去年末、最後のM1グランプリが開かれまして
その中でひときわ異彩を放ったのがスリムクラブ
mixi日記での評判は本当に賛否両論
爆笑した人もいれば
クスリともしなかったなんて人も
そんな見る人を選ぶネタがコチラ↓
とりあえず、動画の方をご覧ください。
見ました?
スリムクラブの芸風で、長い長い間の取り方が特徴的ですが、それはいろんな人が言ってることなので、そこ以外のことを書きますね。
まず、面白いところその1。
「あなた以前 私と一緒に 生活してましたよね?」
ここ! まずね、「生活」という単語を持ってきたのがすごい。「暮らしてましたよね?」ではなく「生活してましたよね?」って。
同棲ではなく、寮だとか、遠洋漁業の船だとか、もしくは刑務所だとかそんなニュアンスが伝わってきます。謎の中にちょこっとヒントが混じってる感じ。
あと、「生活してましたよね?」の部分だけ強調されてて、余計変なおかしさがあるという。
そしてそれに対するツッコミが「してません……人違いですよ」
そう、まさにリアル。実際そう話しかけられたら、そう返すしかないですよね。他の芸人だと、怒ったツッコミをいれそうなところですが、実際は怒れませんよね。
そして次に
「あなた毎晩 私に おはなししてくれたでしょ」
これ、推測なんですが、この言い方だと会話という意味での「お話し」ではなく「お話」の方だと思うんです。「語り」っていえばいいかな。親が子供にする、読み聞かせのイメージ。話し手と聞き手がしっかり分かれてる状態ですね。パッと浮かぶのはそっちなんですよね。
たぶん、「毎晩」という単語から「おはなし」という単語につながるからだと思うんです。そして最初の「生活してましたよね?」があるからこそ、これも生きてくるのではないかと。やっぱり計算されてるのかな。
そしてそのお話の内容が「この世で一番強いのは放射能」。やっぱりこれは「語り」なんでしょうね。なにか道徳的な話か、それとも物語なのかの話の中で、「この世で一番強いもの」についてのくだりがあったのでしょう。
そしてそれに対するツッコミが
「僕じゃないです……だから、人違いですよ」
そう、話の内容、つまり放射能に対してツッコムのではなく、あくまで「人違い」であることをツッコンでます。そうなんですよね。ここで話の内容にツッコムと、いくら人違いをされてるとはいえ相手に失礼ですもんね。
そこから「世界で一番弱いのはウズラ」
ウズラ!(笑)
これは本当に予想外でした。この微妙なライン。巧いなー。
それに対して「それも僕じゃないです」
そう、やっぱり「ウズラ」に対してはツッコマない。そこがとってもいいんです。ウズラにツッコンだら台無しですよ。よくある「知らねーよ!」ってツッコミだともっと最悪。それをしないところが本当にステキ。
ここから先は実家の畑に塔を建てたくだりですが
ここはちょっと内容が破綻してる感じがして残念なのよねー。セリフ抜かしたりしたのだろうか。
そして謝罪に入るのですが、その謝罪方法が「左手の指を全部折る」。
すごい(笑) 謝罪の中の謝罪じゃないですかそんなの。よく思いつくなーっと。
それを止めるツッコミに対して
「やらせてください 私は こうして 成長してきました」
「こうして」の部分にアクセントついてましたね。「こうして」って言葉を選ぶのも、おもしろい。「こう」ってどうなんだよと(笑) 「成長」って単語もまた巧い。なかなか口語で出てこない。
そして再開の記念に土を差し出すと、「逆の立場になって考えて。この状況でいきなり土出されて、なんて思う?」
もうね、至極真っ当な意見ですよ。「相手の立場になって考えなさい」という、私たちが受けてきた教育ですよ。なじみの深い言葉なのに、あまり漫才ではみないですよね。ボケの側に意見をもとめるのは、ボケを否定しきるタイプの漫才ではやりにくいんでしょうね。
んで最後に「後は肥料か」
うん、貫いてますな。あくまでも、変な人だけど真面目っていうキャラを通してますな。
あー
決勝のネタはまた機会があったらね。
疲れた!
とりあえず、スリムクラブの漫才には無駄がないですな。言葉選びも素晴らしい。
スリムクラブはまだ単独のDVDは出てないようなので、鳥居みゆきをば。彼女も言葉選びが秀逸で、更にネタの構成が巧い芸人。
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