全国野球場巡りの旅の続き。

 

■今回の旅の計画決定までの経緯■

島根県・川本公園野球場は2015年に硬式高校野球で使われた。おそらく、いつも使っている球場が改装か何かで使えず、代替えとして使用されたものと思う。しかしこの時は他球場で忙しかったのか踏破できず、その後硬式高校野球での使用は途絶えてしまった。他の試合の開催情報もつかめず、2018年には川本を走っていたJR三江線も廃線、これは川本球場は迷宮入りかとあきらめていた。

去年、球場巡りの仲間「ふじも」さんのブログを見ていて、女子野球の中四国連盟「ルビー・リーグ」の存在を知った。これはひょっとして珍しい球場を使っているかもしれぬとチェックしてみたら、川本球場を使っているではないか。近くにリーグ参加校の島根中央高校があり、この高校が主管する試合で川本球場を使っている模様。しかし鉄道が無いのでバスしかないが、このバスが一日2便しかない。近くの都市まで行ってもそこから川本に行って帰ってくるだけで一日仕事になる。レンタカーでも乗れれば別だが、これはなかなかの秘境球場。しかし何とか旅の日程も組めて9年越しのリベンジに出かけることができた。

しかし、川本に行く同じ日に「新潟県の湯沢中央公園野球場で大学野球がありますよ」と野球狂のH瀬氏から情報を寄せていただく。これはまた迷宮入りしかねないレアな球場。せっかく川本を片付けたと思ったら、また迷宮入り候補が出てきてしまった。「球場巡りけがれなく道けわし」である。今度は湯沢球場の情報を追い続けねばならない。

 

2024年5月25日 土曜日

03:40 板橋の自宅出る。深夜だが道に街灯あり怖くない。あの六日町の漆黒の闇に比べれば……コンビニで食料買う。

04:15 池袋駅着く。

04:25 JR山手線乗る。東京駅から東海道線。車内でずっと寝る。浜松から豊橋まで33分間立ち。浜松あたりすごく混んでいた。寝入って乗り継ぎミスしないことだけに注意しつつ移動。父に貸してもらった倉本聰の自伝『破れ星、流れた』(幻冬舎)上巻読む。面白くて退屈せず助かる。大垣駅で乗り継ぎ待ちがあり、改札出て売店でアイスとポテチ300円買う。京都駅でまた乗り継ぎ待ちがあり、構内の蕎麦屋でかけそば340円食う。しかしこれは失敗で、ちゃんとホームで乗車の順番待ちをすべきだった。京都駅発の山陰本線がとても混んでて座れず。京都駅から並河駅まで25分間立ち。あまり乗らない路線なので車窓の景色が珍しい。近くに美少女が座っていてこれも目の保養とチラチラ拝見する。コンビニで買って来たオニギリやゆで卵食べながら夜汽車の旅。これはこれでとても楽しい。だけど車内が寒い。倉本氏自伝上巻読了、氏の書くことへの情熱に感服する。

23:46 出雲市駅で下車。運賃約12000円。19時間以上の乗車だがよく寝たし、私にとっては乗車自体がエンタメなので苦にならない。

00:00 出雲市駅から徒歩5分のネットカフェ「アリカフェ」入る。入会金無料。

 

2024年5月26日 日曜日

05:25 ネカフェ出る。料金1350円。6時間ナイトパック、コミックブース席(パソコン無し)。コンビニで食料買う。

05:50 出雲市駅からJR。コンビニで買ってきたホットコーヒー飲む。寒いので美味い。海沿いを走る好みの路線。

06:34 大田市駅で下車。運賃590円。駅付近コンビニ無し。コーヒー飲めず残念。

07:33 広島行き高速バス・石見銀山号乗る。バスは山の中にどんどん入っていく。走る道は大きな舗装道路だが、その他は江の川と緑の山々、ちらほらと民家のみ。

08:31 「川本中学校前」バス停で下車。定刻。運賃1430円。徒歩5分で球場。

 

川本公園野球場。両打席の外側のラインの、少し外側の上に防球ネットが張ってあるのが非常に珍しい。ネットはダートサークルあたりまで続いている。全国廻っているがこんなのは初めて見た。バックネット前のファウルゾーンに天井のように防球ネットが張られている球場はたまに見かけるが、この川本球場方式は非常に珍しい。

このネットは試合中も張られたままだった。近くに中学校があるので、通学する生徒たちにファウルボールが当たるのを防ぐためであろうか? 観客席外にも防球ネットはあるのだが。

観戦したのは硬式女子高校野球。ルビー・リーグ3部リーグの試合。片方のチームに白桃(もも、と読む)と甘栗(まろん、と読む)という名前の姉妹選手がいた。親御さんは何とも可愛い名前を付けたもの。姉妹揃って野球好きになるとは夢にも思わなかっただろうが。

女子野球で球場踏破するのは、東京・あきる野、埼玉・加須、埼玉・田ケ谷に続き4例目。女子野球を見るといつも、この子たち、こんな天気のいい日曜日に、デートも買い物もしないで、こんな山奥の球場で、当たれば痛い硬式ボールで泥臭くて汗臭い野球なんかやっちゃって……という気分になるが、みんなの野球愛に心を打たれる。場内アナウンス有り、パンフ無し。選手名は各種ネット情報でほぼ把握可だが、それで確認できない数人分はチーム関係者に確認。審判員名の漢字表記も審判に確認して作業終了。通算1137球場め。

9時からの試合が終わり、40分ほど選手名確認と球場調査を行ない、

11:40 球場出て歩く。17時過ぎまでバス待ちだが、球場周辺には商店など何も無いので、隣バス停の「道の駅かわもと」まで歩く。そこまで行けば道の駅やコンビニがありビールも飲める。バスなら4分の道のりだが徒歩だと40分。大自然を眺めながらのこの歩きを旅前から楽しみにしていた。確かに眺めは良く、日頃の小汚い都会暮らしの心が洗われるようだったが、なにしろ暑い。31度。すぐに歩くのがイヤになる。

12:20 「道の駅かわもと」に着く。「道の駅」で何かツマミになる物を探すが見つからず。仕方なくコンビニでビール。「道の駅」では「子持ちきくらげ しその実入り」と「生姜風味 しじみおかか」の2品を買う。御飯のお供。これは帰って食うのが楽しみ。合わせて1100円ほど。

17:07 広島行き高速バス・石見銀山号乗る。2分遅れて来た。

18:50頃 「広島バスセンター」到着。運賃2520円。10分早着。今回の旅ではここが一番心配だった。広島着が遅れて東京行き夜行バスに乗りそこなうのを恐れていたが逆に早着してくれた。ありがたい。

7階のレストランフロアに上がり「五エ門」という店でお好み焼き(そば入り)に餅トッピングして食う。1095円。餅トッピングに気を取られ麺ダブルにし忘れて後悔。美味しかったが。広島のお好み焼きは「みっちゃん」と決めているが広島ではどの店で食っても美味いと知った。本当は「そぞ」に行きたかったが、そこまでの時間的余裕が無く残念。

 

20:10 「広島バスセンター」から夜行バス。運賃6500円。4列シート。隣いないので座席に寝そべり爆睡。イビキかいちゃったかも。周りの皆様ごめんなさい。

翌08:46 東京駅前着。39分早着。ありがたい。東京駅からJR。

09:28 板橋駅で下車。運賃230円。

 

今回の旅のMVPは「超変則な防球ネット」。