(前半より続く)

 

Aさんたちと別れて目白通りを「南長崎一丁目」まで戻ると、そこを右へ折れ、山手通りを南下した。

10分も歩いただろうか、二つ目の信号が近づき、バス停「中井駅」を過ぎた先で、右手に階段が現れる。この階段で中井通りに降りる。

 

階段を下りた先の通りが中井通りになる。

豊島台の崖線下を東西に通る道路で、そこを右折して西へ向かった。

 

中井通りから目白通りに上がるための急坂が一の坂から八の坂まで8本の坂が設けられている。

その四の坂を上がりかけた場所に林芙美子記念館が建っている。

作家・林芙美子が晩年の1941年から1951年に亡くなるまで住んでいた家を整備した記念館だ。

 

中井駅を中心に開催される「染の小道」を見物に来るたび、寄ってみようと何度も思いながら一度も見学せず、ようやく今日初めて訪れた。入館料は団体扱いで80円だった。家を建てるにあたって、芙美子は関係する本を大量に読んで、こだわって建てた家を見学するのも楽しいものだ。

ただ、時間制約があって、ゆっくり回ることができず、林芙美子記念館の解説図録を買ってきた。

 

記念館を後にすると、再び中井通りを西へ向かった。

途中で西武新宿線と並行し、通りは妙正寺川の流れに沿って北へ向きを変えた。

 

前方に妙正寺川に架かる葛橋が見えてきた。

この橋から川の左岸沿いに整備された遊歩道を上流方向に歩いていった。

 

御霊橋、北原橋、無名橋、と進み、次の橋が哲学堂通りの四村橋だった。

ここで信号を渡り、四村橋口から哲学堂公園に入った。

哲学堂公園は、哲学者で東洋大学の創立者・井上円了博士によって創設された公園で、哲学の世界を視覚的に表現し、哲学や社会教育の場として整備された。

 

内容は難しいので、管理事務所で解説マップを購入したこともあったが、2016年に発行された雑誌「東京人」の第366号の特集がわかりやすかったと思う。

西武のイベントで公園内は何度か歩いているが、園内ではよく道に迷った。

今回は、妙正寺川沿いの園路を歩くだけだったので迷うことはなかった。

 

菖蒲池、唯心庭、唯物園と進み、近くの園児たちが遠足にきていたさくらの広場まで来ると、その先は中野通りへの出口の下田橋口だ。

中野通りに出ると、道路を横断して左折し、南へ向かった。

 

二つ目の信号、菓匠・清閑院の手前を右へ折れ、道なりに進んで行った。

大下橋で蛇行する妙正寺川を渡り、「氷川神社・禅定院入口」で朝日通りを横断してさらに道張りに進む。道路は左(南)へ向きを変え、西武新宿線沿いに出た。

そこを右折すると、前方にはゴールの沼袋駅が見えてきた。

 

そこへの途中右手に鎮座しているのが中野沼袋氷川神社だ。

正平年間(1346~1370)に大宮の氷川神社を勧請して創建された。

「厄除け」で有名な神社のようだが、それよりも「中野七福神」の赤い幟が気になって、そっちに足を向けると、視界に入ってきたのは…。

七福神7体の像が並んでいた。

ここだけで七福神めぐりが完結するのだろうか?まさかな。

 

あとは沼袋商店街をのぞいて、駅にゴールするだけだ。

沼袋駅の先に駅前商店街が広がっているが、そこへ行く前に何気に駅を見ると、西武新宿駅行きの電車が入線してくるところだった。反射的に体は駅の改札に飛び込んだ。時刻は12:25になろうとしていた。ちなみに商店街のキャッチフレーズは「とかいなか ぬまぶくろ」だそうだ。都会の田舎ということか。なるほど。

 

あっけない終わりになってしまったが、今日11日は西武でもこのコースを歩くイベントが開催された。昨日のMaさんは今日も西武で参加するとのことだった。今日は中井通りを歩かれたのだろうか。