だからもう目が離せない

新世代の一気呵成の台頭も

 

3横綱休場の異常事態で迎えた大相撲秋場所。初日から波乱の幕開けとなった東京・両国国技館は、それでも満員御礼で大盛況。

 

しかし、2日目に人気力士の大関・高安と前頭4枚目の宇良が土俵上で負傷し、車いすで運ばれるという緊急事態が発生、3日目から土俵に上がれず休場となった。

 

横綱陣に加えて、人気力士の休場は懸賞金にも影響し、両力士にかけられていた懸賞金の一部が取りやめとなってしまった。

 

3日目には、前頭・琴奨菊との立ち合いで横綱・日馬富士が力を抜いて琴奨菊の背中を叩いて待ったをかけたものの、一気に寄り切られた。その後、「待った」を行司にアピールしたが、両方が手をついたので成立したと判断され、アピールは認められず初黒星となった。あれを認めたら行司への不満も出ただろう。この負けが影響したのか、4日目も北勝富士に敗れて2連敗。

 

600勝の琴奨菊が初金星、そして殊勲賞も?

 

幕内勝星600勝になろうとする琴奨菊にとって、日馬富士戦の1番が初金星となった。カド番とはいえ大関2人と1人横綱を倒したわけで、勝ち越せば殊勲賞の資格十分。大関陥落後はギリギリの勝敗続きでも強いときは自力を発揮するタイプなので、久々の優勝もありかも。

 

日馬富士の5日目の対戦相手は、いま1番勢いのある前頭3枚目の阿武咲。入幕後2場所連続で2ケタ勝ち星をあげている21歳の伸び盛りの力士だ。もし、負けるようなことになったら優勝に黄信号が点滅する危機だ。注目の1番であることには間違いない。

 

1年ほど優勝から遠ざかっている日馬富士。ここから連勝街道まっしぐらと行きたいところだ。

 

大関・豪栄道は調子を上げてきた。2016年にカド番で全勝優勝を飾っており、ゲンのいい同じ秋場所で優勝の再現もあるか。

 

波乱があれば平幕力士の優勝

 

まだ、優勝予想は早いけれど、波乱があるとすれば平幕力士の優勝だろう。

 

星取表を見ると、異例の傾向を読み取ることができる。

 

たとえば、横綱から小結までの幕内上位力士の勝敗を合計すると、10勝21敗と大きく負け越している(休場は除く、不戦勝、不戦敗は含む)。

 

前頭上位の勝ち星が上回る珍事

 

一方、前頭筆頭から前頭5枚目までの力士の勝敗を同じような条件で合計すると、23勝12敗と逆に大きく勝ち越している。このような極端な星取表はほとんど記憶にない。これは、新世代の成長株たちが、そろって前頭上位に番付を上げてきたことを証明しているものだ。

 

もし、平幕優勝があれば2012年5月場所で、12勝3敗で優勝した前頭7・旭天鵬以来約5年ぶりとなる。

 

幕内上位の序盤戦の注目力士

横綱   日馬富士  ○○●●  連敗止め連勝に期待するが

大関   豪栄道   ●○○○  カド番で全勝優勝の経験有 

 

前頭西1 琴奨菊   ○○○○  初の金星、久しぶりに好スタート

前頭東2 北勝富士 ○●□○  幕内勝率5割7分強の新鋭成長株

前頭東3 阿武咲   ○○○○  21歳、入幕から2場所連続2ケタ勝利 

前頭西3 千代大龍 ○○○○  先場所10勝5敗 5日目は豪栄道戦

前頭東5 正代    ●○●○  期待の新世代 連勝する力はある

前頭西5 貴景勝   ○○○●  勢いある21歳、幕内勝率5割7分

注 □は不戦勝

 

大波乱があるとすると・・・ こんなケースも

・平幕力士の優勝

・平幕力士の全勝優勝

・2力士以上の優勝決定戦

・カド番大関の優勝

・4横綱全員休場場所へ

・21歳での優勝

・11勝4敗での優勝

・前頭上位組の勝ち越し続出

・小結、関脇、大関、横綱の合計勝率5割切る

・前頭筆頭から5枚目までの合計勝率5割超える

 

 など。

あくまでも勝手な予想ですから・・・。