背筋をしゃんとして、頭をもたげ、杖をつきつつ……わたしも歩く | よろぼい日記

よろぼい日記

杖ついてやっとこさ歩いてバタンキューの毎日。食べれない。喋れない。わからない。死にそう。どん詰まりのあがき…………か。それとも死に欲かな?

 

 

年をとり、何度も死にかかって、あちこちをやられ、へなへなになった身で、杖をつきつつ、ヨタヨタ歩いているといつもGazaの詩に励まされる。

 

 

(加治丘陵の春)

 

 

 

♪背筋をしゃんとして わたしは歩く

頭をもたげて わたしは歩く。

 

加治丘陵は陽の光にかがやき、静まりかえっている。鳥がさえずる。色とりどりの緑がきらめく。

 

♪わが手には オリーブの枝と鳩をたずさえ、

わが肩には しかばねをかついで

そうやって わたしは歩く。♪

 

♪わが心は 満月の赤味たっぷり、

わが心は 庭、

茨の甘紫蘇のかおりでいっぱい。

わが唇は 雨降らす空のように

いま 火について また愛について……。

そうやって わたしは歩く……わたしは歩く。♪

 

 

金が底をついて半年になろうとしていた。

同居している倅が突然、また逮捕された。200万の保釈金をどう工面するか?

どぼとぼ歩きながら、わたしはなぜとも無く、口ずさむ。

 

 

♪わが心は 満月の赤味たっぷり、

わが心は 庭、

茨の甘紫蘇のかおりでいっぱい。

わが唇は 雨降らす空のように

いま 火について また愛について……。

そうやって わたしは歩く……わたしは歩く。

 

背筋をしゃんとして

 

                                  (サミーハ・アルカシーム作)