A、 Dゾーンは激戦区、実績校が集中

 

一冬でチームも選手も成長、混戦含みも

 

センバツ出場32校の1回戦の組み合わせが決まった。

 

Aゾーンには昨秋の地区優勝校4校が集まり、Dゾーンにはセンバツ優勝の経験校が5校も入り、まさに激戦区の様相を呈している。

 

昨秋の神宮大会成績は予想する目安となるので、優勝した星稜と準優勝の作新学院については上位評価をせざるを得ない。この2校を相手に1、2点差で惜敗して次のステージに進めなかった関東第一、青森山田、広陵、北海も大きな力差はない。

 

大阪桐蔭は初戦で関東第一に4点差をつけられて敗退しているにもかかわらず、V候補になっているのは、やはり近畿地区3連覇などの成績が抜群であること、加えて選手のレベルの高さなどを考慮しての「総合力」が高く評価されているからである。

 

まず、初戦の北海戦に勝って、2回戦で作新学院か神村学園を破って準決勝に進出したとしても春優勝の経験ある強豪勢との対決が待っており、スンナリと勝ち抜けられるかどうか。それでも一冬超えて「強い大阪桐蔭」は必ず戻ってくる、と思いたい。

 

冬場の練習でチーム、選手ともに成長して甲子園に臨むケースも珍しくない。前評判の評価は低くても、初戦勝ちして勢いに乗って快進撃を続けるチームが出てくる可能性もある。

 

※表は新チームの公式戦成績

 

■ 低反発の金属バット、その影響は?

 

今春から新基準による低反発の金属バットが導入される。これは投手の負担軽減やケガ防止のために導入されたもので、飛距離が出にくいため本塁打数が減るのではと予想されている。ちなみに新チームになって公式戦に本塁打6本以上を放っているチームは、青森山田、関東第一、豊川、星稜、大阪桐蔭の5校。その影響はどう出るか。

 

逆に投手陣の層が厚い大阪桐蔭、八戸学院光星、青森山田、関東第一、報徳学園にとっては有利になる。また、盗塁などの機動力をフルに生かして得点するチームにとってはプラスに働きそうだ。40盗塁を超える中央学院、豊川をはじめ盗塁数の多い山梨学院、星稜、広陵、京都外大西、健大高崎などの試合運びにも注目だ。

 

低反発の金属バットが勝敗にどのように有利、不利に働くのか、そのデータにも関心が集まりそうだ。

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ゾーン別戦力分析

■Aゾーン

地区王者が集まるも星稜有利

 

8校のうち4校が昨秋の地区王者。昨秋の神宮大会優勝校である星稜 はエースの左腕佐宗翼、右腕道本想を擁し総合力でもV候補の一番手だ。もちろん、このゾーンでは4強入りに一番近くにいるチームだろう。まず初戦で21世紀枠出場の田辺を順当に破って好スタートを切る。

 

東京王者の関東第一は左腕畠中鉄心と右腕坂井遼のWエースを中心に、打率も3割9分をマークしている強力打線。開幕戦では直球に威力がある洗平比呂と岡本琉奨の両右腕が2枚看板の八戸学院光星 と対戦する。好勝負になりそうだが、勝者のどちらかが2回戦で星稜と対決する。

 

部員を県内出身者で占めている九州王者の熊本国府、打率が4割近くもあって盗塁数も多く機動力のある東海王者の豊川、そして抜群の制球力を持つ右腕西山恒誠を擁する近江、この3校のうち1校が勝ち上がり、星稜と準々決勝で4強入りをかけて対決することになるだろう。

 

■Bゾーン 

混戦も関東勢の2校に期待

 

昨春優勝の山梨学院は新チームで史上4校目の春連覇をねらう。1回戦では近畿大会準Vの京都外大西と対戦する。両校の打率は互角、そしていずれも盗塁数が多く機動力のあるチームだ。投手力ではエースの左腕田中遥音を擁する京都外大西にやや分がある。

 

健大高崎は2人の好投手を2枚看板に、打率も4割近い強力打線。初戦で学法石川に勝てば、2回戦では敦賀気比と明豊の勝者と対戦する。ここで勝ち上がると、準々決勝では4強入りをかけて健大高崎vs山梨学院の関東勢対決が実現する可能性も。どのチームも4強入りをねらえる混戦のゾーンだ。

 

■Cゾーン 

安定感の広陵、投手力の青森山田

 

広陵の最速148㌔のエースの右腕高尾響は大会屈指の好投手。右腕堀田昴佑も将来性を有望視されている。初戦は高知と対戦するが、順当に勝ち上がりそうだ。

 

京都国際と青森山田が1回戦で当たった。青森山田の投手陣は東北大会でノーヒットノーランを達成した桜田朔や奪三振の多い関浩一郎など層が厚い。相手の京都国際の投手陣の防御率は 0.71で出場校の中ではベスト1位。熾烈な投手戦も予想されるが、この勝者が2回戦で広陵と対戦することになりそう。

 

いずれにしても安定感のある広陵が勝ち上がって4強入りする可能性は高い。

 

■Dゾーン

大阪桐蔭が中心、作新学院なども

 

大阪桐蔭は昨秋に史上初の近畿大会3連覇。新チームの成績をみると、打率3割1分、防御率1.78、本塁打6本とズバ抜けた数字ではないものの、長打力のあるラマル・ギ―ビン・ラタナヤケ、最速154㌔の右腕平嶋桂知などを中心に戦力レベルは高く、総合力でV候補と予想されている。

 

作新学院は攻撃的なチームで昨秋の関東王者。右腕小川哲平は最速147㌔の大会屈指の好投手だ。1回戦で昨夏のメンバー10人が残る神村学園と対戦する。勝てば2回戦で大阪桐蔭と対決する。

 

大阪桐蔭も「大本命」とは言えないので、作新学院も神宮大会準Vの底力をもって、この強敵を撃破すれば4強入り、さらに決勝進出の可能性も出てくる。

 

投手力の高い報徳学園と、打率3割9分台の愛工大名電が1回戦で対戦する。この勝者が勝ち上がっていけば、準々決勝で大阪桐蔭か作新学院のいずれかと4強入りをかけて対決することになりそう。

 

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