うえしまクリニック サポートプログラム【57】さよならオーリンズ君。 | 「うえしまクリニック」〜縁の下の整体師〜

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20年弱、サスペンションとセッティングに明け暮れて、いつの間にやら職人と呼ばれるように。

コンプリートセットアップしてこそクルマは変わります。

2022年9月。フリーランスとして起業しました。
足回り調整屋さんです。


今回のサポートプログラムご利用は、兵庫県の紺色くん。

紺色くんとは、別名オーリンズ君だ。


NA8 マツダスピードB spec STAGE1。

うえしまクリニック オーリンズ改で、クリニック勢でのALT最速29秒6を叩き出した。


それからも彼は「タイムも大事ですけど、ボクは乗りこなしとセッティングの知識を手に入れたい」との事で、
それからは自分なりにアレコレと触って走らせ試すの繰り返しをして楽しんでいた。


先月、突然連絡が入る。

その事は彼が挙げたブログに詳しい。


「11年使ったオーリンズ、とうとうオイル吹いちゃいました。。急いでオーバーホールしないとです。」

なんだか落ち込んでる様子だが、そこまで使えたら御の字じゃないのかなと思ったうえしま。

正しく組み上げたクリニック式だからこその長寿命だね。

まぁ、特にこの半年以内の彼の車の動きを見ていたら、もう抜けは始まってる感じだったので「オーバーホールしなよー」とは言っていた。

このオーリンズが初めての車高調だったオーリンズ君は、ついつい使い過ぎてしまったようだ。

まぁ、コレも良くあるよね(笑)誰もが通る道だ。

「オーバーホール。どのように進めたら良いですか?」




「うーん。まぁオーバーホールも良いんだけどね。現状とこの先の事を考えるとさ、

・レートアップ
・全長式車高調への移行

もしてみたらどう?

キミの走りとクルマの仕様なら、もう少しレートアップしたほうが良いと思うんだよね。もっと走りが自由になるよ。

で、

確かにオーリンズPCVは名作ダンパーなんだけどねじ式。

車高バランス変更の為に全長を調整する為にはイチイチダンパー取り外してバラしてカラー合わせ作業が必要だよね。しかもその範囲も限られてる。

それから、レートアップするならロッドカットとかしてショートストローク化した方が安心。

柔いヘルパー挟むって技も有るけど、PCVの場合には車高調整のネジがあまり切ってなくてさ、皿を下げる方向の範囲が狭いんだよね。

なのでそれをするとネジ部の距離が不足して詰むってコトもあるんだ。

そうすると、【オーリンズPCVでアレコレ試すのはあまり向かない】となる。

今回「壊れちゃったダンパーをオーバーホールと仕様変更」となると、最悪20万くらいの費用が掛かって、尚且つバネ代やアッパーマウント代も追加になりそう。

それに、

キミは現在、色々試してみて仕組みを勉強したいって感じだよね。それはとても良い事。

となれば、一旦そのオーリンズは保管しといてさ、
他の【キミが要求するスペックを満たした車高調を買ってアレコレ試す】のが良いんじゃないかな?

その新しい車高調で心ゆくまでアレコレ試すと、「自分なりベストなダンパー寸法」とか、
「自分なりベストな減衰やスプリングレート」とかが見えてくるハズ。

その頃にはきっと新しい車高調もオーバーホール時期になるから、
その時に保管していたオーリンズを、キミだけのワンオフ仕様でオーバーホールと仕様変更のオーダーをして返り咲きすればどうだろう。

車高調はね、満足行くまでに最低3本てのが定説。なので「とりあえず勉強の為の2本目」を新しく買ったら?

例えばブリッツ改とかなら、現在キミが必要なスペックは全部入ってる。

うえしまのノウハウなら、新調にそこまでコスト掛かんないし。

ってここまで話しといてナンだけど、どーするかはキミがキメるさ。

1.イカれたダンパーをオーバーホールして、元通りぽくする
2.新しく2本目を買う
3.オーリンズに拘って、レートアップと仕様変更掛ける

どれも正解。どれにするかは自由だよ。でも、1を選んだとしても現在のセッティングでは元通りにはならないよね。ダンパー性能が回復するから。

ま、オッサンはどれを選択しても手伝うからサ。」


そんな話をじっくりとして、判断は任せた。


考えた末に彼は決断。

よし。ではヤりますかね。



部品を手配して、検品して組み直し。

NA/NBロードスター用 うえしまクリニック ブリッツ改だ。

クリニック安脚改の中でも、コレはモータースポーツ向き。なのでなるべく機械式LSD推奨。

彼の車輌には既に装備されてるので問題無い。

彼がこれまで使っていた【オーリンズ改】もうえしまの作なので、寸法は判っている。

なので、そこから変更しても違和感があまり無いように予め【暫定車高バランス設定】もして兵庫に送った。

届いたらそのまま取り付けて試して、そこから彼がすぐに煮詰めが始められるようにとね。


無事届いたようだ良かった。

彼はどこかのお店で取り付けのみして貰うとの事だった。





『ポン付けでココまでの仕上がりはスゲェ』

お、良かった伝わったか。

うえしまのノウハウの蓄積があるからこその、紺色くんに対してベターな暫定セッティングが出来る。

脚の人ではなく、セッティングの人。

紺色くんにも言われた、うえしまの真骨頂だ。


紺色くんには、自力でコツコツやりたい弟くんが居て、彼の苦労も見ているからこその感想なんだろうね。

こうやって理解して貰えると、本当に嬉しいなぁ。

さて、コレから紺色くんの『楽しい試行錯誤』が始まる。

今までやれなかった勉強が出来る様になる。

きっとこのブリッツ改を糧に、彼はさらに成長するに違いない。

「困ったら相談に載るからね」と伝えて、今後もうえしまは彼を見守るつもりだ。


ただ、一つだけ残念なのは、

うえしまが命名して慣れ親しんだ【オーリンズ君】の名前が使えなくなったコト(笑)

コレだけはとても残念だ。

今後は紺色くん。もしくはブリッツくんだね(笑)


おしまい。



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