視聴率好調もうなづける

 

NHKの朝ドラ「ひよっこ」の視聴率が好調だ。朝日新聞の「TVランキング」によると、先週分は21.4%でもちろんトップ。悔しいけれど毎朝見てしまうほどのファンになってしまった。いま一番気になっているのは、茨城から東京に出稼ぎに行って失踪した父親はどこで何をしているのか、ということである。

 

「お父さん・・・」と呼びかける主人公のナレーションが好きだ。有村架純が演じるみね子は、なにかあると失踪した父親に向かってそのようにつぶやく。先週は「お父さん・・・、私の恋は終わりました」とつぶやいて終わった。

 

そして今週のサブタイトルは「運命のひと」。えっ、別れてすぐに新恋人の出現?と視聴者に思わせておいて、実はそうではなくて人気女優・川本世津子役を演じている菅野美穂がその「運命のひと」らしい。みね子が勤めているレストランに来たときから、その人気女優は茨城弁を話す素朴なみね子に関心を持っていた。

 

魅せる菅野美穂の演技力

 

最新の放映では、その人気女優と同乗した車のなかで、みね子は父親が失踪していることを打ち明ける。「背が高くて・・」と言いながら、写真を取り出して見せようとする。すると、人気女優は写真を見る前に何かを察したような表情をする。その一連の演技で失踪した「みね子の父親と関係があるな!」と視聴者は感じたはずだ。

 

NHKの朝ドラの主役はオーディションで選ばれる。しかし、この「ひよっこ」では、脚本の岡田恵和氏が「みね子役は有村架純さんで」と指名して決まったもの。原作本があるわけでなく、オリジナル脚本なので、視聴者はどういう展開になるのか予想しづらい。

 

気になるのはみね子の父親の失踪のその後である。脚本家は物語を展開するなかでヒントとなる布石を打ってくれている。

 

たとえば、その時代(高度経済成長期の1960年代)の東京ではスリが多発していたこと。ある労働者を殴って給料を奪ったこともあると白状した男(スリ)がいたこと。しかしその何かで殴られた労働者は病院に運ばれた形跡がないこと。行方不明になってから、父親と連絡が取れないこと。あの真面目な父親が家族を裏切って、勝手に失踪するはずはない、と考えるのだがー。

 

予想される「記憶喪失」?

 

いろいろなヒントを重ねていけば、「記憶喪失」という結論にしかたどり着けない。記憶をなくしているので、自分の家もわからず連絡もできない。しかし、生存している可能性は強いわけで、そうすると殴られたあとに誰かに救われて、自宅などで保護され、面倒を見てもらっているのか。

 

ここからはあくまでも勝手な予想である。

では、誰が面倒を見ているのか。みね子の父親は長身でいい男である。うしろに女性の存在があってもおかしくはないだろう。そこで、つながる相手として浮上してくるのが、菅野美穂演じる人気女優・川本世津子である。恋人、同棲、結婚という形でなくても、間接的にどこかで関係しているのではないか。

 

また、このドラマは茨城の山間から集団就職で上京した少女(みね子)が成長していく過程を描いたもので、新たな進路(女優?)にもその人気女優が関与してくるのではと予想する。これも勝手な予想にすぎないけれど。たとえ間違っていても、こういう想像をしながら見るのも楽しみ方のひとつだろう。

 

菅野美穂は岡田恵和氏の脚本作品の多くに出演している。岡田氏がその演技力などを高く評価しているからだ。その女優をチョイ役で起用するわけはない。この朝ドラでも重要なキーマンになっているはずだ。

 

多くの視聴者の間では父親の「記憶喪失」が予想されているのだが、いつどういう場面でみね子と対面するのか、そして記憶は戻るのか、戻るとしたら何がきっかけになるのだろうか、それもまだわからないけど。

 

いや、「記憶喪失」ではなかった、ということもあり得るのかも。ああ、結局は最後まで見なければわからないのでしょうねー。