初戦の能代松陽に勝つ
と次は大阪桐蔭に挑戦
2022年「夏の甲子園」がいよいよ8月6日(土)に開幕する。
第104回全国高校野球選手権に出場する49校の初戦から3回戦までのカードは決まっている。その後の準々決勝と準決勝の組み合わせは、3回戦、準々決勝の勝ちチームの主将がくじを引いて決まる。
出場49校は明秀日立のいるAゾーンから、大阪桐蔭のいるHゾーンまでの8ゾーンで試合を行ない、勝ち上がったチームが8強入り、準々決勝に進出する。くじの結果次第ではV候補同士が準々決勝で激突する可能性もある。
春夏連覇をめざす大阪桐蔭(大阪)が本命視されているが、昨夏の王者・智弁和歌山(和歌山)をはじめ、京都国際(京都)、近江(滋賀)などの近畿勢、さらに九州国際大付(福岡)、明秀日立(茨城)なども虎視眈々とV争いへの参戦をねらっている。
ピックアップカード
聖望学園×能代松陽
■県大会をノーシード、第5シードで制した快進撃チーム同士の初戦対決
埼玉代表の聖望学園は13年ぶりに甲子園の舞台に上がる。初戦の相手は能代松陽(秋田)に決まり、10日予定の大会第5日の第2試合で戦う予定。両校とも粘り強く勝ち上がって、県大会の頂点に立ったチームだ。
聖望学園は、強豪ながらノーシードで県大会に参戦、Aシード2校を連続で倒した。特に決勝では本命とされていたセンバツ4強の浦和学院を1-0で完封勝ち、エースの右腕岡部大輝投手が見事な投球内容で好投、13年ぶり4度目の甲子園出場を決めた。
対戦する能代松陽もノーシードの5校が8強入りするという大混戦の県大会を第5シードから勝ち抜き、11年ぶりの甲子園出場を果たした。エースの右腕三浦凌輔投手は140㌔超のストレートなどを武器に、5試合をすべて先発。主将でもある田中元輝捕手の巧みなリードで守りからリズムをつくって勝ち抜いてきた。打線は5割超の田中捕手を中心に平均8得点。準々決勝からは先取点を許す展開を強いられたが、早めに逆転。決勝でもノーシードの秋田南に先制されたものの、前半で逆転して結局6-3で逃げ切った。
初戦の先発はエース・三浦投手が予想される。継投策なら2年生の右腕・森岡大智投手の登板もあるか。同校は能代北と能代商が2013年に統合してできた県立校。4度目の甲子園出場になるが、現校名では初出場なので、まず1勝という目標を持って初戦に臨むことになる。
一方の聖望学園の先発は成長著しいエース・岡部投手だろう。県大会で浦和学院のエース・左腕宮城誇南投手と息の詰まる壮絶な投げ合いの末に相手の強力打線を散発4安打に押さえ込んで完封勝ちした。マウンドでは「平常心」を貫くポーカーフェースのエースである。抜群の制球力と丁寧な投球術で、強打者であっても仕留めて得点を与えない。バッテリーを組む主将の江口生馬捕手と相手チームの打者分析も怠らないようだ。外野手も兼ねる左腕東山陽紀選手も控える。
打線は長打こそ多くはないけれど、打線に切れ目がなく、安打、盗塁、四死球、犠打などで塁を埋め、得点を稼ぐという攻撃力がある。7試合のチーム打率は3割3分台で 42得点。県大会では初戦以外の5試合は3点差以内の接戦を粘り強い試合で勝ち続けてきた。大舞台の甲子園でも「慌てず冷静に戦っていく」と江口主将は語っている。
初戦を勝つのは聖望学園か能代松陽か。どちらが勝っても2回戦では、優勝候補の大阪桐蔭とぶち当たる可能性は大である。大きな壁ではあるけれど、「日本一強いチーム」との対戦を体験すれば、それだけでもチーム・選手は計り知れない収穫を得られるのでは。両校に言えることだが、まずは初戦突破だ。
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関東勢の初戦の組み合わせ
第1日 日大三島(静岡)×国学院栃木(栃木)
第1日 明豊(大分)×樹徳(群馬)
第3日 天理(奈良)×山梨学院(山梨)
第3日 興南(沖縄)×市船橋(千葉)
第4日 三重(三重)×横浜(神奈川)
第4日 日大三(西東京)×聖光学院(福島)
第4日 二松学舎大付(東東京)×札幌大谷(南北海道)
第5日 聖望学園(埼玉)×能代松陽(秋田)
第5日 鹿児島実(鹿児島)×明秀日立(茨城)