京都国際と智弁学園が近畿勢対決
■滋賀学園は初、大社は93年ぶりの8強入り
夏の甲子園の3回戦4試合が8月17日にあり、智弁学園(奈良)、京都国際(京都)、神村学園(鹿児島)、大社(島根)が勝ち上がり、8強が出そろった。
第12日(19日)の準々決勝の第1試合では、東海大相模(神奈川)と関東第一(東東京)の関東勢対決、第3試合では京都国際(京都)と智弁学園(奈良)の近畿勢対決がある。初の8強入りを果たした滋賀学園(滋賀)は青森山田(青森)と、93年ぶりに8強入りした大社(島根)は神村学園(鹿児島)と対戦する。
準々決勝 組み合わせ
第12日 19日
<一塁側> <三塁側>
➀東海大相模(神奈川)×関東第一(東東京)
➁青森山田(青森)×滋賀学園(滋賀)
③京都国際(京都)×智弁学園(奈良)
④大社(島根)×神村学園(鹿児島)
3回戦の結果➁ 第11日
◇第1試合
智弁学園(奈良)6-3小松大谷(石川)
智弁学園が前半に得点を積み重ねてリード、6-3で小松大谷を下して3年ぶりの8強入りを果たした。
智弁学園は1回裏に先制したが、2回表に小松大谷に2点を許して逆転された。しかし、3回裏に3番・山崎光留捕手の3塁打で同点にすると、4回裏にも相手の守備ミスで2点を奪う。さらに5回裏にも4番・近藤大輝内野手のタイムリー3塁打などで2点を追加し、6-2と引き離した。9回表に小松大谷は4番が奮起してタイムリーを放ったものの反撃はそこまで。
先発した智弁学園のエース左腕田近楓雅投手は得意のチェンジアップが冴えて、7回2失点12奪三振の好投。8回からは3人による継投で勝利した。準々決勝では同じ近畿の京都国際と4強入りをかけて戦う。
◇第2試合
京都国際(京都)4-0西日本短大付(福岡)
京都国際は2回戦を大勝して勝ち上がってきた西日本短大付を相手に4-0で完封勝ち、3年ぶりに8強入りした。
京都国際は2回表にパスボールとタイムリーで2点を先取。5回表にも4番・藤本陽毅内野手のタイムリーで1点を加えて3-0とリード。最終回にも加点して4-0で快勝した。投手力、守備力を武器にするチームだが、この試合では打線が16安打を放ち、強力打線の西日本短大付を圧倒した。
「これほどヒットが出たのは初めて。本数の割には得点が少ない」(監督談)と反省?も。先発したエースの左腕中崎琉生投手は7安打無失点で14奪三振と好投。
準々決勝の相手は智弁学園。3年前の準決勝では敗戦しているのでリベンジを果たせるか。好投手同士による奪三振ショーの展開になるのか、近畿勢対決に注目が集まりそうだ。
◇第3試合
神村学園(鹿児島)7-1岡山学芸館(岡山)
神村学園が岡山学芸館に7対1で快勝、2年連続で8強入りした。先発メンバーが全員安打、12安打を放った。すべてシングルヒットで「低い強い打球」をめざして挑んだ結果でもあった。
1-1の同点で迎えた4回表、神村学園は一死満塁から押し出し点で勝ち越すと、さらに内野安打で1点を奪って2点をリード。5回表には無死満塁から6番・上川床勇希外野手が2点タイムリー、8番・藤田侑駿内野手も2点タイムリーを放ってさらに突き放した。試合では下位打線の活躍が目立ち、6点差をつけて神村学園が勝った。先発した2年生の右腕早瀬朔投手は5安打1失点で完投した。
準々決勝では甲子園で初の3勝を達成して勢いに乗る大社と対決する。
◇第4試合
大社(島根)3-2早稲田実(西東京)
(延長11回タイブレーク)
32年ぶりに甲子園に戻ってきた大社が、東京の強豪・早稲田実を延長11回タイブレークの末に3-2で劇的なサヨナラ勝ちを収めて、93年ぶりの8強入り。初戦で近畿の強豪・報徳学園(兵庫)を破るなど甲子園で初の3勝も達成した。
大社は1回裏に5番・下条心之介外野手のタイムリーで先制。5回表、早稲田実は一死満塁から内野ゴロの間に3塁走者がホームを突いて同点にした。そして、6回表にも安打と相手守備のエラーによって一気にホームを踏んで2-1と勝ち越した。
ロースコアで決着すると予想されたが、大社は土壇場の9回裏に9番・高橋翔和内野手がスクイズを成功させて同点に追いつく。続いて1番打者の犠打で一死2、3塁にして、スクイズや外野への犠牲フライでもサヨナラ勝ちにできるという絶好のチャンスをつくった。
ここで、早稲田実の監督が奇策に出た。左翼手を投手と一塁手の間に守らせるという内野5人シフトを敷いたのだ。1点を許したら終わるため、大胆な守備にしたわけだ。
その場面で大社の打者が打った球はその「外野手」の前に転がり、素早く一塁に送球してアウト。一塁への送球を確認して三塁走者はホームに走ったが、一塁手がホームに好送球してタッチアウト。サヨナラを防いて奇策は見事に成功した。
そして、延長10回タイブレークに突入。両校とも得点を奪えず、勝負は延長11回以降に持ち越された。11回裏、大社は無死満塁にすると、7番・馬庭優太投手がセンター前にサヨナラ打を放って劇的勝利をつかんだ。
早稲田実は8回以降は無安打に抑え込まれ、タイブレークを含めて得点チャンスをつくれず9年ぶりの8強を逃した。
先発した大社の左腕馬庭投手は7安打2失点、投打で勝利に貢献した。準々決勝では神村学園と4強入りをかけて戦う。