神村学園、土浦日大は初の4強、難敵に挑む

 

夏の4強が決定した。

 

19日(土)に準々決勝4試合が行われ、仙台育英(宮城)、慶応(神奈川)、神村学園(鹿児島)、土浦日大(茨城)の4校が勝ち抜いて準決勝進出を決めた。仙台育英は2年連続、慶応は103年ぶりの4強、神村学園と土浦日大は初の4強入りを実現した。

 

準決勝も抽選によって組み合わせが決まり、第1試合では夏連続制覇をねらう仙台育英と神村学園が対戦する。第2試合は慶応と土浦日大の関東勢対決となった。準決勝は21日(月)、決勝は23日(水)に行われる予定。

 

  準決勝 21日(月)

第1試合 仙台育英vs神村学園

第2試合 慶応vs土浦日大

 

史上7校目の夏連続制覇をねらう仙台育英、107年ぶりの優勝をめざす慶応、初の決勝進出をめざす神村学園と土浦日大。それぞれが目標をもって夏の準決勝に臨む。決勝対決は仙台育英と慶応になる可能性が強いけれど、神村学園と土浦日大の勢いも軽視できない。今夏は地方大会でも全国大会でも強豪が相次いで早々と姿を消しているだけに、最後に「大波乱」があっても不思議ではないが・・・さて。

 

  準々決勝の結果

慶応(神奈川)7-2沖縄尚学(沖縄)

土浦日大(茨城)9-2八戸学院光星(青森)

神村学園(鹿児島)6-0おかやま山陽(岡山)

仙台育英(宮城)9-4花巻東(岩手)

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観戦記&展望

◇第1試合

(スコアは上写真)

■慶応、投打で安定した強さ、注目の好投手を攻略

 

この夏、安定した強さを見せている慶応が、沖縄尚学の絶対的エース・右腕東恩納を後半に入ってから打ち崩し、7-2で破って103年ぶりの4強入りを決めた。

 

まず、沖縄尚学が4回裏に4番・仲田の2ランで先制。右腕東恩納は4回まで慶応打線を相手に7奪三振と快調に飛ばした。

 

それでも慶応は慌てず攻略するタイミングを待っていた。そして、6回表にその時は来た。ベンチは投手の打席で背番号15の清原を代打として送る。すると球場内から歓声とどよめきが起こった。元プロ野球で活躍した清原和博氏の次男であることを観衆はよく知っていたからだ。結果は内野ゴロに終わったが、この代打策はベンチやアルプス席などの雰囲気を一変させた。その大きな応援に応えるかのように、これまで沈黙していた強力打線が本領を発揮する。

 

1番、2番の連打などで一死満塁にすると、4番・加藤が走者一掃の2塁打を放ち3点を奪う。さらに連続タイムリーなどで3点を加えて、一挙6点のビッグイニングをつくった。7回表にも相手のパスボールで1点を加え、7-2と大きくリード。投手陣の継投で5回以降は2安打を許しただけで反撃のチャンスを与えなかった。県大会から1人で投げ続けてきた沖縄尚学のエースはやはり疲れが出たようで、念願の4強入りを逃した。

 

慶応は夏の第2回大会で優勝している古豪。大正、昭和、平成、令和の長い歴史を経て新生・慶応として夏の頂点に立つのか。107年ぶりの優勝をつかみ取るためには、まずは準決勝の関東対決を制して決勝進出を決めるしかない。

 

◇第2試合 

 

土浦日大、ビッグイニングをつくって快勝

 

初めて8強入りした土浦日大と8年ぶりの八戸学院光星との対決は9-2で土浦日大に軍配が上がった。

 

土浦日大は3回裏に2本のタイムリーで3点を先取。八戸学院光星も4回、5回に1点ずつ返して1点差に追い詰めた。しかし、6回表に土浦日大は相手投手が交代したタイミングで、一挙5点のビッグイニングをつくり、完全に試合の流れをつくった。9回表には5番・松田が今大会2本目の本塁打を放って初の4強入り。

 

準決勝では同じ関東の慶応と対戦する。長髪チーム同士の対決ということでも注目されている。

 

◇第3試合 

 

■神村学園、相手投手の交代を機に一挙5点

 

初の8強入りを果たしたチーム同士の対決となった第3試合は、神村学園が終盤にビッグイニングをつくっておかやま山陽に6-0で快勝した。

 

両校ともなかなか得点が入らず、7回までは1点を争う投手戦になった。8回表、神村学園は相手投手の交代をきっかけに打線が攻勢に転じた。中軸の連続タイムリーで2点を先取すると、8番・松尾が二死満塁から3塁線を抜く2塁打で走者一掃の3点を奪って、この回一挙5点をもぎ取って勝利につなげた。先発の右腕松永と6回途中から継投した左腕黒木の2人で完封、投打がうまくかみ合って初の4強入りを決めた。準決勝ではV候補の仙台育英に挑戦する。

 

◇第4試合

 

■仙台育英、2度のビッグイニングで圧倒

 

この夏、8強に東北勢が3校も進出、地区レベルの高さを証明した。その東北勢同士の対決ではV候補の仙台育英が、9-4で花巻東を下して、順当に2年連続で4強入りした。

 

打者が一巡した3回から仙台育英は攻勢に出た。3回表、二死満塁から5番・尾形の右越2塁打でまず2点を先取すると、6番・鈴木も2点タイムリーを放って4点を奪う。さらに4回表にも3番・湯浅、4番斎藤陽の連続タイムリーなどで4点を積み上げた。2度のビッグイニングをつくって8-0と大きくリードして試合の主導権を握った。さらに7回表には5番・尾形が今大会2本目の本塁打を左スタンドに運んで、強打者としての底力を見せつけた。

 

花巻東は9回裏、5安打を集めて4点を返したものの、時すでに遅し。最後は高校通算140発の3番・佐々木麟に打席が回ってきたが、2ゴロに打ち取られてゲームセット、東北対決は投打で優った仙台育英が制した。ちなみに先発の右腕湯田は初回の佐々木麟との対決で球速151㌔をマークしている。2年連続夏制覇まであと2勝、準決勝で敗退はないだろう、と予想する。

 

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