早実・清宮幸太郎選手が西東京大会の初戦に2ラン本塁打を放ち、高校通算最多本塁打107本にあと3本と迫った。試合は、早実が南平(みなみだいら)に9対2で8回コールド勝ちした。
このままチームが順調に決勝戦まで勝ち抜いていけば、あと5試合はあるわけだから、最多本塁打の記録を塗り替える可能性は十分にある。
早実に2つのチャレンジを見た
この試合をみると、早実は少なくとも二つの大きなチャレンジをしているように感じた。ひとつは得点の取り方だ。
破壊力抜群の早実打線は、怪物スラッガー・清宮と、1年生から4番を任されているまれにみる強打者・野村大樹選手を中心に打ちまくるイメージが強かったが、この試合では無駄のない効率的に得点するケースが目立った。
たとえば、早実の安打数は対戦校と同じの8本どまり、それなのに結果的には7点差のコールド勝ち。さらに言えば、7回までは南平の安打数が2本も上回っていたのである。1回に大量点を奪うというケースはなく、毎回のように得点を稼いで最後はコールド勝ち。早実の強さを感じてしまう。
投手に転向、捕手に転向の2年生バッテリー
もうひとつの大きなチャレンジは、春まで正捕手だった雪山幹太選手が先発投手として登場し、8回2失点で完投したことだ。、早実は投手陣の弱さが指摘されていただけに、公式戦初登板でのこの快挙は収穫だろう。また、内野手が本職で4番を打つ野村選手が捕手として先発メンバーに入った。雪山投手、野村捕手いずれも2年生で、早実のこれからの最強バッテリーとしても注目されるだろう。
早実と南平の3回戦は、ダイワハウススタジアム八王子で行われた。予想通りの入場者数で、内野席は満席、外野席も開放され6、7割ほどは埋まっていた。、観客数は5000人を超えたと発表された。
プロカメラマンも外野席で「瞬間」を追う
報道陣も殺到。外野席には「報道 カメラマン」のスペースも設けられ、右翼外野席のなかだけでも20人近くのカメラマンが望遠カメラなどで「その瞬間」を狙っていた。おそらく清宮の初戦2ランのシーンはスポーツ紙などの明日の朝刊にも掲載されるはずだ。
マスコミは現金なもので、人気者や話題性のある人物を追っかけることには、しつこいけれど、媒体に載せるほどの話題性、ニュース性がないとみるとシビアになる。早実と南平戦が終わると、サッサと三脚や望遠カメラを片づけて、その取材エリアから立ち去った。そして約10分で全員がいなくなってしまった。でも次の仕事もあるわけで、それも理解できる。
観客席もゾロゾロと球場を去り、内野席もガラガラとなり、普通の地方大会の1回戦のような雰囲気に球場はなってきた。グランドでは次の試合の両校の選手たちは、大きな声を出しながらウォーミングアップを始めている。彼らも甲子園をめざして日々、練習を積み重ねてきたに違いない。悔いのない試合をするでしょう!