相原コージのうつ病マンガ

 

相原コージのマンガ「うつ病になって

マンガが描けなくなりました」読む。

といってもネットで無料で読める分だけだが。

 

面白い。いや面白いと言っては語弊がある。

実に興味深い内容のドキュメンタリー。

相原氏ほどの売れっ子で自分を客観視する視座を

持つ人でもうつになるのかと大変驚いた。

 

作品中に出てくる医師の説明によると、

うつは環境とか体験が原因となる場合もあるが、

そうした外的要因が無い人の場合でも、

脳内分泌物資のバランスが

原因不明で崩れることにより

誰にでも起きうる病気らしい。

他人事ではないのだ。まったく恐ろしい話。

 

この作品では、

絵が暑苦しいほどだった「さるまん」のタッチと違い、

空疎で寒々したドライなタッチであるのも

この作品のムードにマッチしている。

相原氏らしい語り口の上手さも健在。

相原氏の妻が示す優しさが読んでて心に沁みる。

この女性が幸せでありますようにと

読者は願わずにはおれない。