暑くなると思って半袖シャツで出かけたが、予想に反して、朝から吹いていたひんやりした風が終日止むことはなかった。肌寒かった…。朝の最新天気予報はしっかり聞いておかないといけないことを思い知らされた。



肌寒い思いはしたが、電車内は快適で、数日前に読み始めていた東野圭吾氏の『クスノキの番人』を一気に読み終えた。不思議な余韻が残るファンタジーだった。

本書は、2020年3月に実業之日本社から刊行された作品を2023年4月に文庫化されたものだ。




不当な理由で職場を解雇された直井玲斗は、職場の倉庫に忍び込み、金になりそうな装置を盗み出そうとして失敗した。そして逮捕された。罪状は住居侵入、器物破損、窃盗未遂だった。


玲斗には両親がいない。78歳の祖母・富美がいるだけだった。玲斗から逮捕されるだろうと連絡を受けた富美はある女性に連絡した。その女性の依頼を受けた弁護士が留置場の玲斗に会いに来た。


女性は玲斗の母親・美千恵の腹違いの姉で、ヤナッツ・こーポレーション顧問の柳澤千舟だった。千舟の要求を受け入れることで、弁護士は玲斗が釈放されるよう動いた。


千舟が玲斗に要求したのはクスノキの番人になることだった。柳澤家の敷地に幹の直径が5mはあろうかというクスノキの巨木があり、大樹には大きな穴が空いていた。


クスノキはパワースポットと見られていて、千舟が受け入れた人だけが大樹の中で祈念することを許された。祈念するとはどういうことか、誰も玲斗に教えることはなかった。むしろ、祈念の内容は誰にも話してはいけなかった。


ある満月の夜に佐治寿明が祈念に訪れた。その様子を窺おうとする女性を見つけた玲斗は祈念のルールを説明するが…。女性は寿明の娘の優美だった。父親の行動を不審に思い、後をつけてきたが、玲斗は祈念者に近づけさせなかった。それが厳格なルールだった。


クスノキの祈念にはどんな秘密が隠されているのか、祈念する人々の思いとは?そして玲斗がその意味を理解したとき、新たな事実が姿を現してきた…。



今朝、駅に向かう途中の空き地で見たのは、一面を覆うタンポポとブタナだった。


繁殖力が強い植物がここまで繁茂していたら、来年はどういう状態になるだろうか。ナガミヒナゲシが入っていないだけよかったが、周辺への影響は懸念される。


距離があるので自宅への影響はないと思うが、注意しておこう。目につくほど成長した雑草は抜き取るに限る。