防衛省最高幹部2人が稲田防衛相と刺し違え
安倍内閣の支持率が急落するなかで、稲田明美防衛相がようやく辞任した。8月3日に予定されている内閣改造を待たずに、追い込まれての辞任だ。防衛省の事務次官と同陸幕長が同時に辞表を出し、稲田防衛大臣と刺し違えた形となった。
自衛隊員や部隊を守るために、最高幹部として辞表を出した2人にとっては、気の毒な退任だった。日報問題や国会答弁、都議選の応援での失言など「無能な防衛相」、「史上最低の防衛相」などの烙印を押され、自衛隊員の士気にも大きな影響を与えたことは言うまでもない。
国を守る、自衛隊を守るという点において、2人の最高幹部は防衛相よりはるかに意識が高かったと言える。
日報問題は玉虫色、なぜ稲田氏は満面の笑み
結局、日報問題についての隠蔽(いんぺい)の有無は玉虫色の結論となった。「大臣に裏切られた気持ち」という隊員たちの心情に稲田氏は何を思うのだろうか。テレビ画面でマスコミ陣に囲まれて、満面の笑みをを見せて歩いている稲田氏を見たとき、「辞任したのに気持ち悪いなあ」と感じた人も多かったのでは、と直感した。
安倍首相の"秘蔵っ子"として上り詰めてきたけれど、今後閣僚どころか議員としての出番も少なくなる。
さて、内閣改造問題である。第二次安倍内閣では、女性の登用が目立った。また、「女性の活躍」を政権のアピール材料にしてきた。ところが、小渕優子経産相が政治資金問題で、松島みどり法相がうちわ配布問題で小淵氏と同日に辞任。最近では秘書へのパワハラ問題で豊田真由子議員が自民党を離党。
さらに言えば、自称"家庭内野党"の安倍昭恵夫人も森友学園問題への関与が追及されるなど、あちこちでの活動が騒がれた。安倍首相の腹心の友である加計学園の代表もこれほど疑念を持たれているのに雲隠れして、会見もしていない。
大胆な改造?奇策はあるのか
男性の閣僚、議員のなかにも承知の通り、暴言、方言、失言する先生たちが続出し、内閣支持率の低下の一因にもなった。また、国会の答弁でも「記憶がない」を連発、記憶力では小学生にも劣る議員や官僚がこんなにも多いのか、とがっかりしたものだ(笑)。
今度の内閣改造では、国会答弁を口先だけでごまかさない信用できるトップや閣僚を揃えてほしい。でも内閣改造だけで一度失墜した「信用」「信頼」を取り戻すことは不可能だろう。奇策もないほど「信用度」は落ちているのである。たとえ。麻生太郎副総理、菅義偉官房長官、二階俊博幹事長の3人の「留任なし」の大胆改造でも、V字回復は難しいようだ。
最近、北朝鮮のミサイル発射に関して安倍首相は、「高度の警戒体制で国民を守る」と強調しているけど、北朝鮮の脅威に目を向けさせて、新内閣への期待を高めようとしているのでしょうかね。考えすぎだよ、と言われそうだがー。