安政3年 土佐藩、
庄屋とぐるになった奉行の不正を訴え、裁きをやり直してもらおうと、ちっきょ中の元参政・吉田東洋に訴えたたふたりであったが、東洋は「諦めるより他はない」というばかりだった。
一度は諦めたかにみえた弥太郎であったが、その夜、奉行所の前に現われると門に落書きをするために刀で門の戸に傷をつけ始めた。
弥太郎がなにかをすると察していた龍馬は、弥太郎を見つけ声をかけた。
「世渡りじょうずじゃとかゆうちょったけんど、」
「そりゃあ、勘違いじゃぞ。」
「ぶきよーな男じゃ。」
弥太郎「おまんはなんじゃ」
「わしらの家族になんのかかわりもないのに、」
「吉田東洋に手打ちにされそうになってまで、」
「なんで、わしに付き合うがじゃ?」
龍馬「おまんが帰って来たきじゃ。」
「あれっばーの強い思いで、」
「江戸まで行ったのに、」
「岩崎弥太郎は、」
「お父上のために帰ってきた!」
「あのときの...」
「おまんの血と汗と泥にまみれた姿を観たとき、」
「わしは...」
龍馬は胸をポンポンと右手のてのひらでたたき言った。
「ふるえが来たがじゃ」
弥太郎の顔をじっと観てうなずく龍馬
目をパチクリしながら、顔を左右に振りながら、
うれしそうに頬がゆるんだ弥太郎は言った。
「つまらん理由じゃ。」
そういうと立ち上がり言った。
弥太郎「聞いて損したあー」
その後、龍馬は自分が剣術の修行のために、
再び江戸に行くことを告げ、
弥太郎をその場に残して立ち去った。
龍馬が去った後も、弥太郎は落書きを彫り続けた。
・ ・ ・
翌日、奉行所の前におおぜいの人が集まっていた。
役人「下がれ、下がれ」
と、役人は人ばらいをしていた。
こそに通りがかった町人が、門に掘り込まれた落書きを読んだ。
町人「官は賄賂を以って為し、獄は愛憎に因って決す。」
(役人はわいろによって仕事をし、気に入らないやつを牢屋に放り込む。)
町人「ふん、まったくもってその通り」
< 完 >
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