雨は夕方からとみていたが、いつどこで降りだすかわからない。昼前に用事を済ませて後は家に引きこもった。久しぶりに歩数は6千歩弱にとどまった。動かないとエネルギーも消費しないので食べるものも少なくて済む。これもエコだな。


今日は"ながら"生活と決めていたが、惹かれるテレビ番組がプレバトだけだった。結局、寝ると読書の繰り返しになった。そして、堂場瞬一氏の『小さき王たち』シリーズ完結編の第三部「激流」を読み終えた。




50年前の選挙戦で田岡総司を追い詰めた東日記者の高樹治郎だったが、息子たちの時代になり、25年前の新潟三区選出の新人代議士に絡む献金事件で田岡の仕掛けた罠にはまり、高樹は手痛い敗北を喫していた。これを契機にメディアは政治家の顔色を窺うようになってしまった。


そして両家の確執は孫に受け継がれた。高樹の孫の健介は新潟支局に送り込まれ、今は東日新聞顧問になっている祖父・治郎から特命を受けていた。田岡を潰す、そのひと言に尽きる。


一方、田岡総司は首相にはなれなかったが、民自党の顧問として未だに影響力を保持していた。新潟の地盤は息子の稔に引き継がれていたが、稔の評判は悪く、次の選挙は危なかった。総司は孫の愛海に政治家としての素質を見いだし、跡継ぎとして期待した。愛海は新潟のテレビ局・NBS記者として働いていた。


健介も愛海も両家の半世紀にわたる戦いの歴史を教え込まれてきた。だが、二人とも県警担当として活動するうちに惹かれ始めた。祖父の時代に始まった喧嘩はどのような結末を迎えるのか。



本書の構成は以下のとおり。(目次引用)

第一章 スキャンダル

第二章 事件へ

第三章 接近

第四章 渦に呑まれる

第五章 襲撃の後

第六章 明日への決断



堂場氏の政治小説を読むのは1月の『宴の前』に始まったが、本シリーズも実に読みごたえがあった。次はスポーツ小説も読んでみるかな。


夜半になって雨音は強くなった。明日は仕事だというのに。やはり雨男だったと言われそうだ。帰りは晴れるようだが、往きは足が重くなるな。