目が覚めるとすぐに『バビロンの秘文字』の第3巻を読み始めた。こういうスピード感のあるミステリーサスペンスは一気に読むにかぎる。本作品の完結版となる第3巻「激突篇」だ。




カメラマンの鷹見正輝は一柳美咲に会うためベルリンに向かった。美咲はアメリカに渡り、証人保護プログラムによって現在は田野倉朱里と名乗ってベルリンの大学に通い、暗号の研究に取り組んでいた。警視庁捜査一課の筒井明良は美咲と接触する際の注意を鷹見に諭した。


当初は協力を拒絶していた美咲だったが、鷹見の話を聞き、バビロン文書の謎に取りかかった。わずか数日で城南大学の竹入教授と同じ結論に達した美咲は、タブレットのの文章は暗号になっていて、それを解読するキーの必要だと訴えた。それをアドリアン・ハンセンが持っている可能性がある。


鷹見はベルリンに来ていた牧とハンセンを探しに行った。だが、ラガーン人のバリたちもベルリンに来ていて、ハンセンを拉致しようとしていた。ハンセンを救出して逃走する鷹見たちをCIAのマイケル・チャンが助けた。


CIAが用意した隠れ家で美咲とハンセンはタブレットの解読に取り組んだ。だが、CIAの態度に疑問をもった鷹見たちは一計を案じて、隠れ家を脱出して日本大使館の保護下に入った。そこで美咲たちはバビロン文書の解読に成功した。そこに書かれていたのは…。


一方、イラクでは強硬派によるバビロン建国宣言で、イラクとの対立が続いていた。穏健派のレオたちも現地に入っていた。アメリカとロシアはバビロン建国には関知しないことで同意したが…。遺跡現場では大勢のラガーン人が発掘作業に従事していた。


新たな中東紛争の火種がおこることを望まない勢力は遺跡そのものを破壊しようと考えた。その情報をつかんだ鷹見は遺跡とラガーン人を守ろうと行動を始めるが、残された時間は13時間。


タブレットの内容は何だったのか?新バビロン建国はなるのか?そして鷹見は里香と再会できるのか?



これは面白い作品だった。できればその後の状況を何らかの形で描かれるとなおいいが。それにしても古代遺跡には人を惹きつける浪漫がある。よし、次に読む本が決まった。『「古代遺跡の謎」未解決ファイル』にしよう。未読の在庫本の中にこれがあった。