故郷の自治体から案内状
空き家・空き地バンク制度スタートで
先日、生まれ故郷(熊本)の市役所から固定資産税の納税通知書が送られてきた。
田舎の土地だから評価額は安くて、納税額は年間数万円。名義人として毎年しっかり納めている。
空き地の登録を案内するチラシ
今年は納税通知書の中にちょっと面白いチラシが同封されていた。
火事、不法投棄、近隣トラブルなど危険性をアピール
「空き家・空き地を放置していませんか?」というタイトルのチラシで、内容は空き家や空き地を放置しておくと、火事が発生したり、不法投棄の場所になったり、近隣トラブルの原因になったりします、だから放置しておくと危険ですよ、と訴えているものだった。
そして、チラシの裏には「空き家、空き地バンク制度が始まりました。」というお知らせがあった。
この制度は、空き家などの情報を市のホームページで公開し、移住や定住の希望者に紹介するというものらしい。登録できるのは宅地のみで、物件を賃貸、売買、利用したい人は登録が必要とのこと。
ただし、市は物件の情報公開、紹介はするものの、実際に交渉や契約を行なうのは不動産取扱業者。
市によると「利用希望の問い合わせに対し、登録物件が不足している」こともあって、さらに登録の呼びかけをしているようだ。
実は以前から田舎にある自分名義の田畑、山林、宅地などをどうしようか、と悩んでいたところなので、そのチラシに興味がわいてしまった。
名義変更を以前から息子に相談しているのだが、「売ったらどうか」と言うだけで、相続OKの返事はいまだにもらっていない。田舎の土地には関心がないのだろう。親族からはせめて宅地だけは残してくれ、とお願いされているので、売るに売れない。
このチラシは「九州外」に住んでいる固定資産税の納税者を対象に配布されたもので、私が九州内にある土地の名義人であること、その土地のある自治体には住民票がなく関東地区に住んでいることなどはデータベースから当然わかっているはずで、だからこそ「空き家・空き地バンクへの登録」を勧める案内を同封してきたのだろう。
自治体の目的は「空き家・空き地を有効活用し、定住促進による地域の活性化を図る」のがねらいのようだ。
バンク制度は全国200自治体を超える
こうした空き家・空き地バンクを設けて情報提供している自治体は全国で200を超えているという。
たしかに空き家・空き地は年々増えており、火事、不法投棄などの危険性、地域住民の不安、景観の悪化など新聞、テレビなどのマスコミでも社会問題としてクローズアップされてきている。
個人的にもこの問題には関心がある。
というのは実際に空き家・空き地を持った体験者であるからだ。
田舎の土地の名義人になったのは20数年前。父親がなくなって名義変更をすることになったのだが、調べてみるとすべての土地は祖父の名義だった。
専門家に手続きを頼んだものの、祖父からの孫への変更だったので、かなり多人数の親戚まで「相続放棄」のお願いをして実印を押した書面をもらうことが必要だった。まったく会ったこともない、また話したこともない親戚にまで手紙や電話をして、悪戦苦闘しながらなんとか全員からOKをもらい、名義変更することができた。
土地所有者となったのはいいけれど、仕事が忙しく毎年帰京することもできず、住人のいない空き家は親戚にまかせっきりで、そのうち廃屋同然の空き家となり、周辺には草が生い茂り、いまにも倒壊しそうな廃屋となってしまった。
ある時、区長(村の世話役)から「子どもたちが空き家に入って火遊びすると困るので、何とかしてくれないか」という相談が持ちかけられた。
家屋を解体、さら地にした経験がある
長年ほったらかしにして村に迷惑をかけてきたこともあって、数日後には「家を解体してさら地にする」と返事をした。「だったら、知り合いの業者に安くやってもらうよう頼んでみる」と区長も言ってくれたので、見積もりを取って年数のある古い家屋を解体してもらった。
更地にしてからは宅地部分と周辺の畑を整地して、地域の人たちにゲートボールのグラウンドとして使ってもらっている。
契約書ではお互いに半年前に申し出れば解除できると明記しているので、もしその気になればUターンして田舎暮らしもできるのだが、その可能性は現実的にほぼゼロに近い。
もう20年以上利用してもらっているから、少しは役立っているのかな。
結果的に住民の人たちが出入りするので「空き地の管理」も行われているわけで、少なくとも危険性のある空き地ではない。そういう意味では、「空き地の名義人」としては遠方にいても安心できるわけで、所有者としても恵まれているのかもしれない。
というわけで、故郷の自治体様へ
売買目的の登録は、住民の人たちが「わが空き地」を必要としなくなってからでもいいかな、と思っているところです。あしからず。

