年をとり、何度も死にかかって、あちこちをやられ、へなへなになった身で、杖をつきつつ、ヨタヨタ歩いているといつもGazaの詩に励まされる。
(加治丘陵の春)
♪背筋をしゃんとして わたしは歩く
頭をもたげて わたしは歩く。
加治丘陵は陽の光にかがやき、静まりかえっている。鳥がさえずる。色とりどりの緑がきらめく。
♪わが手には オリーブの枝と鳩をたずさえ、
わが肩には しかばねをかついで
そうやって わたしは歩く。♪
♪わが心は 満月の赤味たっぷり、
わが心は 庭、
茨の甘紫蘇のかおりでいっぱい。
わが唇は 雨降らす空のように
いま 火について また愛について……。
そうやって わたしは歩く……わたしは歩く。♪
金が底をついて半年になろうとしていた。
同居している倅が突然、また逮捕された。200万の保釈金をどう工面するか?
どぼとぼ歩きながら、わたしはなぜとも無く、口ずさむ。
♪わが心は 満月の赤味たっぷり、
わが心は 庭、
茨の甘紫蘇のかおりでいっぱい。
わが唇は 雨降らす空のように
いま 火について また愛について……。
そうやって わたしは歩く……わたしは歩く。
♪背筋をしゃんとして
(サミーハ・アルカシーム作)