高校通算110号 打撃陣、復調の兆し

 勢いつけてスーパーラウンド勝ち抜く!

 

U18W杯の日本代表は、第5戦で南アフリカと対戦し、12-0で圧勝した。4回裏に清宮に待望の1発が出て、打線も10安打と復調の兆しを見せた。

 

投手陣では三浦が先発、5回を3安打無失点で毎回三振を奪う好投を見せた。清水も打者6人に3奪三振で最後を締めた。

 

第4試合目のオランダ戦で3-1と勝利し、スーパーラウンド進出を決めていたが、南アフリカに初のコールドゲームで圧勝したことで、決勝進出に向けて弾みがかかりそうだ。

 

激戦必至 強敵はアメリカと韓国

 

日本代表のいるB組からはアメリカ、日本、キューバの3チームがスーパーラウンドに進出、A組から進出する韓国、オーストラリアなど3チーム、計6チームによる優勝争いとなる。

 

 

日本、12-0 7回コールド勝ち            

南アフリカ 0000000  0       

日本        016122× 12      

 

本塁打 清宮1号、2塁打 安田2 丸山1 清宮1 井上1

 

                   投手成績

    回数  打者 安打 本塁打 三振 四死球 失点 自責点

三浦   5  20  3  0  7   1   0   0

櫻井  1/3      4  0  0  0   3    0   0   

清水  12/3   6  0  0   3   1    0   0 

 

 投手陣も好投、3安打無失点 

 

第5戦の南アフリカ戦では、2回裏に1死3塁から7番・増田が犠牲フライで1点を先取した。

 

3回裏には、9番・鯨井が3塁の悪送球で2塁まで走る。ここから1番・丸山、2番・小園、3番・安田、DH・清宮、5番・井上と5連続安打をたたき、さらに増田のタイムリーヒットで6得点の猛攻、7-0と大差をつけて、早くもコールドゲームの雰囲気に。

 

結局、1回を除いて毎回得点をあげ、12-0で7回コールド勝ち(7回10点差以上でコールド)

 

対戦相手の南アフリカは、投打もそうだが、守備面での弱点が多すぎて、他のチームと比べてもレベルの差ははっきり。エラーは7つと記録され、とくに捕手がボールをこぼすシーンが目立った。日本戦も含めてこれまで4試合すべてにおいて対戦相手に2ケタ得点を許しているのも守備面に問題があるようだ。

 

1番~5番出塁率6割超え、長打力も発揮

 

これまでの試合は2年生の小園、藤原などの脇役打線が好調だったが、南アフリカ戦では3、4、5番の中軸トリオが10打数5安打4打点、しかも清宮の本塁打を含め2塁打4本と長打力も発揮し、勝利への原動力となった。小園は絶好調で4打数3安打2打点、打率は5割に乗せた。

 

南アフリカ戦は、1番から5番までの出塁率がなんと・636で6割を超えた。22打席のうち安打9、四球5という内訳だ。レベルの違う相手とはいえ、本来の打撃陣の底力を垣間見せた内容だった。この試合が打線の回復のきっかけになれば、スーパーラウンドでは投打のバランスもとれて韓国、アメリカの強敵相手でも互角に戦える。

 

投好守走 手を抜かず

 

当然、試合前から勝利は予想されていたけれど、日本代表は投攻守、そして走においても手を抜くことはなく、スーパーラウンドを見据えたゲーム展開を見せてくれた。

とはいっても、打撃陣は本来の姿にはまだ戻っていない。

 

本塁打は、初戦のメキシコ戦の井上と、南アフリカ戦の清宮の一発の2本だけ。木製バット、国際ボールの使用などに要因があるとも思えるけれど、各チームとも条件は同じ。いかに早く感触をつかみ、自分のタイミングに合わせられるかだろう。

 

 清宮、「打った瞬間に入ったと思った」

 

清宮の本塁打を打ったフォームはのびやかで、日本での本塁打のイメージと重なり合ったのだが・・・。ベンチに帰ってからの応援の声出しの笑顔にも清宮の「らしさ」も感じられた。

 

試合後のテレビインタビューでも「点を取って終わったのでいい内容。みんなの声も出ていい雰囲気になってきた。昨日から自分の形ができてきたので、打った瞬間は入ったと思った。これから負けられない試合が続く」とインタビューの画面からも自信と勝利への執念が見えた。

 

5回無失点で力投した三浦投手は、「今日の試合でスライダーも通用すると思った。目標は優勝なのでそれに向かって一戦一戦を勝ち上がっていきたい」と語った。

 

小枝監督「目の前の試合を取っていく」 

 

 小枝守監督は、「少しずつ打撃が上がってきた。持ち味が出せた。清宮の本塁打はいい当たりだった。投手の三浦はコースコントロールができていたし、清水もボールが走ってきた。スーパーラウンドでは、それぞれの選手の色、個性を出して目の前の試合を取っていく」と強い意欲を語った。

 

決勝、優勝への道は厳しいけれど、可能性は・・・ある。