朝から気温は上がらず、むしろ下がって冬に戻ったようだ。それでも近所の桜はこの2日で見頃になったようだ。朝は雨で、帰りは日が落ちて、写真は明日の朝だな。


処分し終わったと思っていた内田作品の文庫本がまだ大量に残っていた。整理しているうちにふと気になった『軽井沢殺人事件』を読み返してみた。気になったというのは事件の内容をまったく思い出せなかったということだ。覚えていたのは、死亡者のダイイングメッセージ「ホトケノオデコ」と信濃のコロンボこと竹村岩男警部と浅見光彦が共演するということくらいだった。




本書は平成14年4月に刊行された集英社文庫版で、オリジナルは昭和62年11月に刊行されたカドカワノベルスで、平成2年10月に角川文庫化された。その後平成10年5月には光文社文庫からも刊行されている。



パトカーの前に飛び出してはねられ死亡した男性・平山宏幸は佐賀原商事の幹部社員だった。社長が報道陣の前で殺害されたあの悪名高い会社だ。平山は「ホトケノオデコ」というダイイングメッセージを残していた。


軽井沢に住む画家の岡小夜子は軽井沢大橋で気になる女性を見かけた。その日、軽井沢大橋で警視庁公安の刑事が不審な死を遂げていた。


そして二つの事件は政財界の闇の実力者につながっていく。警察さえも正面切って手を出せない存在に浅見光彦はどのように対処するのか。そしてその結末は?



本書の構成は以下のとおり。(目次引用)

プロローグ

第一章 幽霊の橋

第二章 似顔絵の女

第三章 仏の寝顔

第四章 逃走

第五章 離山山頂

第六章 闖入者たち

第七章 "名探偵" 対決

第八章 霧の中に

エピローグ

 自作解説 内田康夫

 解  説 山前譲

 鑑  賞 梅沢由香里

 内田康夫著作リスト



内容を忘れたミステリーは何度でも読める。探せばまだまだ出てきそうだ。先日は、買ったことは覚えているが、読んだ記憶がまったくない本も数冊見つかった。しばらくは中古本屋に行かずに家の中を探した方がいいかもしれない。