通常、満月というのはエネルギーが膨張して、

そわそわしたりなんらかの高揚感を感じたり

テンションがたかまったりするのだけれど、

今回の満月はなんだか通常とは逆ベクトル”というか、

いつもの満月とは違う雰囲気を感じる星回りのよう。

 

常々お伝えしていることではあるけれど、

 

”月が蠍座にあるからこうだ!”

 

というのは

 

お腹が痛い=「胃が悪いのかな、うん、胃薬を出しましょう」

 

という簡易で短絡的な判断しかできない医者に等しい。

 

個々で見るのではなく、

全てをつながった一つのピースとしてみることで

見えてくるものがある。

 

人体は宇宙とかよく例えられるように、

お腹が痛くてもそれは神経や筋肉、

もしくは頭の異常からきている可能性もあり、

天体も全体を見ることで把握できることがあり、

主役だけをみても”単体のことしかわからず”、

舞台全体とタイムラインを見ないことには

”お話(ストーリー)”にならないとの同じだ。

キャラだけを知ったところで

シンデレラはただの不憫なお嬢様、ドラえもんはただの猫型ロボットだが、

お話全体を知ることでシンデレラのキラキラが伝わり、

ドラえもんの道具がいかに便利なのかがわかるというものだから。

 

 

では今回の蠍座の満月(のタイミング)はどうなのかというと、

 

個人的に思うストーリーは以下の通りだ。

 

28日現在満月への序章はもう始まっていて、

普段はテンションがあがったり、高揚感があるはずの満月だというのに、

いろいろなものがすっぽかされたり、外出する気が起きなかったり、

何もする気が起きなかったり、だるさが増したりということがあるはずだ。

 

今の星回り的に山羊座(蠍座から見て外出・移動・コミュニケーション)に滞在している

土星・冥王星が逆行しているからどうしても”出不精”がちに。

メイルの返事が遅れたり、連絡が億劫になるのも

この二つの大天体の逆行が原因と言えるだろう。

 

山羊座には漆黒の月・リリスもいることから、

そのブラックホールのような吸引力でどんどん”やる気”は吸われていくはず。

体調を壊していたり、腰周りお腹周りの不調を訴えている人も多いかもしれない。

 

ここで一つリマインドを。

 

蠍座が司るもの。

 

それは

ジェンダーとか性とか財産とかも言われるが、

サソリのルーラーシップのなかでおそらく特筆されるべきは(特に今年は)

 

死と再生

 

つまりは”生まれ変わり”を暗示しているのだ。

 

昨年末からいろいろな大どんでん返しが来ている人、

なんらかのサインを感じ始めている人、転居、転職

諸々動きがある人も多くいるだろう。

 

これらはすべて今年の5月の天王星の一大シフトのまえの

壮大な地ならしに他ならず、

天王星の移動が人生史上おそらく最大級の

 

ルネサンス!

 

をもたらすことになる。

 

そのためにいっさいの余分なものを削り取っていく。(死)

 

そういう再生・復活劇をもたらすための死神(あえてダークヒーローっぽく描くけれど)が

 

今回の蠍座の満月のエナジーの根幹。

 

不要なもの、もう用が済んでいるもの、終わったのにまだ引きずっているもの、

 

しがみついているもの、執着、余計なこだわり、意固地になっていること、譲れないこと、

 

不要なプライド、タンスの中に眠っているもう着ることのないゴミ、使うことのない資格、

 

etc,

 

そういうものたち、今後の自己革命、

ルネサンス後に必要だろうか!?

 

光り輝く世界に出ていくために

そういう”過去の産物”って必要?

 

・・・

 

・・・

 

・・・

 

 

ダイアモンドの原石を思い出してほしい。

 

 

最初はただの石ころだ。

(もちろん中にダイアを含んでいる)

 

それを削って削って

 

研磨して

 

やっとラウンドブリリアントカットまでしてキラキラ輝くのだ。

 

プリンセスカットとか他のカットでも

いいのだけれど、ラウンドブリリアントが最も価値が高い(市場価値?)から

 

キラキラを含んでいるのにもかかわらず、石を大胆にカットしていく!

 

そうすることによって最も価値が高いラウンドブリリアントカットを施されて

最高のプライスタグをその身に背おうことができる。

 

フランスのバー○ン、とかケ○ーバッグとかをつくっているブランドもそうだ。

彼らがプラスチックのトレンディでポップなアイテムを作るだろうか。

 

”作れる”のだが、彼らは作らない。

 

なぜか?

 

彼らのブランドバリュー・コアバリューは王侯貴族御用達の馬具メーカーであることであり、

その歴史とクラフトマンシップであり、工場大量生産のプラスチック製品を作ることは彼らのフィロソフィーとは

かけ離れたことであるからだ。

作れば儲かる、きっと売れるにもかかわらず、彼らはそれをしない。

 

イタリアの某車メーカー、フェ○ーリ。

あのカロッツェリア(イタリア語では車メーカーのことをそう呼ぶ)も決してスポーツカー以外には作らない。

軽4とか、セダンを作れば売れる!間違いなく売れる!のだが作らない。

 

なぜか?

 

それは彼らが F1のチームを運営資金を捻出するために発足したカロッツェリアであり、その意思を継ぐブランドであり、

最高のものしか作らない車集団だからだ。

最高のデザイナーがデザインしたボディに最高のメカニックたちがチューニングしたエンジンが乗る。

それゆえ彼らは純粋なスポーツカーしか作らない。

ユーティリティ・カーなぞはなから作る気がないのである。

 

そうすることによって彼らは高品質の製品(のみ)を市場に送り出し、

同カテゴリの製品群よりも圧倒的な高額で売買されている。

 

それはすべてその背後にあるフィロソフィと

彼らが極限まで向き合い削り出した彼ら自身のアイデンティティにある。

 

- 馬具由来のもの・王侯貴族御用達のものしか(彼ら向き)のつくらないこと・大量には作らないこと、スポーツカーしか作らない、徹底的にブランドカラーにこだわっていること

 

話はまた星の話に戻るが、

 

今回の蠍座の満月は彫像のようなプロセスが行われるはず。

 

皆キラキラ光るものを内に秘めてこの世に生まれてくる。

 

それを表に出す前に現世・俗世で色々な垢が付く、例えば、

処世術・学歴・キャリア・家柄・メディアの影響がそれだ。

 

それら”自分を自分で失くしていくものたち”を一気に削り落として、

 

自分の本質のままにいきること、

 

 

それが最も輝く方法であるということをガリガリ削り出し、思い出させてくれる。

 

その長い長い掘り起こしの旅は前述の通り

 

昨年の年末から始まっていたはずだ。

 

思い出してみれば、

 

そのころから何かを手放したり、何かをなくしたり、何か計算が狂ってきたりみたいなことが

 

あったはず…。

 

 

削り出していくプロセスは

ある意味、痛みを伴うので、

残酷ではあるが、

自分を封印していた呪縛がとかれていき、

徐々に軽くなっていき楽になっている人も多いのではないだろうか。

 

 

特に今回の満月に向かう

星々の動きはまるで

 

原石を観察し、そのうちに何かの形を見出し一心不乱に

彫り刻んでいく、彫刻家のようだと

と言えなくもないだろう。

 

大本命・天王星が動く来月に向けて、

 

今回はミケランジェロのような月が

私たちの周りを回り、

 

コツン、カツンとのみを振るう。

 

 

一切の垢を落とし、

 

何層にもなっているベールを剥ぎ、

 

原石の光を外界にもたらし、

 

私たちが真の姿にもどれるように、

 

今日も天空の彫り師はノミを振るい続けるのだろう。