夏休みの思い出が話題になったが、小学生のときは、家族でどこかに出かけるということもなく、すぐに思い浮かべるのはラジオ体操だった。


スタンプをもらって、皆勤賞に何かもらった気がする。


賞品が欲しかったわけではないが、もうひとつの楽しみがあった。ラジオ体操の場所は近所の神社の境内だったが、そのとなりに草地の広場があった。夏になるとこの広場でよく芝居興業が行われた。


観客が座っていたこの広場に落ちているかもしれない小銭を探すのが楽しみだった。当時は見つけた小銭を交番に届けるなんて発想はなかった。



月遅れ七夕も楽しみだった。飾り付けもあるが、この時期に売り出されていた駄菓子が好きだった。すいか、笹の葉、短冊など、七夕にちなんだ形の駄菓子があった。


旨かったかと問われると首を傾げるが、今思い返してみると、形や色は違っても味はどれも同じだったような記憶がある。



新盆の家へお供えを届けに行ってお菓子をもらって帰ってくる。これも子どもの楽しみだった。



近所にプールもなければ、海も遠かった。泳ぐのは堀や川だった。もっとも自分は泳げなかった。自分だけではない。姉弟はみんな水泳が苦手だった。川に沈められたり、風呂に座らされて水をかけられたりしたことがトラウマになっていた(ということにしておこう)。


悪さをしたら怒られる。玄関から往還に投げ出され、小脇に抱えられて目の前の川に沈められた。泣きながら謝っていると婆さまが、その辺にしといたら、と止めに来る。おっと、これは小学校に上がる前の出来事だった。



あ、夏休み終了間際に提出する工作物に灯台を作ると言い出して、親を慌てさせたのは今でも覚えている。



ただ遊び時間がたくさんあった。これが一番だったな。