ひとりであそぶ | 夕食ホットオフィシャルブログ

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美容師のボーカルしょったん+建築家の鍵盤きくっちゃん+ぬいぐるみのギターすだっちからなる異色ユニット「夕食ホット」の公式ブログです。

みなさんこんばん脇汗。

久々に湯船にお湯を張ったきくっちゃんです。

 

 

そこでふと思ったのですが、お風呂っていつから一人で入るようになったんでしょうね。

小さい頃、親と一緒に入っていた記憶はもちろんあります。いくつか。

そして、いとこと一緒に「今日は子供だけで入ったるねん!」みたいな日の記憶もあります。

 

でも、

さー今日から一人でお風呂だぜ!

ひゃっふー!

 

みたいな記憶ってまったくないのですが、、、

どうだったっけ?

 

 

免許とって一人で車を運転した日のことは絶対忘れられない記憶ですタコカー

ひえええ、こんなに行動範囲ひろくなるんやー!つって、京都市内を走り回りました。

行動範囲とともに世界が広がるあの感じ。

 

はじめて一人で、誰もいない土曜日の昼に玉子を焼いたことも覚えています目玉焼き

両親が共働きだったので、どちらかの親がお弁当とかすぐ食べられるものを置いていってたりするのですが、その日ふと、「料理したもの」が食べたくなったんでしょうね。

炊飯器のご飯と、あっためるタイプのボンカレー的なやつに、自分で焼いた目玉焼きを乗っけて食べました。

これもまた、世界が大きく広がる素敵な瞬間でした。

 

他にも「一人○○デビュー」の記憶はたくさんあるのに。

一人散髪。

一人服買い。

一人電車。

一人新幹線。

一人飛行機。

一人ラーメン。。。

 

同じくらいに「一人風呂デビュー」って、人生にとって大きな瞬間な気がするのですが。

うーん。なんで覚えてないんだろう雪だるま

 

 

 

まあいいや。

本題はそこじゃない。

 

そうやって一人風呂デビューしたきくっちゃん少年も成長し、高校生くらいになると

“俺が家族でお風呂一番最後”みたいなことにもなってくるのですね。

ああ甘美。

 

僕、最後のお風呂好きなんです。

なにが好きって

 

湯船のお湯を捨てるとき、

中に入ったそのまま、どんどん水位が下がってくのを楽しむ

のがたまらんのですね。

 

 

肩が出て、

体の輪郭をなぞるみたいに水面がどんどん下がって、

腹が出たあたりで突然訪れる虚しさというか哀しみというか。

そしてあと数センチ、って時にはもう

最低に物悲しい体育座りのおっさんが打ち捨てられてるっていうね。

 

“座礁感”といいますか。なんというか。

 

そして最後の

ちゅごーる。へごへご。

っていうお湯の断末魔。

やがて訪れる圧倒的な静寂。

 

美しい。

美しすぎる。

 

 

ってわけで実はいまお風呂あがりなんですが、今日も僕、やってしまいました。

 

 

適度な座礁感を味わって、そして。

そうですね。

素敵なみなさんなら分かりますよね。

 

まだひとつ大きな楽しみが残っています。

 

そう。

 

 

Gravity

 

 

重力との戦い。

 

 

 

Gravity(邦題:ゼロ・グラビティ)

 

 

 

完全にお湯のなくなった湯船から立ち上がろうとすると、

なんと重力の大きいことか。

 

こんなに重いものを引きずって我々は生きているのか。

なんて不器用な存在なんだろう。

 

 

いえ。

 

ネガティブな感情じゃないんです。

むしろ喜びです。

 

地球が僕のすぐ真下にある喜び。

 

 

ああもっと。

もっと僕は、

シャワーなんかでお茶を濁さず、湯船にきちんとつかるべきなんだ。

と日々の生活を大いに省みつつ。

この大きなグラビティに抗って立ち上がるわけです。

 

 

聞く所によると、アルフォンソ・キュアロン監督も、日々の湯船お湯抜き抜き大作戦からあの映画の構想を得たらしいですヒゲ

 

 

 

さて。

 

 

ここからが本題です。

 

 

こういう、普段生活していると忘れがちな感動や畏敬の念や時には恐怖や、そういうものを掘り起こして密やかに楽しむ行為を僕は

『ひとりあそび』

と呼んでいます。

 

読んで字のごとく一人で遊ぶこと。

 

 

素敵ですね。

ひとりあそび。

 

 

これがないと僕は生きていけない。

 

 

こういうものをどれだけたくさん持っているかで、その人の人生の価値が決まるとすら僕は思っています。

 

 

逆に、

ひとりあそびをまったくしない人間を僕は信用しない。

すぐ分かります。

 

ああこいつ。ひとりあそびしないタイプのやつや。って

どこか遠くへいってネットで起業でもしてしまえ。って。

 

 

 

他にも僕は

・ チャリあと10回漕いで家に着かなければ家火事ごっこ

・ フルーツグラノーラの中のクランベリーを舌で探し当て、それをずっと口の中でなめ続けるごっこ

・ ハノンの20番までを一気にひとつも間違えずbpm94の暗譜で弾くごっこ(成功したらbpm110が待っている)

・ 野菜の水分だけで八人前くらいのカレーをつくるごっこ

・ 人の声だけで一曲つくるごっこ

・ 迷子ごっこその1(布団の中でぐるぐるに回って、こっちが窓! みたいに信じ込むまでじっとしてて、ぱっと布団とったら一瞬世界がぎゅーんってなる遊び)

・ 迷子ごっこその2(自転車とかで、わざと勘とは逆の方逆の方へ道を選び本当に迷う遊び)

・ 沖縄逆日帰りごっこ(朝まで沖縄にいて帰って来たのに、その日の夜はまた沖縄にいる遊び)

・ 渋谷駅までにめちゃめちゃ好きなタイプの女子3人みつけないと地球爆発ごっこ

・ ていうか、なんでもカウントダウンごっこ(ずっとやってます)

 

などなど、

僕の生活はひとりあそびで満たされています。

ていうか、人生そのものがひとりあそびだと本気で思っています。

 

ここでひとつだけ言っておかないといけないことが。

一人で遊ぶものだったらなんでも「ひとりあそび」かというと、そうじゃないのです。

ひとつだけ大事なポイントが。

 

それは

『どこかしら、自分を追いつめる要素を含んでいる』

ということ。

ただただ快楽を追求するようなものであってはならない!

 

それだけは皆さまよろしくお願い致します。

 

 

掛軸座右の名掛軸

 

「人生ひとりあそび」

 

 

ランドセルchiroランドセルchiroランドセルchiroランドセル

 

たまに、16時とか中途半端な時間に、なんか下を向いてひとり、ぶつぶつ言ったりきょろきょろしながらランドセルしょって下校してる小学生の男子とかを見ると、昔の自分を見てるみたいで本気で嬉しくなります。

親が迎えにきてる少年サッカーのガキの集団とか見ても全然そんなこと思わないのに。

 

 

ぶつぶつ少年よ。

ここに未来のお前がいるぜ。と呪いをかけつつ温かい目で見守ります。

 

ただ、たまにニヤニヤしたままそいつと目が合ったりして、

どっちも照れくさそうに、なんとなくごまかすみたいに早足でその場を去ったりもします。

それもまたひとつの美しいあそび!

 

草々