今日も暑くなった。仕事は15時までだったが、現場は歩いて30分もかからない場所だったため、あちこち立ち寄って用事を済ませて家に帰ってもまだ6時前だった。


今日は年金支給日。駅前の三井住友銀行ATMには6人ほどの待ち人がいた。15時を回った頃だとこんなものか。朝だともっと多かったと思われる。ゆうちょのATM前は2人で、きらぼし銀行ではATMが空いていた。時間的には少し早かったが、外で食事して帰った。


面白そうなテレビ番組もなく、ならばと『鬼平犯科帳 決定版』の第17巻を手に取った。第15巻に続く2冊目の特別長篇「鬼火」で、『オール讀物』の1977年11月号から1978年5月号まで7回にわたって連載された。




巣鴨にある従兄の三沢仙右衛門宅に泊まった長谷川平蔵は帰り道に駒込の富士浅間神社の近くにある権兵衛酒屋に立ち寄った。仙右衛門が見聞きした、身なりのいい老侍が同年配の亭主に「丹波守様が亡くなられたぞ、知っているか?」という内容が気になったからだ。旧暦2月初めのなま暖かい日和だった。


店を出たあと、何者かが権兵衛酒屋に押し入り、女房を斬りつけ、亭主を狙ったところで、平蔵が飛び込んだ。火盗改を名乗ると、賊どころか亭主までも逃げてしまった。女房は一命を取り留め、平蔵の役宅で匿われたが、何もしゃべろうとはしなかった。


そして長谷川平蔵が襲われ、役宅に匿われていた女は自害した。市中では牛込通寺町にある薬種舗・中屋幸助方へ盗賊が押し込み、家族・奉公人を合わせて23名を殺害し、逃走した。



何が起こっているのか?探索を進める平蔵は大身旗本の醜聞に巻き込まれていく。謎が謎を呼ぶミステリーサスペンス長篇で、最後まで気が抜けなかった。



本書の構成は以下のとおり。(目次引用)

権兵衛酒屋

危急の夜

旧友

闇討ち

丹波守下屋敷

見張りの日々

汚れ道


表紙には、歌川広重の『名所江戸百景』より「王子装束ゑの木大晦日の狐火」が使用されている。



4月も明日から後半に入る。4日後には季節がひとつ進んで「穀雨」に入る。3週間後は「立夏」。時間の進みは実に速い。ごろごろと何もしないでいるのは嫌いではないが、もったいない気もしてきた。これはものぐさ脱却の兆候だろうか?