投手戦か、打撃戦か、好ゲームは必至

 

V候補の仙台育英(宮城)と履正社(大阪)が8強入りをかけて、3回戦「第11日」の第1試合で激突する。

 

仙台育英は12日に行われた2回戦で聖光学院(福島)と対戦、8-2で東北勢対決を制し、順当に3回戦に進出。また履正社も13日の高知中央(高知)戦を10-4で破って3回戦に進出、早くもV候補同士がぶつかることになった。

 

投打で高いレベルにある両校の対戦であるだけに、投手戦、打撃戦、いずれの展開になっても好ゲームが期待される。両校は全国制覇に向かって、3回戦を突破してまずは8強入りをねらう。

 

仙台育英

浦和学院、聖光学院の強豪を連続撃破

 

◇1回戦

仙台育英19-9浦和学院 

 

仙台育英は開幕初日に、いきなり浦和学院(埼玉)と対戦した。この強豪対決は仙台育英が壮絶な乱打戦の末に19-9で浦和学院を倒した。本塁打2本を含む19安打を放ち、10点差をつけて勝ち切った。

 

盤石な体制にあると言われていた仙台育英の投手陣。この試合では最速153㌔の本格派投手の右腕湯田統真投手が先発、エースの右腕高橋煌稀投手と左腕仁田陽翔投手が継投し、浦和学院の強力打線に18安打を許したものの、最後まで主導権は与えずに初戦を突破した。

 

◇2回戦

聖光学院(福島)

010 100 000=2

120 000 32×=8

仙台育英(宮城) 

 

2回戦は同じ東北の聖光学院との対戦となった。仙台育英は1回裏に一死1、3塁の場面で4番・斎藤陽内野手の打球が野選(フィールダースチョイス)を誘引し、その間に3塁走者がホームを突いて先制した。

 

2回表には聖光学院が犠牲フライで同点にすると、その裏に仙台育英は連続安打と犠打でチャンスをつくると3番・湯浅桜翼内野手に2点タイムリーが出て3-1とリード。聖光学院は4回表に3番・杉山由朗捕手の右本塁打で1点差に追い上げた。

 

6回まで1点を競う投手戦になったが、7回裏に仙台育英は4安打を集めて3点を追加、さらに8回裏にも3番・湯浅内野手の2点タイムリーで8-2と大きく引き離した。この日の湯浅内野手は3安打5打点の活躍ぶりだった。

 

 先発の左腕・田中優飛投手は4回途中まで投げて、右腕湯田投手につなぎ、最後は右腕高橋投手が3者凡退に打ち取りきっちりと締めた。初戦と同様に3人の好投手による継投で勝ち進んだ。初戦では浦和学院に対して18安打9得点を許したが、東北の甲子園常連校の聖光学院には7安打2失点に抑えて勝ち進んだ。「勝ちながら強くなる」―須江航監督は勝利後にこれからを見据えてそう語った。

 

履正社 

投手陣、強力打線が好調、安定した試合展開

 

◇1回戦

履正社(大阪)6-0鳥取商(鳥取)

 

履正社の初戦の相手は2年連続出場の鳥取商。1回表、4番・森田大翔内野手が左翼スタンドに先制の3ランを放ち、試合の流れをつくった。7回表には連続タイムリーで3点を加え、6-0とさらに引き離し、そのまま逃げ切って快勝した。

 

背番号1の左腕増田壮投手は7回を4安打無失点、その後は大阪大会決勝で難敵の大阪桐蔭に完封勝ちした左腕福田幸之介投手などが継投、順当に初戦を突破した。

 

◇2回戦

高知中央(高知)

000 002 002= 4

202 303 00×=10 

履正社(大阪) 

 

2回戦の相手は甲子園初出場で1勝を挙げた高知中央。4回までに7点を奪って完全に主導権を握り、15安打の猛攻で10-4と圧倒した。この日は日曜日、しかも第1試合は「地元」の履正社が登場するということもあって入場券は売り切れて当日売りはなく、外野席も満員状態。数年前の夏の甲子園が完全に戻ってきたような熱気ある応援風景も見られた。

 

1回裏、4番・森田大翔内野手の右中間2塁打で先制点、さらに一死満塁から押し出しの1点を加えて2-0とリード。3回裏には森田内野手が今大会2本目の本塁打を放つと、また押し出しで1点を追加。そして4回裏には6番・小川輝内野手の2点タイムリーなどで3点を奪って7-0とリードを広げた。さらに6回裏にも3点を奪って10点目を入れた。

 

4回までに3度の満塁チャンスをつくるなど、着実に加点する安定した試合展開で勝利の流れをつくった。守備面でもダブルプレーや好プレーが目立ち、持ち前の堅守も披露した。

 

先発の左腕福田幸之介は6回まで散発4安打2失点と好投、その後は1年生投手を含めた3人の継投で2失点を許したが、順当に勝って3回戦進出に導いた。

 

高知中央は後半の6回と9回に2点ずつを返すも反撃はそこまで、初出場で甲子園2勝目には届かなかった。

 

勝利後の多田晃監督は、次の対戦相手である仙台育英戦について、「好投手など昨夏の優勝メンバーが残っている強いチーム」と認めながらも「うちの選手もいい状態なので、思い切っていく」と力強く語った。大阪大会決勝で大阪桐蔭を完封して夏の代表になったからには、「全国制覇」は当然の目標だ。

 

 

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