尿路結石
尿路とは腎盂、尿管、膀胱、尿道の総称で、尿路結石は尿路のいずれかに結石ができることです。
典型的な尿路結石の症状は背中から腰にかけての激しい痛みや血尿ですが、無症状の場合もあります。尿路結石は自然に出ることが多いですが、自然に出ない場合は衝撃波による治療や、内視鏡手術で結石を取り除きます。
生活習慣の工夫によって結石の再発を防ぐことができ、特に水分を多めに摂取することが重要です。
尿路結石ができる場所とは

尿路結石は、その名のとおり、尿の通り道、「尿路」にできる石のことです。
一口に「尿路」と言いますが、尿路を作る腎臓から尿管、ぼうこう、尿道すべてを指しています。結石は、腎臓か尿管で見つかることがほとんどです。
尿路結石というと、「七転八倒するような激痛」がイメージされがちですが、必ずしも激痛を伴うわけではなく、結石ができる場所によって症状の現れ方も異なります。
尿路結石は結石の場所によって症状が異なる


腎臓に結石がある場合
痛みはほとんど感じません。
そのため、自覚症状がなく、人間ドックや健康診断で見つかるケースがほとんどです。ただ、症状がないからといって放置していると、腎臓の中で大きくなりすぎて、腎機能が低下する恐れもありますので無症状でも定期的に検査を受けたほうがいいでしょう。
尿管に結石がある場合
石が詰まって尿が流れくなるため、背中や脇腹に痛みが出ます。
痛みは、鈍痛から救急車を呼ぶほどの激痛までさまざまです。痛みのほかには、血尿や吐き気といった症状もあります。さらに、尿の流れが悪くなり、細菌感染を起こすと、結石性腎う腎炎という命に関わる病気を引き起こす場合もあります。
尿路結石 どんなときに治療が必要?
尿路結石の中でも尿管に結石がある場合、大きさが7~8ミリ以下であれば、特に治療しなくても半数近くの患者が尿と一緒に自然に石を排出します。
しかし、「1か月以上たっても結石が出てこない場合」や「1センチ以上の大きな石の場合」は、積極的な治療を検討します。
尿路結石の3つの治療法

尿路結石の治療には、大きく分けて、「ESWL(体外衝撃波結石破砕術)」「TUL(経尿道的結石破砕術)」「PNL(経皮的結石破砕術)」の3つの方法があります。
数年前まではESWLが治療の9割ほどを占めていましたが、TULで治療を行うケースが急速に増え、現在はTULとESWLがほぼ同じくらいになっています
PNLは背中から腎臓に穴を開けて内視鏡を通し、結石を砕く治療法で、腎臓の中の大きい結石に対して行われますが、件数はそれほど多くありません。
ESWL(体外衝撃波結石破砕術)による治療

体の外から結石に向かって衝撃波を照射し、結石を砕く治療法です。
患者によっては、衝撃波が当たるときに痛みを感じるため、強い痛み止めを希望する場合もありますが、麻酔なしで治療を行うことができます。
治療時間は1時間程度で、医療機関によっては日帰りで行っているところもあります。
1センチ未満の尿路結石に対して行われます。
TUL(経尿道的結石破砕術)による治療
内視鏡を尿道から入れて、尿管や腎臓の結石をレーザーなどで砕く治療法です。
昔からある治療法ですが、最近、治療に使う内視鏡などの道具がめざましく進歩したため、再注目されています。
治療する際に使うのは、「軟性腎盂・尿管鏡」と呼ばれる内視鏡です。
最新の物は直径3ミリほどと、従来の内視鏡の半分以下の太さになっています。また、素材が改良されて大きく曲げることができるため、尿管や腎臓を傷つけずに、結石まで内視鏡を送り込むことができるようになりました。

TULは、体の外から衝撃波を照射するESWLに比べて、より確実に結石を砕けることや、より硬くて大きな石も壊せることがメリットです。
1センチ以上の結石では、ESWLより治療成績が良いと報告されています。
尿路結石の原因
様々な要因が絡み合ってできる

尿路結石は、女性より男性に多く発症し、男性の7人に1人、女性の15人に1人が一生のうちに一度はなると言われています。
しかも、この40年間で患者数が約3倍に増加しています。
男性は30~50代の働き盛りの世代、女性は閉経後の50~70代に多く発症します。
尿路結石は、食生活や年齢、男女差、職業、ストレス、遺伝、気候、尿路の奇形などさまざまな要因が絡み合って作られます。
とくに、食生活との関わりが深く、食生活の欧米化によって動物性脂肪や動物性たんぱく、塩分、糖分などの摂取量が増えたことが、尿路結石増加の主な原因だと指摘されています。
また、夏は汗をかいて尿が濃くなる分、冬よりも尿路結石が増えると報告されています。
このほか、「なかなかトイレに行けない」「食べてすぐ寝る」「コーヒー・紅茶・緑茶の飲みすぎ」「お弁当やカップめん中心の食事」といった現代的なライフスタイルも、尿路結石ができやすくなるので、要注意です。
尿路結石の予防方法
尿路結石は、食生活と関わりが深いため、毎日の食事に気をつけることが予防につながります。
水をたくさん飲む
水分をたくさんとると、尿が薄まって結石ができにくくなります。1日2リットルの尿を出すよう、こまめな水分補給を心がけましょう。
食品に含まれるシュウ酸に注意
シュウ酸は、尿路結石のもとになる成分で、ほうれんそうやレタスなどの野菜、ナッツ類、チョコレート、バナナ、たけのこ、コーヒー、紅茶、緑茶などに多く含まれます。しかし、こうした食品にはほかの栄養素も多く含まれており、全部避けるのは現実的ではありません。
シュウ酸はカルシウムと一緒にとると、尿ではなく便と一緒に排泄されるため、シュウ酸を多く含む食品は、カルシウムを多く含む食品と一緒にとることがおすすめです。
尿路結石は、半数近くの患者が5年以内に再発すると言われています。そのため、治療が終わっても油断せず、食生活を改善して、再発予防に努めましょう。

- 尿検査
- 尿中の赤血球や白血球などの有無を調べる
- 画像検査:結石、水腎症、尿路感染の有無を調べる
- 腹部超音波検査
- 最も簡便な検査だが結石が見えるとは限らず、主に水腎症の確認のために行われる
- 腹部レントゲン(X線写真)検査
- レントゲン検査だけでは結石が確認できないことがある
- 腹部CT検査:レントゲン検査よりも結石を確認しやすい
- 腹部CT検査は尿路結石を見つけやすい
- 尿管がどこで詰まっているかや、結石のサイズ、炎症の有無なども分かる
- 腹部超音波検査
- 血尿があれば尿路結石の可能性が高まるが、他の原因でもしばしば血尿が出るため、尿検査のだけでは尿路結石と診断はできない
- 尿路結石症についてさらに詳細な情報が必要な人は、以下も参考にして下さい。
- 基本的な治療方針
- 痛みが出た場合は、痛み止めを使いながら、大きくない場合は(1cm未満)自然に結石が体の外に出るのを待つ
- NSAIDs(鎮痛薬)を使う
- 排石を促す薬(ウロジロガシエキスや猪苓湯)を使う
- 痛みが出た場合は、痛み止めを使いながら、大きくない場合は(1cm未満)自然に結石が体の外に出るのを待つ
- 有効な結石の排出方法
- 水分を多く飲んで尿を多く作り、尿の勢いで流し出す
- 治療:結石のサイズが1cmよりも大きい場合や狭窄部位に位置して簡単には体外に出ないことが想定される場合に行われる
- 外部から結石に衝撃波を与えて結石を砕く治療(体外衝撃波結石破砕術:ESWL)
- 尿道から管を入れて結石を砕く内視鏡手術(経尿道的尿管結石砕石術:TUL)
- 想定される経過
- 多くの場合、痛みが始まって数日から2週間で排石される
- 結石が尿道を通るときには強い痛みを感じないこともあり、気づかないうちに排石されてしまうこともある
- 再発予防には食事療法も重要
- 水分を多く摂取するとともに、シュウ酸を多く含むホウレンソウなどをなるべく食べないようにする
- 尿路結石の溶解作用や抗炎症作用などにより結石の排出を促進する薬
副交感神経を亢進させるアセチルコリンの作用を抑えることで、消化管の運動亢進に伴う痛みや痙攣、下痢などを抑える薬
抗コリン薬-
- アセチルコリンは副交感神経を活発にして消化管の運動などを亢進させる
- 副交感神経が活発になると胃や腸などの痙攣・痛み、潰瘍や胃炎・腸炎の悪化などがおこりやすくなる
- 本剤はアセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)をあらわす
- 胆石や尿路結石に伴う痛みなどの改善に使用する薬剤もある

