わった後、気が楽になったのか、ドッとおなかが空いてきた。駅前に着いたとき牛丼でも食べてこうと思ったが、1個170kcalのクロワッサンをスーパーで買って食べた。いつも診擦が終わると缶チューハイが飲みたくなって買うのだが、今日はさすがに飲みたい気持ちが起きず買わなかった。

 あの外来に通っている患者の多くは、自分のからだは自分で守るしかないと知っている。医師に言われたひとことで条件反射的にそのことを思い出し、からだによくないものはなるべく飲み会いするのを避けようと、かみしめるように自分に言い聞かせた。



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