うえしまの手掛けた車高調には「改」の字を付けて勝手に呼んでいる。営利目的じゃなく、ただ単にうえしまが手掛けた印として呼んでいる。
「うえしまクリニック ○○改」ってカンジだ。
そもそものベースダンパー(吊るし車高調)を改良、調律しているからだ。
うえしまが自分のクルマ用に、MJ-club worksさんご協力を仰ぎ、寸法から減衰からスプリング構成まで全て拘って製作した
「うえしまクリニック/MJ-club works spec.M車高調」だけ、改の字を付けていない。
これは「チューン」じゃなくて「ビルド」だからだ。
で、なぜ偉そうに「改」などと呼べるのか。
うえしまの拘りは、「吊るし仕様を弄って発生するネガを殆どゼロのまま、性能をユーザーの望み通りに改善するから」だ。
それなりに足回りを触っている人しか判らないだろうが、拘っているポイントを挙げてみよう。
・スプリングを交換しても、ダンパーロッド長を上回る「最大許容作動長(有効ストローク)」のバネを選ぶ。
これにより「縮ませ過ぎ」でスプリングを経たらせたり曲げたりというバネの破損リスクを回避できる。
・バンプラバーは必ず組み込む。
路面の悪い一般道を走らせる場合、必ず想定外の大入力はあるモノだ。バンプラバーを撤去せず残す事によりダンパーの破損リスクを回避出来る。
・ダンパー自体には手を加えない。
万一のアクシデントで脚を片側とか失う事があっても、市販そのままのダンパーなら復旧が安価で容易だ。
・全ての部品構成を、安価でかつ、通販で入手出来るモノでまとめ上げる。
一点モノは「ぼっち」だ。高価な専用品は供給先が無くなったらオシマイだ。
永く愉しめるようにわざわざ安価で手軽なモノを選んでいる。
・街乗りからサーキット遊びまで、オールインワン発想。
毎月サーキットに行く人でも、年間353日は街乗りだ。いちいち脚を替えてまで対応するのは大変だろう。
365日「快楽の走り」が出来なくては改良とは言えないと定義する。
・見た目も諦めない。
脚を替える目的はまず見た目。性能の為に見た目を諦めるなんてしない。
必要があれば、ベースダンパーを新調したり付属部品を替えてでも、それを達成する。
・車高前後バランス/減衰調整の基準値を提示する。
弄った脚で困るのはコレだ。一体どこを基準にすれば良いか判らない。
長年の経験から、うえしま自身がベターな仕様にとりあえず仕立てる。
それによりユーザーは、その基準から「調味」すれば良く煮詰めがラクチンだ。
・必要不可欠な部分は必ず1G締めなど丁寧に組み付ける。
ただ組み付けるのと、丁寧に組み付けるのとは、意外に体感が違うモノだ。
無用なテンションが、評価の妨げにならぬよう、うえしまは汗をかく。
・実走でアライメントが適合しているかチェックし、必要があれば補正する。
数値が揃っていたとしても、個別の仕様によっては、ストライクゾーンでは無い事が良くある。
うえしまが実走し、手直し出来る程度のズレなら補正。
どうにもならないくらいズレているならアライメント業者に出す事を促す。
せっかく改良した脚ならば、完全な状態で評価したいだろう。
ここまでで、実は氷山の一角。足回りは多数のモノが関連して仕上がっている。
ここに挙げたモノ以外も含め、とりあえずコンプリート仕様にしたモノに対して「うえしまクリニック ⚪︎⚪︎改」と呼ぶことにしているのだ。
なので、車高調単品ではうえしまクリニック脚ではない。
この辺り誤解しないでいただきたい。
そんな中で、うえしまが乗っているロードスター(NA/NB型)については、今まで数十件のデータが取れた鉄板の脚がある。
「うえしまクリニック ストリートアドバンス改車高調」
乗り心地重視でサーキットでも遊べる「快適脚」。
「うえしまクリニック FLEX改車高調」
「うえしまクリニック MJ-club works spec.M車高調」
ギリギリ街乗り出来て国際コースでも機械式デフが要らないように設定したツインスプリング車高調。
スプリングを変えればドシャコも可能な柔軟性。
「脚マニアの為のハイレベル車高調」
この3種類は、それぞれ何人もの仲間が同じモノを使い、とても評判の看板脚だ。
その他の車種については、現在はそれぞれワンオフ作製をしている。
もしかしたら、今後他の車種用でもこのような鉄板メニューが出来るかもしれない。
うえしまは、困っている人を助けたい。
それを愉しみとして、まだまだ行くのだ。
おしまい。