今日も暑くなった。強風がなかった分、昨日よりはましだった。早めに洗濯を済ませて定期検診に行こうと考えていたら、洗剤が切れていた。先週ドラッグストアに行ったのに何を買ってきたのだろう。肝心のものを忘れるとは。


今日の検診は事前準備の問診と採血で終わった。一昨年までは年3回の献血と、定期検診で採血してきたが、注射針が刺さる瞬間にはどうしても馴染めない。


本番の内視鏡検査は1週間後で、毎日体温を測定しなければいけない。病院ではまだコロナ対応が続けられていた。ただ、以前から実施されているということだったが、自分としては体温を測定して検診にのぞんだ記憶がなかった。確認すると、昨年は事前の翌日、一昨年は2日後に空きがあったので、内視鏡検査していた。どおりで、な。



暑くて外は歩きたくなく、午後からは家でだらだらと過ごした。洗剤を買ってきて洗濯も済ませ、あとはうたた寝と読書の繰り返しになった。


今日の本は、堂場瞬一氏のボーダーズシリーズ第3弾の『野心』を手に取った。本シリーズは、特殊事件対策班(Special Case Unit)、通称SCUのメンバーひとりひとりの視点で物語が展開され、本作の主人公は朝比奈由宇。

本書は令和5年(2023)12月に集英社文庫から書下ろし作品として刊行された。




朝比奈由宇は警部補試験に合格した。巡査部長から警部補に昇任すると、一度所轄に出て、所轄の係長として部下を管理・指導する管理職への道を本格的に歩み出す。朝比奈には男社会の警察の中で警視庁初の女性部長になる目標がある。今回の朝比奈の昇任で、SCUは、キャップで警視の結城新次郎、サブキャップの綿谷が警部、八神と朝比奈が警部補、そして交通捜査課出身の最上が巡査部長と、頭でっかちの組織になった。


そんなSCUに相談が持ちかけられた。依頼者は捜査二課の宮原で、八神の同期だった。5年前に特殊詐欺グループが摘発された。しかし、主犯格と見なされていた秋山克己は証拠がなく、逮捕は見送られていた。


宮原は、その秋山が再び動き出したという情報を得たが、二課では無視されてしまい、SCUに相談にきていた。仕切りを任された朝比奈は依頼を受け、秋山の監視を始めた。


外出した秋山を八神と朝比奈が尾行した。有楽町駅で降りた秋山は巨大ショッピングセンター「銀座シャイン」に入っていった。朝比奈はスマートフォンに視線を落とした一瞬に秋山を見失った。八神も同様だった。


店内を探す朝比奈は3階から煙が出ているのに気づき、警備員に避難誘導を任せて、消火器を持って煙の中に突入した。そこで倒れていた女子高生を抱き抱えて避難しようとした瞬間、爆発が起こって吹き飛ばされた。


朝比奈は鎖骨を骨折し、女子高生は意識不明だった。そして、応援を呼ばす、単独で突入した朝比奈は監察対象になった。その後、秋山の銃殺死体が発見されるにおよんでSCUへの非難も大きくなった。だが、SCUは活動を止めなかった、そして…。



本書の構成は以下のとおり。(目次引用)

第一章 新たな道

第二章 置き去り

第三章 消えゆく者たち

第四章 黙秘

第五章 つながり

第六章 決め手



朝比奈由宇と同期の総合支援課の柿谷晶が由宇を支える。銀座署の大友鉄、立川中央署の岩倉剛も登場し、堂場作品ファンにはたまらない。


本シリーズの主人公になるのは残り綿谷と結城の2人になるが、人事異動があれば永遠に続けられる、と本シリーズの刊行記念エッセイで作者が述べられていたそうだ。

毎年年末に刊行されてきた本シリーズ。今年の主人公は誰になるだろう。もっとも、本書は、安く手に入れるために5ヶ月待った。期待どおりに年末に刊行されても、実際に読むのは1年後だろうな。