大腸がんの話

大腸がん患者の数は、この30年でおよそ5倍に増え、2015年は肺がんや胃がんの患者数を超える予想となっています。

大腸がんと新たに診断される人は、1年間に10万人あたり103人です。年齢別にみた※罹患率は、40歳代から増加し始め、50歳代で加速され、高齢になるほど高くなります。

罹患率の男女比は、男性では1年間に10万人あたり121人女性では86.4人とやや男性に多い傾向。

男性では胃がん、肺がんに次いで3番目女性では乳がんに次いで2番目に多いがん。

※罹患率:一定期間の罹患数(ある病気と新たに診断された数)を単純にその期間の人口で割る

罹患数/対象とする人口(人年)×10万(人) 

 

早期の大腸がんでは症状はほとんどありませんが、進行すると、下血、血便、便秘と下痢を繰り返す、便が細くなる、便が残る感じ、お腹が張る、腹痛、貧血、腫瘤(しこり)、腸閉塞などの症状が出ます。

これらの症状は、大腸のどこに、どの程度の大きさのがんができているかによって異なります。

右側の大腸がん(盲腸がん、上行結腸がん、横行結腸がん)では大きくなるまで症状が出にくく、腫瘤(しこり)として発見されることが多く、腹部の張り感や、慢性的な出血による貧血もみられます。

一方、左側の大腸がん(下行結腸がん、S状結腸がん、直腸がん)は、下血や粘血便といった出血、便秘・下痢、便が細くなるなどの症状で発見されることが多いのが特徴です。

大腸がんは、日本人では約70%がS状結腸と直腸に発生し、上行結腸がんなどの右側結腸がんも増えてきています。

ビックリマーク便潜血検査ビックリマーク

免疫学的な反応で便中の微量の出血を調べます。

これを毎年必ず健康診断で受けましょう・・・約束です。

何かあれば下記の検査を受けましょう

直腸指診

肛門から直腸内に指を挿入して、指の感触でしこりや異常の有無を調べます。

注腸造影検査

肛門からバリウムと空気を流し込んでX線写真を撮影し、大腸の形の変化から病変を診断する方法で、がんの位置や大きさなどが分かります。

大腸内視鏡検査

内視鏡を肛門から挿入して、直腸から盲腸までの全大腸を内側から観察します。