2日続けて8時間近く身体を動かす仕事をするとさすがに疲れが残ってしまう。自分のペースでやれたのがせめてもの救いだ。


こんな日は温泉に限ると、9時にオープンする日帰り温泉施設に向かった。風もなく、日射しが心地いい。丹沢山系の稜線もくっきりと見えている。


歩くこと約30分、温泉に着いた。




土日と違って平日の朝風呂は空いている。駐車場はまだがらがらだった。


朝風呂の欠点は湯屋がまだ暖まっていないことだ。それを除けば周りを気にせずにシャワーや湯浴びができる。


身体を洗い終わり柚子湯の浴槽に向かうと、いつも混んでるジェットバスには誰もいない。これはラッキーだ。順序を変えて浴槽に入ると…熱い!温度計が45.3℃を示していた。普段は37~38℃なのに、どうした?


あわてて出ると、これを見ていたおっさんが、さっきは46℃だった。誰も入っていないわけだ。無理したら入れたかもしれないが、小さいときの出来事が甦ってきた。



小学校に上がる前だったか、家で風呂に入ったが、これが熱かった。水でうめればよかったが、当時からものぐさだったようで、蛇口を捻ることさえ面倒だった。


その結果、裸でふらふらと居間に出て、親から「客が来てるのに裸で…」と怒られる声を聞きながら倒れてしまった。何が起きたかわからない親に、自分の後から風呂に入ろうとした姉が「熱くて入れない」と言ってきた。


湯加減を確認した親はそこでようやく自分がのぼせたことに気がついた。

「何でうめなかったんだ」

「面倒だった…」



こんな記憶を呼び覚ます今日のジェットバスだった。無理して入ることはないが、もうひとつ思い出した。


車で九州に帰る途中、鳥取か島根を回っているときに利用した温泉が熱かった。このときは事前に熱いことを自覚していたので短時間ながら湯船に浸っていた。



異常に気づいた温泉側では熱湯をうめるぬるま湯を流しだし、湯温は44℃まで下がっていた。先ほどのおっさんが、もう入れる、と声をかけたので入ると、まだ熱いじゃないか。おっさんのいる周りはぬるま湯の噴き出し口に近いためだった。今日はジェットバス抜きになった。