今日は現場に麦茶を4本持っていき、3本近く飲んだ。それでいてトイレは一度だけだった。それだけ汗をかいたということか。これでも曇り空で、そこそこの風があった状態でのことだ。かんかん照りになったらどうなることやら。
人のことは言えないが、自分の周りにはお年を召された方が多い。自分の言動も踏まえて、彼らの言動を誤解しないようにしたい思いから、『老人の取扱説明書』なる本を読んでみた。著者は、医学博士で、二本松眼科病院副院長の平松類さん。2021年10月にSB新書から刊行された。
本書では「老人の困った行動」19事例を取り上げ、実際に何が起きているのかを解説し、それを「老化の正体」に集約されている。そこから、各事例ごとに「周りの人がしがちな間違い」「周りの人がすべき正しい行動」「自分がこうならないために」「自分がこうなったら」の視点でもとめがある。
なるほど、過去に父親につい怒ったことは、対処を間違えていたか、などふと思い出してきた。決して「認知症」や「頑固な性格」が老人の困った行動の原因ではなかった。
時々「人の話を聞いていない」と言われるが、聞いていたはずだけどなあなどと思いながら、自分がこうならないために、じぶんがこうなったら、のアドバイスが大変参考になった。
本書の内容は以下のとおり。(目次引用)
はじめに
第1章 老人の困った行動3大ド定番
1.都合の悪いことは聞こえないふりをする。
2.突然「うるさい」と怒鳴る。でも本人たちは大声で話す。
3.同じ話を何度でもする。過去を美化して話すことも多い。
Column: 五感をはじめ、年を取ると体はどう変わるのか?
第2章 いじわる
4.「私なんていても邪魔でしょ」などネガティブな発言ばかりする。
5.せっかくつくってあげた料理に醤油やソースをドボドボとかける。
6.無口で無愛想。こちらが真剣に話を聞こうとすると、かえって口を閉ざす。
7.「あれ」「これ」「それ」が異様に多くて、説明がわかりにくい。
第3章 周りが大迷惑
8.信号が赤に変わったのに、ゆっくり渡っている。信号が元々赤なのに、堂々と渡ってくる。
9.指摘はできないが、口がそこそこ臭い。
10.約束したのに「そんなこと言ったっけ?」と言う。
11.頑固になって言うことを聞いてくれない。
第4章 見ていて怖い、心配…
12.自分の家の中など、「えっ、そこで!?」と思うような場所でよく転ぶ。
13.お金がないという割に無駄遣いが激しい。
14.「悪い病気じゃないのか…?」と思うくらい食べない。
15.命の危険を感じるほどむせる。痰を吐いてばかりいる。
16.その時間はまだ夜じゃないの?というほど早起き。
17.そんなに出るの?と不思議に思うくらいトイレが異常に近い。
18.「自分は若い。まだまだイケる」と過信する。
19.エアコンが嫌いで、なかなか利用してくれない。
おわりに
氏の著作には、他に『認知症の取扱説明書』もあるようだ。中古本屋で見つけたら読んでみるか。