丹沢山地の稜線付近が薄く冠雪していた。夜中には東京でも初雪が観測されたようだが、降っている光景を自分の目で見ないことには受け入れがたい。


7時前に温泉に行こうと車に乗ると、パネルに表示された外気温は1℃になっていた。それでもテレビの情報番組で騒ぐほど寒さは感じられなかった。


日曜日の朝風呂は初めてだったが、思っていた以上に客が多かった。やはり開店直後に行ってよかった。 じっくと朝風呂を楽しんだ後は買い出し、片付けを済ませて湯冷め対策に早々と布団に潜り込んだ。


今月は仕事関係でばたばた過ごしてきたため、こうして本を広げてテレビを聞くのは実に久しぶりだ。手にしたのは佐伯泰英氏の鎌倉河岸捕物控シリーズ第21巻『春の珍事』だ。

 

 

桜の季節の金座裏では飼い猫の菊小僧が姿を消して大騒ぎになっていた。そんなところへ同心の寺坂毅一郎から失踪人の相談が持ち込まれた。


畳奉行の五月女家の次男・芳次郎が徒目付神藤家の彩との祝言を前に突如失踪したというのだ。数少ない芳次郎の親しい朋輩小田切の情報から政次と亮吉は江の島へ向かった。


江の島で遊んだ女性と彩が瓜二つだったという。政次が調べあげた二人の背景には驚くべき秘密があり、さらにある出来事が事情を複雑にしていた。


政次の説得で家に戻った芳次郎に呼応するかのように菊小僧も痩せて帰ってきた。ようやく落ち着こうとした金座裏に新右衛門町の真綿問屋に押込みが入り、奉公人を楯に立て籠る事件が発生した。そして、ここでも政次が大活躍する。



本巻の構成は以下の5話。

第一話 菊や

第二話 失せ人探し

第三話 政次の啖呵

第四話 金座裏の花見

第五話 猪牙強盗



テレビからファンファーレが響いてきた。視線を向けるとNHKが生中継する第66回有馬記念だった。普段は気にもしないが、この日に合わせてようにNHKの2週連続の土曜ドラマで『風の向こうに駆け抜けろ』が放映されていた。ドラマは桜花賞に向けての話だったが、その影響もあって、一番人気のエフファーレが優勝を決めるまで目を離せなかった。


フジの競馬番組にチャンネルを替えると、DAIGOが三連単を的中させて、年間結果がプラスになったと報告を受けるところだった。羨ましい。



今年の仕事は明日と30日の2日となった。これが年末を実感させない最大の要因であることにようやく思い至った。スーパーで正月用の惣菜を買ってきて少しは気分を盛り上げようとしたが、買うのが早すぎた。もう一品食べ終えてしまった。