全国野球場巡りの旅の続き。

 

■今回の旅の計画決定の経緯■

北海道・帯広周辺の球場では、あと「音更球場」と「幕別球場」に行きたい。(注・他に「士幌球場」「帯広平和球場」「伏古別球場」もあるが、それらは観客席が無いようなので時間が余った時は行くが、わざわざ行くことは考えない)

この2球場は中学軟式野球の地区予選で使われるので、ここ数年、十勝地区中学野球のHPを小まめにチェックしていた。貧乏旅の秘訣は日程を早くつかむことにある。そうすれば飛行機の切符を安いうちに買える。

十勝地区中体連の地区予選大会は、ここ数年の傾向を見ていると6月中旬の土日に行なわれていることがわかった。さらに音更中学校のHPに年間行事予定表が掲載されているのを発見。そこには今年2024年の中体連夏季大会地区予選は6月15、16日に開催と書いてある。これはもう間違いない。ということで4月ごろ飛行機の切符を取り、あとは大会日程の正式発表を待つばかりと安心していた。

ところが最近になって確認してみると、この2日間、大会は行なわれない様子。おいおい、どうして俺が行こうとすると日程がズレるんだ! 春季大会は年間行事予定表の通り行なわれたのに、なぜ夏の大会はズレるんだ! 野球の神様にいびられているような気がしないでもない。(注 結局6月22、23日に行なわれた)

あわてて他の球場を探すにも、帰りの便はよりによって帯広発の便を買ってしまっている。帯広から離れるわけにはいかない。

15日は留萌で独立リーグの試合が見つかったので、かなり本気で留萌行きも考えたが、15日に留萌に行って、16日はなんの試合も無いのに飛行機のためだけに帯広に向かうのも腹立たしい。留萌には2つ球場があり、この2つがまとめて踏破できそうな中学軟式野球がある時に行こうということで自分をなだめ、やはり15日は幕別で行なわれるという女子野球に行くことにした。もしもこの女子野球も開催が無かったら、帯広行きが完全に無駄になるところだった。女子野球があった幸運に感謝すべきなのだ。

しかしそれにしても16日はせっかく北海道まで行きながら無為な一日となりそうである。普通に観光でもやるか……イヤしょせん俺は食い物にしか興味ないから豚丼人気店の食べ比べでもやるか……

せっかく、音更と幕別をまとめて片付けてやると意気込んでいたのに。準備万端だったのに肩透かしを食い、スクイズを外された時の監督の気持ちはこういうものだろうか。

9月に帯広で社会人軟式野球の東日本大会が開かれる。今月の中学野球で音更と幕別を片付けられれば行くつもりはなかったが、そうもいかなさそうなので9月も帯広に行くことにし、慌てて飛行機の切符を取った。幸い安く買えたからよかったが。今月は女子野球で幕別を片付け、9月は音更と、あとは帯広のほぼ草野球場的な球場に行くつもりである。

 

その後、小学生野球まで範囲を広げて探した結果、16日は浦幌町の球場で小学生野球の大会があると判明。初耳の球場で、観客席もちゃんとあり要踏破球場だが小学生の大会以外では試合開催が見つからない感じ。こうなると小学生の試合を見て踏破するしかないので、小学生野球でもまったく抵抗ない。それどころか今回の遠征でスンナリ音更、幕別の2球場行くより、レアな浦幌に行けてラッキーという感じさえある。どうせ9月に音更は行けるんだし。

さらに6月14日は、新千歳から帯広への移動だけを当初想定していたが、この日に中学軟式野球の北広島市予選があると判明。平日に地方で野球日程が見つかるのは非常に珍しくラッキーである。

ということで結局俺好みの日程を組むことができた。

 

2024年6月13日 木曜日

20時頃 板橋駅からJR埼京線。池袋手前で急停車ありヒヤリ。京成電鉄・日暮里駅構内のファミマでコーヒー買い、旅の始まり祝す。さすがに北海道行きはワクワクする。あの昭和レトロな鉄道がたまらん。今回はバス移動主体なので大してJR乗る予定は無いが。

22:00 成田空港着く。運賃はJR180円プラス京成電鉄1052円。第二ターミナル地下一階、セブンイレブン前のいつも寝る場所に行く。今やオレの定宿と化しているw 混んでいる。気候も良くなったせいだろう。オレが寝ている場所の近くに美女が座ってたが、夜中に何度目を覚ましても美女はずっとキチンと座ってスマホをいじっていた。絶対に寝姿を見られたくない様子。徹夜か。美人は大変やな。

 

2024年6月14日 金曜日

05:00ごろ 起きる。コンビニおにぎりで朝飯。

05:13 第2ターミナルから無料連絡バス。

05:20 第1ターミナル着く。北海道に日本ハム対巨人の交流戦を見に行くらしいグループの楽し気な話が聞こえてくる。小学生野球を見に行くオレとは大違いだなあ。

06:45 成田空港発。行きの飛行機代は9300円。LCCピーチ航空。

08:22 新千歳空港着陸。

08:35 降機。寒い。

08:52 新千歳空港駅からJR。運賃560円。この日は千歳市・青葉球場でも中学野球があったが北広島を選んだ。

09:13 北広島駅下車。駅のコンビニで食料仕入れ。駅の観光案内所でレンタサイクルに気づく。17時まで借りれて300円。安いので借りる。俺は旅先での銭湯と自転車が大好物なのだ。

09:37 球場着く。

 

北広島市 緑葉公園野球場。ネット裏席も芝生席で、まあ草野球場。

この球場はかつて来たことがあり、その時も金曜日に試合が見つかり勇んで来たのだが、雨はやんでいるのにグラウンドコンディション不良により試合中止。すごすご引き上げた苦い思い出がある。たしか大学軟式野球だったような。

10:33 この日の第二試合試合開始。北広島市中体連夏季大会。この日の最終試合だったのでスコアミスが心配だったが無事踏破。場内アナウンス無し。パンフあるが販売無し。通算1140球場め。

 

南千歳から帯広行きのバスを電話予約してから帰途に着く。来る時は夢中で気づかなかったが、駅からまあまあな坂を登って来ていた。白樺の森の道。

12:40 北広島駅戻る。駅前にでかいビルが建設中。エスコン球場が出来たからだろうが、あれ?エスコン近くに新駅できるんじゃ? 自転車返却する。

涼しくて我慢できるかと思ったがやはりコンビニビールやってしまう。馬鹿である。今日はジャイアンツ戦があるので北広島駅は賑わっている。これだけのファンを集めるチームを作った新庄監督はやはり優秀。水谷瞬も開花させたし。水谷はできればホークスでスターになってほしかった。オレは水谷目当てに二軍戦を見に行ったこともあるのだ。

15:07 北広島駅からJR。運賃540円。

15:24 南千歳駅下車。

15:45 南千歳駅前から高速バス。運賃3800円。女性運転士。途中、牛が多数放牧されている牧場や、雄大な景色が車窓から見えた。

 

18:40 帯広市・「おびうん観光前」バス停で下車。17分遅れ。寒い。ちょうど「2ndstreet」という古着屋があり、防寒のためトレーナー990円買う。マックでポテトかじって時間を潰す。しかし無駄だった。

20:49 ネカフェ入る。ナイトパックは21:00以降から受付でナイトパック利用ならず。この店は料金体系をネットに載せてないので不覚をとった。もしかしてわざとか? うまくやられた。明晩は気をつけよう。

 

2024年6月15日 土曜日

05:06 ネカフェ出る。9時間パック2400円。もう明るい。コンビニでカップうどん食って朝飯。

05:35 「柏林台南町2丁目」バス停から十勝バス。3分遅れてきた。朝5時台から路線バスがあるのはさすが朝が早い道東。客もちゃんと何人かは乗っている。

06:37 「幕別駅前」バス停で下車。運賃520円。4分遅れ。駅近のコンビニ・セイコーマートで弁当買って朝飯パート2。球場まで歩く。徒歩25分で球場。

 

幕別運動公園野球場。

この球場は日本ハムの二軍戦で来ようとしたことがあるが、ネット裏席が売り切れで断念。二軍戦がソルドアウトとは、と驚いた。私がよく見ていた時代のプロ野球は、二軍戦はガラガラだったので。

観戦したのは、北海道女子硬式野球連盟HOKKAIDOリーグ。大学と高校の対戦。大学が圧勝かと予想したが、意外にも接戦となり、大学がサヨナラ勝ち。

スコアはほぼ問題なかったが、最終回、外野飛球を左翼手と中堅手が激突して落球、エラーをどちらにつけるか明確でなく、これではモヤモヤするので第二試合も見る。こういう時、プロの記録員はどうするんだろう。一軍戦なら映像で確認できるが二軍戦の場合は。捕球してくれればラクなんだが、落球されると、どちらのエラーか本当にわからない。

HOKKAIDOリーグは守備のレベルはまずまず。よく練習してる様子。ただ、足の速い選手が少ない。これが課題かな。

場内アナウンス有り。パンフ1000円販売有りも買わず(一球速報サイトでメンバー表確認できるので)。通算1141球場め。

 

球場出て、幕別町図書館まで歩く。途中「錦華園」という中華屋でラーメン800円食う。ベーシックなラーメン。厨房では4人が忙しく働く。感心。その後、幕別町図書館。飯島敏宏氏の自伝『バルタン星人を知っていますか?』(小学館)があったので読む。つまらず。この人の作品は好きだが。自分の作品がなぜ人気あるか、ご本人はわかっていないような気がする。

 

18:00 図書館閉館。JR幕別駅まで15分ほど歩く。駅待合室で、朝コンビニで買った弁当食う。待合室には2畳の畳ゾーンがあり、ゴロ寝して時間潰す。

20:22 「幕別駅前」バス停から十勝バス乗る。定刻。夜汽車も良いが、夜の路線バスも侘しさ寂しさがなかなか良い。

21:20頃 「柏林台南町2丁目」バス停下車。運賃520円。コンビニで食料買う。

21:34 ネカフェ入る。昨夜と同じブースだった。

 

2024年6月16日 日曜日

05:18 ネカフェ出る。8時間ナイトパック・フラットブース席・2100円。昨日と300円しか違わない。なんだ、あんなに悔しがることなかった。

予報ハズレの雨が降ってるが、すぐ止むらしいし、浦幌は降ってないらしいから別によし。ネカフェ前の「白樺通18条」バス停から、

05:30 十勝バス・帯広陸別線乗る。昨日と同じ路線。以前はこのネカフェの時はJR柏林台駅まで30分ほど歩いてたが。しかも柏林台駅は始発が遅いので帯広駅まで歩いてたかも。今はグーグル様のおかげでバスに乗ることを覚えた。この路線バスは足寄まで行くらしい。野球無かったら足寄行ってみてもよかったな。足寄は松山千春の故郷。一度見てみるのも悪くない。

 

05:54 「帯広駅西口」バス停下車、運賃240円。6時に駅のコンビニが開き、コーヒー買う。浦幌駅までの乗車券買う1290円。寒い。プラットホームでコーヒー飲む。

06:25 帯広駅発。一両編成、単線。乗員2名。乗客も2名。もう一人は女子高生ふうジャージ姿。楽しみにしていた根室本線の旅。車窓から朝もやの広野を眺める。寅とリリーの出会いも根室本線だった。あれは夜汽車だが。「風呂の中でこいた屁じゃねえけども、前と後ろに分かれてパチンだ。」寅の名セリフ思い出す。

06:49 池田駅着。乗り継ぎ待ち。

07:24 池田駅発。ここからは乗客は俺だけ。終点・浦幌駅まで運転士と二人きりだった。なんというゼイタク。酔いしれる。

07:56 浦幌駅下車。徒歩15分で球場。

 

うらほろ町民球場。十勝毎日新聞・電子版の2017年9月27日付けの記事を以下に転載する。

「浦幌町には、十勝管内有数の運動施設が整う。東十勝唯一の屋内スケートリンク「浦幌アイスアリーナ」や、サッカーの全十勝町村大会が開かれる「うらほろ森林公園林間広場」-。中でも独特なのが、ナイター照明を完備した森林公園そばにある「町民球場」だ。町民は管内で主流の朝野球ではなく、ナイター野球に親しむ。

 森林公園に夜のとばりが下りると、6基の夜間照明に黒土の内野と芝生に覆われた外野が浮かび上がる。両翼92メートルの町民球場は1990年5月のオープン当時、夜間照明を備えた球場としては管内初だった。

 ナイター開催が可能となり、町民が参加する朝野球は夜に。現在は5~8月の勝毎杯、8~10月にナイター選手権、行政区大会が開かれている。

 記者が球場を訪れた15日は行政区対抗大会の開幕日。虫が蛍光灯に当たる音しかしない静けさの中、球場には午後7時から、球音や選手たちの歓声、ため息が響く。
 この日、球審を務めた町軟式野球連盟の竹村辰夫副会長(65)は「最近は少子化で野球人口は減っているが、浦幌では野球といえば夜が当たり前」と語る。

 働く選手たちにとって夜の開催はありがたい。町内だけでなく、豊頃や池田、釧路市音別からも大会に駆けつける。アイスアリーナもアイスホッケーのメッカ、釧路からの利用も多い。運動施設は、浦幌の顔としての役割も果たしている。(深津慶太)」転載終わり

 

観戦したのは全道少年野球(小学生野球)の十勝支部予選2回戦。小雨。小学生の試合なのでレベルを心配してたが、よく訓練されたチーム同士の、1点を争う締まった好試合。頭脳的ディレードスチールあり、ファインプレーの応酬あり。何のことはない、今回の旅行で一番面白い試合だった。1点を争う攻防が野球の醍醐味であり真髄。この子たち、この面白さを小学生のうちから味わったら一生野球から離れられんだろうな、などと考えながら愉しむ。

「uesyou1965は、野球観戦を楽しむことにかけては常人の4倍のパワーを発揮するのだ」(ナレーション・大平透)

場内アナウンス無し。パンフ無し。通算1142球場め。北海道80球場め。

 

試合終わって、また駅まで歩く。途中でスーパー見つけ入店。寿司とビール買って、駅までの途中の公園のベンチで食す。スーパーのレジ女性が美人だった。たちまち一目惚れ。

「uesyou1965は、惚れっぽさにも4倍のパワーを発揮するのだ。」(ナレーション・大平透)

電車の本数も少なく、運休などのハプニングが怖いのでとっとと移動する。

12:04 浦幌駅からJR。運賃1290円。

13:16 帯広駅着。車内で寝たが運良くちゃんと降りれた。

駅ビルで土産買う。「雲丹ホタテ」(佃煮、御飯の友)と「ソラチのスープカレーの素」(これは賞味期限間近のため半額だった。帰宅して食ったら最高に美味かった)。合わせて1000円ほど。9月にまた帯広来るので今回は豚丼はパス。と思っていたがやはり腹が減り駅近の『元祖豚丼のぱんちょう』入る。豚丼の「松」950円食う。前回帯広来た時は行列ができてて断念した人気店。今回は夕方なのですいてた。とても美味い。箸袋と、店の略史が載ったパンフまでもらって帰る。豚丼はこの店で食わなきゃ駄目と知る。バスターミナルでスコア浄書したりしてバス待ち。

17:40 帯広バスターミナルから空港連絡バス。運賃1000円。

18:20 帯広空港着く。帯広から羽田への航空券は15220円。

19:50発予定が遅れる。

22:10 羽田空港着。35分遅れ。

22:23 モノレール乗る。モノレール運賃520円とJR運賃320円。

23:30 JR板橋駅下車。

 

今回の旅のMVPは「素晴らしき学童野球の世界」。

 

温泉にも入らず名物も豚丼しか食わず、ネカフェと路線バスと一両電車の旅だったが、なにか最高に楽しい旅だった。わが師匠・寅寅次郎先生にはかなわないが。寅先生はちゃんと旅館に泊まり(仲居さんは谷よしの!)、なんなら旅先で恋までしている。俺も健さんみたいに旅館で宿帳に「職業 独り者」と書くような旅をしてみたかった。大人になったらきっとするんだと思っていた。現実にはネカフェ旅である。でも野球旅は観光地じゃないところにも目的を持って行けるのかいいところ。今年のベスト旅になるかもしれない。

 

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