風邪と花粉症の同時攻撃にいたたまれなくなり、だったら好きにせい!と半袖短パンでブログを書いているきくっちゃんです。
もうどの理由で鼻が止まらないのか分からない。
さて。アルバム解説の季節です。
アルバムが出まして、『からだのなか』と言います。
※amazonとか 他でも買えるよ(宣伝)
ちょっと落ち着いたのでアルバムについて書こうかと。
まず先にアルバムのパッケージについて。
今回ダンボールです。
↑問題の歌詞カード
重いのは歌詞カードがひどいからで、ワンマンの時に発表した「288ページ」ってのは嘘ではなかったのです。
問題はiTunesでダウンロードしてもCD屋さんでリアル盤を買っても値段がほとんど変わらないこと。
だったらね。
ほれ。
ね?
できればタワレコやヴィレヴァンやJEUGIA三条本店(京都っ子よGO)や二子玉川の蔦屋書店(おしゃれか!)や山野楽器や、とにかくお店で手に取ってみて下さいー。の想いを込めたパッケージなんです。
中にはほら。こうやって歌詞カードをわざわざディスプレイして下さるお店なんかも。
↑下のアクリルケースの中
なんで歌詞カードがそんなに分厚いねん。とお突っ込みのあなた。
手に取ってみて下さい!
ぜひ。
大事なのでもう一回言うよ。
手・に・と・っ・て・み・て・く・だ・さ・い・!
さて。
曲です。
ただ、これまでとは違い、色んなラジオやテレビに(もうすぐ雑誌も)出させて頂き、同じようなことを百回も繰り返し言ってるので、、、んー。
んー。
というわけで、ここでは音楽的なことを中心に書こうかと。
【1.刺す猿】
リード曲といいまして、アルバムのメインの曲です。
いろいろパワープレイ的なのに選んで頂いたり、テレビで取り上げて頂いたりしておる曲です。
詳しくはコチラ。newsってとこね。
この曲。結構最後にできたんです。というのも、もともと「体の中」というアルバムタイトル曲があったのですが、それをボツにしちゃったので、
「ねえねえだったらもう一曲かきなさいよ、なんてことするんだおまえよう」
としょったんに怒られ、「はいがんばります」と言って書いたのでした。
この曲、冒頭など一部を除くと実はずっと同じコードなんです。
ずっとB♭+9。
しかもリフも1小節の延々繰り返し。
だもんで楽譜がすっかすか。
弾いていると精神的に相当鍛えられます。
あたまがおかしくなります。
てわけで気分転換に、曲中でしょっちゅう運指を変えていますきくっちゃん(ライブで見てね)。
【2.この胸とまれ】
これは完全なロックですね。
ベースのキイチせんせとドラムのがっちゃんの録音が格好よすぎて、メンバー三人かえって困り果てた曲です。ちくしょう。
なんて言うんでしょう?
リズムだけ聴いていると永遠に続いていきそうな、ずっとぐるぐるドライブしまくってる感じ。
困ります。
うちらの技術を越えたことをやらないで下さいお二人。
と、まじで思った曲です。
自分らの録音が終わった時には確実にスキルレベルが上がった気がしました。
【3.Dr.】
いいですねー。大好きです。ドクターと読みます。
これはなんと、〆切数日前にできた曲なんです。
実はこの子、2曲目「この胸とまれ」のベースとドラムのトラックを一回分解して組立てなおした構成で、よーく聴くと、あ、このリズムあそこや!とか分かるはずなのです。
歌詞がやべえので、お時間ある方はじっくり読み解いて下さい。ただの満員電車の曲ではないのです。
満員電車のオーマイガについてはもうカリスマのいっちゃんが歌っているので、さらに気持ち悪くしようかと。
ドクターの正体が誰なのか。それに気づいたボーカルしょったんは戦慄のあまり電車に乗れなくなりました(日本語へん)。
ヒント、というか答えなのですが、この一人称の女の人は「健康ではないです」。
【4.根菜て子】
一見いけてるけど実はしょうもない彼氏にうんざりし始めた女の子の歌です。
あと、力の計算をする際、すぐに加速度をかけ忘れちゃう力学を習いたての理系学生に向けた応援歌でもあります。
あと、モーメントと仕事がどちらも(N)×(m)だと気づいたこの女の子の生き方のセンスがたまらないです。
【5.でくのぼうさん】
今回のアルバムでは珍しいデジタル寄りの曲です。
でも、というかだからこそ、わりとルーズにピアノを弾きました。
そして、さらにそこにがっちゃんが手をぱんぱん叩いたりすりすりしたり、箱(本当に箱)をわさわさしたりしてすんげえぐりんぐりんのグルーヴを加えてくれています。
ドラマーの贅沢な使い方!
縦が全く揃ってないのに気持ちいい、そんなサウンドに挑戦してみたのでした。
【6.グレー】
月曜日の教室の歌。
すだっちが実は大好きな歌。あの人、案外暗いんです。
すだっちを“こういう曲の美しさとは最も遠い所の住人”だと思っているあなた。
もうちょっとすだっちに優しく接してあげて下さい。あんがい一番繊細なんです。
【7.フィリフヨンカのぎざぎざ】
やばい。例によって飽きてきた。
えっと。
えっと。
これは水泳の歌です!
【8.鼻】
クロイツ群という、近日点がとても太陽に近い軌道を描くグループに属する彗星が、2011年の5月、スイングバイに失敗して太陽に飲み込まれてしまう事があったのですが。
それとはあまり関係のない小さな部屋の小さな物語です。
昔風のシンセ一本とエレキギターのワウだけで成り立っている曲です。
【9.オーロラ】
とっても大事な曲なので、内容の話はさておきつつ。
実はこの曲、一番のサビ時点ですでに3回も転調している(つまりキーが4つ)もある曲なんです。
ただでさえ転調が多い夕食ホットですが、たぶん「オーロラ」が最多かと。
【10.見ぃつけた】
かくれんぼうの歌。いいですねー。いいですねー。
この曲のもつ、大人の自分と子供だった頃の自分を行き来する感覚。
これを表現するために、音楽的にも二つの手法を合体させて作っています。
ひとつは冒頭のギターに現れるポップスロック的なコード進行とリズム。
もうひとつはBメロからサビに現れるバロック的な音色と音の組み立て。
この二つを結びつけるために、ドラマーさんからみたらもうめちゃくちゃなリズムを構成してみました。
これをライブでしれっと叩くがっちゃんほんとすげー。
【11.ひびのひび】
これも「Dr.」と同じ系列の、よく聴くと怖い系の曲です。
しょったんが歌うことで浮かび上がる風景の怖くて美しい感じがたまらんのです。
この曲をライブで歌うとき、♪殻を蹴って、のところで本当に蹴ってパンツが見えそうになるのを回避するため、しょったんはいつも下に「見えてもいいやつ」をはいています。ちっ。
【12.ひまわり】
この曲があって本当によかった。
アルバム全体が冷たくて青白くて(それを目指したんだけど)、ちょっとこれは大丈夫なのかな、なんて思っていた矢先に、しょったんからこの歌詞が届いたのです。
なんか圧倒的な熱風が吹きぬけて。
ああ、やっとアルバムが完成した、とそう思いました。
アルバムにはアルバムの音の作り方。ライブにはライブの音の作り方、と。結構両者を分けてアレンジを進める夕食ホットなのですが、なぜかこの曲だけはもう、生まれた瞬間からバンドサウンド一本で行こう!と決めていたのです。
しょったんの歌詞も歌も、すだっちのエレキギターも、キイチせんせのベースも、がっちゃんのドラムも、もちろん僕のピアノも。
すべてそのまま「ああ、そこにあって良かった」と思える一曲なんです。
最後にいいことを言えたので、今回はここで終わります。