マイナスをゼロに。高性能は人に優しい【106】新車以上の1001へ。 | 「うえしまクリニック」〜縁の下の整体師〜

「うえしまクリニック」〜縁の下の整体師〜

20年弱、サスペンションとセッティングに明け暮れて、いつの間にやら職人と呼ばれるように。

コンプリートセットアップしてこそクルマは変わります。

2022年9月。フリーランスとして起業しました。
足回り調整屋さんです。

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「おひさしぶりです。」

と、現れたのは愛知のく ま  さん。

実はく まさん、昨年10月に一度クリニックに来ていた。

「昔NA6に乗ってました。改めてロードスターに乗ろうと、M2-1001を買いました。
  極上車を気張って買ったんですが、なんだかしっくり来ないので診てほしい。そして、ヨシムラ号にも試乗してみたい。」

と。

その時にお話し、試乗を終え、また連絡くださいと伝えておいた。

く まさんは、レクサスをポン買い出来るほどの立派な方。買った1001は、そりゃもう極上車だ!

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ドコにも24年経った劣化は見られない。殆ど新車だ。素晴らしい。

M2-1001と言えば、マツダのベンチャー起業「M2」が最初に送り出したNA6ベースのコンプリートチューニングカー。

東京のM2本社で抽選。300台のみの限定車だった。

ざっくり普通のロードスターとの違いは、

・専用塗装
・専用アルミロールバー
・専用メーター
・専用内装
・専用シート
・専用ステアリング
・専用ホイール
・専用バンパー
・専用ミラー
・専用アンダーパネル
・専用デフクーラー
・専用チューニングエンジン
・専用フライホイール
・専用強化クラッチ
・専用タコ足
・専用コンピューター
・専用マフラー
・専用機械式LSD
・専用強化アッパーマウント
・専用ショートケースダンパー
・専用強化スプリング
・専用強化ブッシュ(部分)

と、専用だらけ。

M2最初のコンプリートカーは、もう本当に力を入れて作っていた。

恐らく、M2代表の「立花さん」が思う、「俺の理想のロードスター」を具現化したモデルだろうと思われる。

そんな、マスプロの商品ではなく「作品」がM2-1001だった。

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うえしまも当時憧れたよね。

勿論23歳のガキが買える訳が無く、雑誌記事を読み漁り指を咥えて見ていた。

とうとう1001を手に入れる事は出来なかったが、それの「従兄弟」のようなヨシムラMCLロードスターを手に入れる事になるとは思いもよらなかったが。

今回、く まさんの依頼を「本当の1001の姿を知りたい」だと解釈したうえしま。

スーパーノーマル仕様に整える事にした。

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「スーパーノーマル仕様」という事で、うえしまが変更をしたのは3箇所。

・性能の低いNA純正スタビリンクから、純正等長ピロスタビリンクみっどリンクへ。

・ドラポジ調整の為にステアリングボススペーサー

予めく まさんがシートをM2純正から、エスケレートのフルバケに替えていたので、

シートポジション調整用のワッシャ

このたった3点のパーツ導入により、1001のノーマルのネガは解消されて、より真の姿で乗れると予想した。


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さて、「スーパーノーマル化」だ。

・シートポジション調整
・フルブッシュ1G締め直し
・みっどリンク取り付け

そして、伝家の宝刀

実走現車合わせアライメント。


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そもそも程度の良いく ま号。

一度業者にアライメントを依頼し、数値的には揃っていた。85点くらいは付けられる「結構良い設定」だった。

それを、うえしま流の「人馬一体」仕様に変更。

全てが仕上がり、く まさんにハンドルを返す。

「・・・調整だけで、まるで違うクルマのようですね。」

言葉を失う。という形容詞がピタリとハマる反応に、うえしまニンマリ。



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全ての不具合や無理無駄が消え、素直になった1001は、とても素晴らしく気持ち良いマシンになった。

その仕上がりにうえしまも感動。

当時憧れた1001は、憧れた通りの「格別のコンプリートチューニングカー」だった。

普通のロードスターに対し、

・大人かつスポーティな乗り味
・一回り上の高級なマシン
・アクセルを踏み込んで楽しみたいアドレナリン湧くマシン

となっていた。

素晴らしい。さすがM2。

こんな貴重な経験をさせてくれたく まさんには本当に感謝しかない。


く まさんのインプレは、上記のリンクを踏んで貰えば読める。

驚嘆と感動が、ありありと伺える。

お互いにとても嬉しい一日となったようで、とても満足なうえしまであった。

おしまい。