コリネバクテリウム・ウルセランス感染症 | 診療日記

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動物病院での診療日記

皆様こんにちは。

先日大きなニュースになったコリネバクテリウム・ウルセランス感染症について問い合わせを受けることがあります。

以下にQ&Aを書きました。

 

Q1 コリネバクテリウム・ウルセランス感染症とは?

  ジフテリア菌と同じコリネバクテリウム属に分類されるコリネバクテリウム・ウルセランスという細菌によって引き起こされ、

  ジフテリアによく似た症状を示す感染症です。

Q2 人への感染経路

  コリネバクテリウム・ウルセランスに感染した犬や猫との接触で感染します。なお、人から人への感染は非常にまれです。

Q3 (感染した人の)臨床症状は?

  ジフテリアに似た症状。初期に風邪に似た症状を示し、その後、咽頭痛、咳などとともに、扁桃や咽頭などに偽膜形成や白苔を

  認めることもあります。

Q4 治療法は?

  マクロライド系抗菌薬が有効とされています。

Q5 感染予防は?

  4種混合ワクチンにジフテリアワクチンが含まれていてコリネバクテリウム・ウルセランス感染症に対しても有効と考えられています。

  くしゃみや鼻汁等の風邪様の症状や皮膚病を呈している動物と触れ合った後は手洗いを確実に行う。

Q6 ペットが感染したかもしれないと思ったときは?

  犬や猫が咳くしゃみ鼻水などの風邪症状、皮膚炎、皮膚や粘膜潰瘍などを示しているときは早めに獣医師の診察を受けるようにしてくだ    

  さい。

Q7 日本での発生状況は?

  国立感染症研究所調べで2001年から2017年までに発生確認されているものは25例です。

 

最近 感染した方が亡くなられ大きなニュースになりました。SFTSのときもニュースで話題になりました。犬や猫は外見で可愛いからと人間の家族と同じように接するのは危険です。ウィルスや細菌自体は目では見えません。特に外にいる鼻水や皮膚病のある猫と接触後は手洗いなどを徹底的にしないといけませんね。自分も毎日風邪様の症状や皮膚病の猫の診察をする機会がありますので衛生管理を徹底していきたいです。