フェリックス・パパラルディ
Felix Pappalardi
1939年12月30日 - 1983年4月17日
ベーシスト、キーボーディスト、ボーカリスト、音楽プロデューサー
4人目のクリーム
1967年よりクリームのアルバムをプロデュースする。
また、アルバム『カラフル・クリーム』(1967年)収録曲「ストレンジ・ブルー」をエリック・クラプトン、それに妻のゲイル・コリンズと共作した。
続く『クリームの素晴らしき世界』(1968年)、『グッバイ・クリーム』(1969年)ではプロデュースだけでなく様々な楽器の演奏でも貢献しており、『グッバイ・クリーム』の最後に収録された「ホワット・ア・ブリングダウン」ではジャック・ブルースの代わりにベースを弾いた。
その後、ハードロックバンド「マウンテン」をレズリー・ウエストと結成する。
マウンテン来日
1973年8月、来日したマウンテンの前座を務めたクリエーションは、マウンテンのプロデューサーでありベースとヴォーカルを担当するフェリックス・パパラルディと運命的な出会いを果たす
クリエイション(CREATION)との出会い
竹田和夫
後年、竹田がインタビューで語っているが、この時パパラルディはクリエイションに「海の向こうには大きな世界があるのに、日本に閉じこもっていてはダメだ」と海外進出を促したという。
ワールド・ロックフェスティバル
クリエイションは、四人囃子、カルメン・マキ&OZ、イエロー、ニューヨーク・ドールズ、ジェフ・ベック等と共に出演。
さらにフィナーレを飾るジョー山中とフェリックス・パパラルディの共演ステージのバッキング・メンバーとして、森園勝敏、近田春夫たちと共に竹田と樋口も参加することになり、パパラルディと2年ぶりの再会を果たす。
すでにこの時点で、両者による共演アルバム制作のプロジェクトは進行しており、この年の10月には、マサチューセッツ州ナンタケット島にあるパパラルディの自宅スタジオでレコーディングを開始。
ここで約1カ月に亘って作業した後、ニューヨーク州ウッドストックのベアーズヴィル・スタジオに移動して再び1カ月に亘るレコーディングが行なわれた。
プロデュースはパパラルディと夫人のゲイル・コリンズ(収録曲全9曲中8曲の作詞も担当)。
エンジニアは、エリック・クラプトンのライヴ・アルバム『E.C.Was Here』(75年)を手がけたラルフ・モス。
ゲストとして、ポール・バターフィールドがアルバムのオープニングを飾る「She’s Got It」にブルース・ハープで参加している。
パパラルディは全曲のヴォーカルの他、数曲でベース、キーボードも弾いている。
クリイション・ウィズ・
フェリックス・パパラルディ
76年4月5日にリリース。前年のミカ・バンド『黒船』『Hot Menu』に次ぐ、外国人プロデューサーを迎えての日本のロック・アルバムということで話題を呼び、オリコンのアルバム・チャート8位まで上り、4月24日に日本武道館で開催されたパパラルディ+クリエイションのお披露目コンサート(ライヴ録音され2007年にCDで初音盤化)も成功裏に終わった。
そして、いよいよニューヨーク、LA、シカゴ、ボストン等を廻るツアーがスタートする日に、アルバム『クリイション・ウィズ・フェリックス・パパラルディ』が『Felix Pappalardi & Creation』のタイトルで、A&Mレーベルを通じて全米とカナダで発売された。1976年6月8日のことである。
米国人と一緒に日本人がブルース・ロックを演奏するという物珍しさもあってか、全米各地でこの“日米混成バンド”は注目され、現地の音楽メディアにも大きく取り上げられたが、ツアー終了後、両者は再び各々の活動に戻る。
一方のパパラルディは、79年にA&Mよりソロ・アルバム『Don’t Worry Ma』をリリースするが
83年4月17日に女性問題のトラブルから妻ゲイルに射殺される
享年44歳。
その後
Gail Collinsは故意の事件ではなく偶発的な事故だったと主張した。Pappalardiが銃の扱い方を彼女に教えている間に暴発した。
陪審もその主張をある程度認めたようで、有罪判決を受けたが、2年後には仮釈放された。
それからは表舞台からは姿を消し2013年12月6日、ガンによってメキシコで亡くなった。
享年72歳。
主なプロデュース作品
ヤングブラッズ
- 『ヤングブラッズ』 - The Youngbloods (1967年)
- 『アース・ミュージック』 - The Earth Music (1967年)
ジョリヴァー・アーカンソー
- Home (1969年)
クリーム
- 『カラフル・クリーム』 - Disraeli Gears (1967年)
- 『クリームの素晴らしき世界』 - Wheels of Fire (1968年)
- 『グッバイ・クリーム』 - Goodbye (1969年)
- 『ライヴ・クリーム』 - Live Cream (1970年) ※1968年録音のライブ
- 『ライヴ・クリーム Vol.2』 - Live Cream Vol. 2 (1972年) ※1968年録音のライブ
ジャック・ブルース
- 『ソングス・フォー・ア・テイラー』 - Songs for a Tailor (1969年)
ケンジントン・マーケット
- Avenue Road (1968年)
ベドラム
- 『狂人どもの舞踏会』 - Bedlam (1973年)
ナチュラル・ガス
- Natural Gas (1976年)
ジェシ・コリン・ヤング
- Love on the Wing (1977年)
ホット・ツナ
- 『ダブル・ドーズ』 Double Dose (1978年)
ガソリン
- Killin' Time (1978年)
デッド・ボーイズ
- 『ウィ・ハヴ・カム・フォー・ユア・チルドレン』 - We Have Come for Your Children (1978年)