JR浜松町から新橋まで海辺の街並みを歩くJR東日本主催のイベントが今日から始まった。これに参加する予定だったが、さすがに起き上がるのを身体が拒否した。ここは無理することはない。イベントは18日まで開催される。別の日に延期しよう。


少々片付けに時間を割いたくらいでは消化できない時間ができた。身体を休めた状態でできることといったら本を読むことくらいだ。読み飛ばしていた鬼平犯科帳シリーズの第11巻を手に取った。



本巻に収録されているのは次の7篇。( )内は初出誌の「オール讀物」号数。

・男色一本饂飩(年月号)

・土蜘蛛の金五郎(年月号)

・穴(年月号)

・泣き味噌屋(年月号)

・密告(年月号)

・毒(年月号)

・雨隠れの鶴吉(年月号)


表紙絵には歌川広重の『名所江戸百景』より「亀戸天神境内」が使用されている。




「算者指南」の看板をかかげて自ら引き込みを行っている寺内武兵衛一味に火盗改方同心・木村忠吾が拉致された。その目的は?(男色一本饂飩)


長谷川平蔵が長谷川平蔵を闇討ちする?なんだか『浅見光彦殺人事件』を連想してしまった事件(土蜘蛛の金五郎)


盗みから足を洗って扇屋を営んでいる平野屋源助こと帯川の源助は盗みの衝動を抑えきれずに、となりの化粧品屋壷屋菊右衛門方の金蔵から三百両を盗み、再び戻すつとめをやってのけた。(穴)


火盗改方の勘定掛の川村弥助は堂々たる体格ではあるが、人一倍の臆病者で、「泣き味噌屋」と呼ばれていた。だが、愛妻のさとが凌辱されて殺害されたとき、川村は犯人捕物に加わり…。(泣き味噌屋)


仙台堀の足袋股引問屋・鎌倉屋儀兵衛の店舗に押し入った伏屋の紋造一味を急襲した火盗改方が捕縛した紋造は、長谷川平蔵が放蕩無頼時代に知り合った「殿さま小平次」こと横山小平次にそっくりだった。(密告)


師走の浅草寺で長谷川平蔵は刃物を使った掏摸[鎌鼬]を目撃した。掏摸は伊太郎で、掏り盗られた中年男は陰陽師の山口天竜だった。掏った笹竜胆紋の入った袱紗包みには30両が包まれていて、薬包が縫い込まれていた。笹竜胆紋は大身旗本・土屋家のものだった。そして薬は…。(毒)


12年ぶりに江戸へ戻ってきた鶴吉とその女房のお民。ふたりは大坂の唐物屋・坪井屋清兵衛の息子夫婦という触れ込みだったが、2人は盗賊だった。鶴吉は父親・万屋源右衛門の元に逗留したが、お民は、下男として雇われた男が、貝月の音五郎という引き込みであることに気づいた。鶴吉はかつて親切にしてもらった井関録之助を訪ねた。(雨隠れ鶴吉)



あと1冊でようやく追いつく。5月に公開される映画の前に全巻読み終わろうと考えていたが、難しそうだ。ま、映画化された作品「血闘」は第4巻に収録されていたので、この先のネタがばれることはないか。