娘が3年間通った中学校を卒業する日がやって来た。
この日おいらはPTA会長として祝辞を披露することになっていて、悩み考え抜いた文章を内ポケットに忍ばせて参列した。
来賓席に案内されたおかげで、娘が校長先生から卒業証書を受け取る姿を間近で見届けることができた。
来賓祝辞が始まると徐々に緊張も高まり、ボルテージが最高潮に達した時、ついにおいらの出番がやってきた。
「祝辞」
卒業生の皆さん、そして保護者の皆様、ご卒業おめでとうございます。
生徒たちが無事中学3年間の学業を修め、この◯◯中学校を巣立っていく今日の良き日を迎えられましたのも、日々熱心にご指導くださった校長先生を始め、諸先生方のおかげと深く感謝しております。
また、ご臨席賜りました◯◯長を始め、ご来賓の皆様方には、日頃の本校へのご支援に対し、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
そして保護者の皆様、15年間これほどまでに立派に育て上げられ、本日義務教育修了という大切な節目を迎えられましたこと、心よりお慶び申し上げます。
さて、卒業生の皆さん、皆さんのたくさんの思い出が詰まったこの◯◯中学校は今年で創立70周年を迎えます。
皆さんのお父さん・お母さんの中にも、本校の卒業生がたくさんいらっしゃると思いますが、同時に同窓会も発足50周年を迎えます。
卒業生の皆さんは、その輝かしい伝統と歴史が詰まった◯◯中学校の1ページに名前を刻むことになります。
私も卒業生のひとりですが、こうして皆さんの前でお話しさせていただくのも、本校でPTA活動に携わり色々な経験を積ませていただいたからに他なりません。
PTA活動も私一人の力では何もできませんでしたが、保護者の皆様や教職員の先生方、そして生徒の皆さんに支えていただき、たくさんの活動と実績を残すことができました。
そこで本日は、会長就任の際にも触れましたが、私のモットーでもある「謙虚になる」ための心得を卒業生の皆さんに紹介させていただきたいと思います。
謙虚とは、控えめ・素直という意味ですが、一言で謙虚になるとはいうものの、実践するのは難しいと感じるかもしれません。
傲慢や横柄な態度は謙虚さに欠けますが、かといって控え過ぎて隅っこで小さくなっていては何事に対しても成長は望めません。
皆さんは4月から高校生活が始まると思いますが、初めて会うクラスメートと良好な人間関係を築くためには謙虚になることがとても有効な手段です。
周囲の人に思いやりをもって接し、相手と同じ目線で接することができる人の周りには自然と仲間が集まってきます。
ですが勘違いしないで欲しいのは「みんなから好かれたい」と思う気持ちと謙虚であることは違うと言うことです。
誰からも好かれようとすると嫌われないように話を合わせたり、場の空気を乱すような発言は控えて、本当の自分を出せずに気まずい思いをしてしまいます。
好かれることを目的にしてしまうと、言葉や行動が萎縮してしまって、あまり良い印象を持たれないことがあります。
誰かに好かれるということは、コミュニケーションを取ったり、一緒に過ごした結果この人となら「気が合うかも」「仲良くなれそう」と思う訳で、好かれるかどうかは結果論なのです。
最初から自分を出すことは怖いかもしれませんが、他人に流されず自分という強い心を持って、謙虚になることを心掛けてください。
大人であっても謙虚な心を忘れてしまうと、つい他人のことを見下してしまうことがあります。「余計なお世話だ」とか「参考程度に」という姿勢で会話されては、相手との仲も深まりませんよね。
また、謙虚な人は周りの存在を大切にしています。それは今の自分が在るのは、周りの人の支えがあったからこそという感謝の心を持っているからです。
皆さんも親の愛情、友達の扶助、先生の教育などがあって、今の自分がいるということをいつまでも忘れないでいてほしいと思います。
驕らず、いつまでも謙虚でいることが更なる成長につながり、人間関係を円満に築ける秘訣だと思っていますので、参考にしていただけたら幸いです。
それでは卒業生158名の健やかな成長と、今後のご活躍を陰ながら応援しています。
結びに、これまでPTA活動にご支援ご協力を頂きました保護者の皆様に改めて感謝を申し上げると共に、今後は地域の住民として、引き続き境第一中学校のご支援をお願い申し上げ、私の挨拶に代えさせていただきます。
本日は誠におめでとうございました。
平成29年3月10日
PTA会長 ◯◯ ◯



