準決勝 観戦記

浦和学院 10-5 花咲徳栄

 

◇24日 第1試合 県営大宮球場

花咲徳栄 000 301 100=5

浦和学院 001 012 33x=10

 

「決勝戦」並みの好カードに多くの観客が押しかけた

 

準決勝第1試合は埼玉を代表する強豪2校の対戦となった。最近の県大会では敵なしの浦和学院と夏にめっぽう強い花咲徳栄が準決勝で対戦するという好カードに、チケット売り場には早朝からかつてない長蛇の列ができた。内野席に座れず、外野芝生席にも人が流れるほどの「大入り」状態。

 

この10年間は花咲徳栄と浦和学院の2強が甲子園切符をほぼ独占していることもあって、この日の準決勝を実質的な「決勝戦」と見込んでいたファンも多かったのではないか。その試合への期待と熱気は開始1時間前から高まっていた。

 

エース同士がマウンドに上がった。浦和学院はスライダーなどの変化球に威力がある左腕宮城誇南投手、一方の花咲徳栄は右腕金子翔柾投手が先発。宮城投手は立ち上がりの初回に3連続四死球で二死満塁のピンチに立たされたが、無事にクリア。金子投手は2回を無安打に押さえて好スタートを切った。

 

先に動いたのは浦和学院。3回裏、游撃手と投手を兼ねるドラフト候補の3番・金田優太選手が一死1、2塁から右前タイムリーを放ち先制点を入れた。

 

■夏に強い花咲徳栄も2回の逆転で底力を見せたが・・・

 

4回表に花咲徳栄は2本のタイムリーで3点を奪って逆転。5回裏に浦和学院は再び金田選手のタイムリーで1点差にしたが、6回表に花咲徳栄は2年生の1番・斉藤海外野手が右ソロ本塁打を放ち、また引き離しにかかった。

 

それでも浦和学院はすぐに反撃。6回裏、9番・大内碧真内野手の左中間を抜く3塁打で2点を加え、4-4の同点に追いつく。すると、花咲徳栄は7回表に5番・前田空外野手が左ソロ本塁打を放って5-4として再び1点リードする。2回目の逆転劇で「夏に強い徳栄」の真骨頂を見せつけた。

 

一進一退の競り合いに浦和学院の打線が決着をつける。7回裏、主将の6番・八谷晟歩内野手が左翼スタンドに3ランを放って一気に流れを変えた。8回裏にも2番・伊丹一博外野手のタイムリー、金田選手の2点タイムリーで3点を加え、10-5とリードを広げると、そのまま逃げ切った。この試合で3回のタイムリーで4打点をマークした金田選手は、5回途中からマウンドにも上がり、終盤に2イ二ングを無失点できっちりと締めて、投打においてチームの決勝進出に貢献した。

 

投打で活躍した浦和学院の金田選手

 

花咲徳栄は日本のソロ本塁打を含め14安打を集めながら5得点にとどまり、一方浦和学院は8安打で10得点と効率的な点の取り方をした。この得点力の違いが5点差を生んだ要因ではないか。

 

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26日 決勝  

浦和学院vs聖望学園

 

■勢いある強豪・聖望学園は浦和学院の連勝を止められるか

 

最近1年は県大会では負けなしで連勝街道を突っ走っている浦和学院。決勝戦ではノーシードで勝ち上がってきた強豪・聖望学園と対決する。2年連続、15回目の夏の甲子園の舞台をねらう。

 

浦和学院の破竹の勢いはいつ止まるのか。埼玉県大会では2021年の春季大会以降、昨夏、昨秋、そして今年の春季大会まで4大会連続優勝して公式戦23連勝をマーク、そして今夏も6連勝で決勝に臨む。今夏も優勝すると5大会連続制覇で30連勝を記録する。

 

昨夏で勇退した前監督の父・森士氏の後継として就任した31歳の森大新監督が采配を振るようになってからも、昨秋、今春の県大会を制しており、この夏も優勝するならば3連続Vを達成、新監督で17連勝の常勝集団となる。「浦和学院史上で最強チームになった」と言うファンもいるほど。聖望学園が決勝で浦和学院を破ることがあるならば、13年ぶり4度目の甲子園出場となるのだが・・・。

 

2012年の夏の決勝では甲子園出場をかけて対決した。その当時の浦和学院の監督は森大監督の父である森士氏、聖望学園は岡本幹成現監督だった。結果は4-0で浦和学院が快勝している。

 

 岡本監督は「今度は息子さんである若い監督と戦うわけだが、万全な態勢で敗けないようにがんばりたい」と勝利後のインタービューに答えていた。浦和学院の連勝にストップをかけるのはノーシードの強豪・聖望学園なのか、それともスンナリと浦和学院の夏連覇、そして15度目の出場となるのか。147チームの頂点に立つチームは26日に決まる予定だ。

 

 

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