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宮原球場がリニューアル 4月から供用 栃木

津布楽洋一2024年3月4日 10時45分

 

建て替えられた宮原運動公園野球場=宇都宮市陽南4丁目

 

 

 老朽化に伴い、建て替え工事をしていた宮原運動公園野球場(宇都宮市)が完成し、4月1日から使えるようになる。外野スタンドや照明設備がなくなる一方、バリアフリーに対応するなど、時代の流れに即したコンパクトな野球場に生まれ変わった。

 宮原球場は1932年に建設された宇都宮常設野球場の流れをくんでいる。常設野球場は観客2万人を収容でき、34年にはベーブ・ルースと沢村栄治の日米野球の開催地にもなった。常設野球場が閉場した翌年の61年、近隣の土地に宮原球場が建てられた。

 観覧席は約9000席。75年から全国高校野球選手権の出場校が増えたことを受けて、栃木大会の舞台になった。78年の決勝戦では、作新学院がサヨナラ本塁打で小山を下して優勝するなど、数々の名場面を生んできた。

 施設の老朽化に加え、2011年の東日本大震災で照明施設などが大きな被害を受けたため、球場を解体して再整備することになった。22年には跡地(現・宮の原小学校)が日本野球機構などの聖地・名所150カ所のひとつに認定されている。

 新球場は総工費約17億円。両翼98メートル、中堅122メートルのグラウンドは旧球場と同じサイズだが、スタンドはバックネット裏と内野のみで約1200席。スコアボードはチーム名と得点を表示するだけで、夜間照明もない。旧球場の象徴だった赤土は、黒土に変わった。

 宇都宮市は新球場をコンパクトにしたことについて、工業団地内にある清原球場との役割分担などを理由に挙げる。住居地域にある宮原球場は、広い駐車場を確保しにくく、周辺道路の渋滞なども懸念された。 市は新しい宮原球場の主な用途として小中学生の大会などを想定。外野は天然芝で、興行利用は不可とした。県高校野球連盟は、1年生大会などでの利用を検討するという。

 近年の暑さに配慮し、バックネット裏のスタンドには大きな屋根を設置した。エレベーターや多目的トイレもある。

 外野スタンドがなくなったスペースなどを活用し、運動公園内には子どもたちが遊べる遊具や高齢者などの運動具を設置した。市が力を入れる3人制バスケットボールのコートも整備する予定だ。

 3月27日には開場式典があり、地元の陽南中学校と一条中学校・雀宮中学校のチームが記念試合をする。県野球連盟の鈴木一成専務理事は新球場について「野球をする学童も中学生も減っている。大谷翔平選手のブームもあり、ひとりでも野球人口が増えればいい」と話している。(津布楽洋一)

 

老朽化などのため建て替え工事が行われていた栃木県宇都宮市陽南4丁目の宮原運動公園野球場が完成し、市は21日、4月1日に供用開始すると発表した。3月から利用予約を受け付ける。

 新球場は総工費約17億円。面積約1万4千平方メートル、本塁-左右両翼間98メートル、本塁-中堅間122メートル。旧球場の特徴だった内野の赤土は黒土に、外野は天然芝になった。スタンドは3階建てで約1200席。

 隣接地には3人制バスケットボールコートも整備する。市教委スポーツ振興課の大嶋(おおしま)ふゆ子(こ)課長は「使ってもらってこそのスポーツ施設。歓声が響く日が待ち遠しい」と話した。

 3月27日には開場式典と、近隣3中学校の野球部による記念試合を行う。

 同球場は1932年、宇都宮常設野球場として現在の宮の原小の場所に建てられ、34年に日米野球最終戦の会場となり沢村栄治(さわむらえいじ)やベーブ・ルースらが出場した。61年に現在地へ移り、2017年から解体、建て替え工事が行われていた。

 

宇都宮市、宮原新球場10月に着工、清原球場は設計、雀宮体育館7月

2022/04/08 日本工業経済新聞(栃木版)

 

 宇都宮市は、宮原運動公園野球場(陽南4-5-6)の改築、宇都宮清原球場(清原工業団地14)の大規模改修、雀宮体育館(南町6-3)の改修工事を計画している。宮原運動公園は仮設球場解体を6月、球場新設を10月に着工。雀宮体育館は7月の着工を予定。清原球場は早期に基本設計を発注する見通し。当初予算に体育施設等整備費12億7134万円(委託料9477万円、工事請負費11億7653万円)を計上。宮原運動公園野球場は債務負担行為限度額(23年度)14億7876万円を設定した。

 宮原新球場は建築、機械設備、電気設備の3工種に分離し、6月までに発注。6~9月に仮設球場を解体し、10月から2024年3月末まで新球場を整備。東駐車場や園路(敷地北側約400m)の整備は24年4月から25年3月末までを見込んでいる。

 新球場の面積は1万3000平方m。敷地中央に配置する。両翼98m、中堅122m。スタンドはRC造3階建ての延べ2490平方m。会議室や更衣室、多目的トイレなどを配置。中央部に車いすも乗降可能なエレベーターを1基整備する。

 観客席は1200席を見込んでおり、車いすスペースを確保する。グラウンドは内野黒土、外野天然芝で軟式・硬式野球に対応する。球場改築工事実施設計はフケタ設計(宇都宮市)が担当した。

 東駐車場は214台分を予定。園路の総延長は約600m。東駐車場整備後、テニスコート付近から東駐車場付近の園路を接続させる。

 清原球場は、当初予算に基本設計委託料2638万円を計上。大規模イベント時に不足していた諸室の増改築、トイレ洋式化、照明塔6基のLED化、雨漏りの発生による防水工事、観客席の一部個別化を見込んでいる。

 工期や事業費などは検討中。現在、個別化している観客席はバックネット裏のみ。個別席のニーズが高いことから、ベンチシートとなっている内野席の一部を個別化する。

 施設は1988年に竣工したRC造地下1階地上1階建て延べ1万6350・24平方m。観客席はバックネット裏が1336人分、内野が1万4600人分、外野が1万4000人分。グラウンドは透水性人工芝。両翼97・6m、中堅122m、本塁バックネット間18・3m。

 地下1階には本部席や放送室、素振り練習場、審判控室、会議室、選手用ロッカー室、多目的室、ダックアウトなど。地上1階には公式記録室やTV放送室、来賓室、売店などが配置されている。

 雀宮体育館はアリーナ床その他改修、空調設備設置、電気力設備に分離し、6月までに発注。工期は7月から23年3月末まで。メインアリーナの床張り替え(1540平方m)や壁改修、トイレの洋式・乾式化、トレーニング室の天井改修、一部を除く空調設備(電気式)の設置や照明LED化を予定。実施設計は猪瀬建築設計事務所が担当した。

 施設は1984年11月に供用開始したRC造2階建て延べ3123・7平方m。改修工事で利用環境の向上や施設の保全を図る。

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聖地 宮原野球場 一新 来月1日供用開始 宇都宮市

2024年3月28日 07時52分

 

バックネット裏から見たグラウンド。スコアボードは電光式=いずれも宇都宮市の宮原運動公園野球場で

 宇都宮市が2022年度から改築工事を進めていた宮原運動公園野球場(同市陽南4)で27日、市関係者らによる開場記念式典と近隣中学校生徒による記念試合があった。4月1日に供用を始める。

 佐藤栄一市長は式典で「記念試合を皮切りに、この運動公園が市民スポーツの拠点として、より多くの皆さまに利用されるよう期待する」と述べた。

 1932年に開場した「宇都宮常設野球場」の流れをくみ、61年に旧球場の南西約500メートルの現在地で開場。東日本大震災による損壊で老朽化が進んだため、17年から閉場していた。

 

バックネット裏の「膜屋根」はカンセキスタジアムとちぎでも使われ、好評を得ている

 新球場の総工費は約16億9700万円。改築前と同じ両翼97.5メートル、中堅122メートルのグラウンドは内野に黒土と人工芝、外野は天然芝が敷かれる。興業利用は不可としており、9千席あったスタンドは約1200席に減らした。照明設備を外した一方、遮光・遮熱性に優れたフッ素樹脂加工の「膜屋根」をバックネット裏席を覆うように設置。バリアフリーに配慮し、エレベーターや多目的トイレ、車いす専用席も新設した。主に少年野球や草野球の利用を想定し、高校野球公式戦の予定はない。

 敷地内には球場の歴史を案内する「歴史伝承看板」も設置。宇都宮常設球場で1934年にあった第2回日米野球で沢村栄治(当時巨人)とベーブ・ルース(当時ヤンキース)が対戦したことや、日本野球機構(NPB)などが認定する「日本野球聖地・名所150選」に選ばれたことなどを紹介している。

 利用時間は午前9時~午後5時。利用(有料)の予約は、市公共施設予約案内システムか電話で。問い合わせは同運動公園=電028(658)1052=へ。(武藤康弘)

宇都宮市陽南の宮原運動公園野球場が、2017年から続いていた改築工事を終え、4月1日から供用開始される。この地区では戦前、日米野球で沢村栄治とベーブ・ルースが対戦するなど野球の伝統が息づく。球場は周辺環境への配慮でコンパクトになったが、暑さ対策やバリアフリー化などで、幅広い層に愛される施設に生まれ変わった。(八幡大輝)

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 同野球場から約500メートル先、現在の市立宮の原小学校の場所には、かつて宇都宮常設野球場があった。1932年の建設で、観客席は収容人数2万人を誇り、フェンスやスタンドは大谷石造り。34年の日米野球最終戦で沢村が登板するなど、数々の熱戦が繰り広げられた。跡地は2022年、日本野球機構(NPB)などが認定する日本野球の「聖地・名所150選」に、県内で唯一選ばれた。

 1960年の常設野球場閉場に伴い、後継的な位置づけで翌年誕生したのが宮原運動公園野球場だ。地域の野球熱に支えられ、住民からも親しまれてきた。しかし、半世紀以上経過して老朽化が進み、2011年の東日本大震災でナイター設備が壊れたこともあり、総工費約17億円をかけて解体・改築された。

 新球場のグラウンドは以前と同じ両翼98メートル、中堅122メートル。周辺に住宅地が広がるため、約9000席あった観客席は約1200席に縮小し、ナイター設備も廃止した。これに伴い、基本的に午前9時~午後9時半だった使用時間も、午後5時までに短縮。騒音や渋滞につながらない運営を重視する形になった。

 一方、内野は赤土からユニホームなどの汚れが目立ちにくい黒土に変更。スコアボードは手動から電光掲示板へと刷新した。フェンス沿いに高さ約15~28メートルの防球ネットを設置し、暑さ対策でバックネット裏のスタンド上の屋根も拡大した。エレベーターや車いす席、多目的トイレも設置し、バリアフリー化も進んだ。

 新球場は小中学生の大会や草野球の会場としての使用を想定。供用開始に先立ち、今月27日には開場式典が行われ、地元の一条・雀宮中の合同チームと陽南中が対戦する。市教育委員会スポーツ振興課の大嶋ふゆ子課長は「地域に親しまれた球場が7年ぶりに使えるようになる。再び多くの人に利用してもらい、歓声が響き渡る球場になってほしい」と期待を寄せた。

 球場は市公共施設予約案内システムか電話で予約できる。問い合わせは宮原運動公園(028・658・1052)。

4月1日から供用が始まる宇都宮市の「宮原運動公園野球場」。27日に行われた記念式典では宇都宮市の佐藤栄一市長など約130人が出席し、テープカットや始球式などが行われました。

その後は、球場に近い陽南中学校と一条・雀宮中学校の合同チームの記念試合が行われ、真新しい球場が歓声に包まれました。

宮原野球場は、1932年に建設された宇都宮常設野球場の流れをくんでいます。1934年には、球界の伝説、沢村栄治とベーブ・ルースが日米野球で対戦するなど日本の野球史に球場の名を刻みました。

2017年から7年の歳月を経て生まれ変わった宮原野球場は、両翼ともに97.5メートル、センターは122メートル。改修前に約9000席あった観客席は、バックネット裏と内野のみの1200席に縮小したほか、ナイター設備を廃止しました。

改修の内容について宇都宮市は、市内にある清原球場との差別化を図るためとしています。

一方でバックネット裏の観客席には、暑さ対策のために屋根が設置され、バリアフリーに対応したエレベーターやトイレなども設けられました。

改修された球場では主に、小中学生の大会や草野球などでの使用を想定しているということです。

また球場の周辺には今後、市が普及に力を入れている3人制バスケットボール・3X3のコートの設置も予定されています。

【宇都宮】新しくなった宮原運動公園野球場(陽南4丁目)で27日、開場式典と中学生チームの記念試合が行われた。青空の下、球児たちが県産ブレンドの黒土に替わったグラウンドで白球を追いかけた。

 式典のテープカットに続いて一条中、雀宮中の合同チームと陽南中が記念試合で交流。始球式ではいずれも野球経験のある佐藤栄一(さとうえいいち)市長が投手、馬上剛(うまがみごう)市議会議長が打者、小堀茂雄(こぼりしげお)市教育長が捕手を務めた。佐藤市長は「(日米野球の歴史をくむ)伝統ある野球場。市民スポーツの拠点となることを期待している」とあいさつした。

 野球場は旧球場の老朽化に伴い、建て替え。両翼97・5メートル、中堅122メートルで、グラウンドを赤土から黒土に替えた。選手が控えるダッグアウト脇には1、3塁側ともに独立のブルペンを新設した。観客席は、背もたれのある独立席も含めて約1200席。洋式トイレや多目的トイレ、エレベーターも完備している。ナイター照明はなくした。

 市によると、グラウンドの土は鹿沼市産の黒土と栃木市産の砂を7対3で配合した県産ブレンド。雨の翌日でもぬかるまなかった。軟式、硬式野球とソフトボールが対象で、年内の土日は予約でほぼ埋まっているという。入場料を取る興行利用はできない。

[2022/4/8 栃木版]

 宇都宮市は、2022年度の体育施設の整備事業で北西部地域体育施設の基本設計や宮原運動公園野球場の改築工事、雀宮体育館の空調設置・照明改修等工事、および清原球場の大規模改修基本設計を実施する。本年度の当初予算では、体育施設等整備費に12億7134万円を計上したほか、宮原運動公園野球場の改築工事で23年度に14億7876万円の債務負担行為を設定している。

 北西部地域体育施設については、DBO方式で新里町地内に体育館および運動場の整備を計画している。22年度は基本設計を策定し、23年度に事業者を募集・選定する。24~26年度に実施設計や工事を行って、26年度から供用開始するスケジュールを想定している。

 宮原運動公園(陽南4-5-6)内では、新野球場の整備を計画している。新野球場は、現在の仮設球場を解体した跡地に建設する方針。夏ごろに仮設球場の解体工事を行った後、秋から新球場建設工事に着手して、23年度に完成させる。設計は、フケタ設計(宇都宮市)が担当した。

 新しい野球場の規模は約1万3000平方mで、硬式、軟式、ソフトボールが利用可能。外野は天然芝、内野は黒土のグラウンドとし、ダグアウトの延長上のグラウンド隅にブルペンを設置する。夜間照明については設置しない。

 観客席は、整備基本計画では2300席と想定していたが、半数まで規模を縮小することを構想している。外野席は設けず、バックネット裏から内野席までの範囲に観客席を配置する。球場内設備については、ロッカー室、会議室、審判室、役員室など、試合の開催に最低限必要な諸室を設置するという。

 雀宮体育館(南町6-3)は、アリーナに未設置の空調を整備し、老朽化した照明をLED化する。設計は、猪瀬建築設計事務所(宇都宮市)が担当し、夏以降に工事を実施する。

 清原球場(清原工業団地14)については、施設の老朽化に対応するため、施設の全体的な大規模改修を行う。現在のところ、雨漏り対策の防水、部屋の増改築、観客席の改修、照明設備のLED化などを構想。観客席は個別席の需要が高いため、増設を検討している。整備内容やスケジュールは、基本設計をまとめる中で決定する。

老朽化などのため建て替え工事が行われていた栃木県宇都宮市陽南4丁目の宮原運動公園野球場が完成し、市は21日、4月1日に供用開始すると発表した。3月から利用予約を受け付ける。

新球場は総工費約17億円。面積約1万4千平方メートル、本塁-左右両翼間98メートル、本塁-中堅間122メートル。旧球場の特徴だった内野の赤土は黒土に、外野は天然芝になった。スタンドは3階建てで約1200席。

 

隣接地には3人制バスケットボールコートも整備する。市教委スポーツ振興課の大嶋ふゆ子課長は「使ってもらってこそのスポーツ施設。歓声が響く日が待ち遠しい」と話した。

3月27日には開場式典と、近隣3中学校の野球部による記念試合を行う。

同球場は1932年、宇都宮常設野球場として現在の宮の原小の場所に建てられ、34年に日米野球最終戦の会場となり沢村栄治やベーブ・ルースらが出場した。61年に現在地へ移り、2017年から解体、建て替え工事が行われていた。