マスターと別れ、一路7番札所、十楽寺へ。

ここもどうやら宿坊が有名らしく、一説によると下手なビジネスホテルよりも上らしい。
さっき自販機でジュースを買おうとして500円いれたらそのまま自販機に食べられおつりレバーをおしても出てこないわ、ボタンをおしても飲み物出てこないわで、ホテル的施設を作るとかよりも違うところに設備投資してほしいとおもいつつも、”まぁいいご寄付をしたことにしよう”と非常に器の小さい事を考えながら参拝を終えた7番札所を後にする。

とその参道で帰り際にボランティアでお掃除をしている団体がいらっしゃったので、
”こんにちはー”をご挨拶。
そのまま華麗にスルーして、門横にあったうどんやさんにでもいこうかとすると、
後ろから声が”お遍路さん、これ、はい、お接待”
とその団体の長らしき人から、なにやら手作りのポーチらしきものを頂いてしまった。


お接待



境内の掃除もしてお接待までして・・・・きっと高い徳分を積んでいるに違いない。
あなたは今ので2ポイント獲得ですよ、きっと三途の川もビジネスクラスでわたれるでしょうと心の中で思いながら(もちろんそれはお伝えせずに)ポーチを鞄にしまう。

と実はここまででかなり時間が経過しているようだが、まだお昼過ぎ。
宿に着くにはあまりに早いので、うどんやさんでお遍路セットなるものを注文、お昼をいただくことに。

お遍路セット。
うどんにご飯(白米)にお漬け物に豆腐(奴)にみそ汁という、お肉系がはいっていないだけ、という、うどんごはんセットというには何だからお遍路セットにしちゃうー?的なものに少々驚きを隠せなかったが気にせず完食。

食堂のtvでお昼頃にしている再放送の”花子とアン”のopening"にじいろ”が聞こえてくる、”これからは~じまるあ~なたのものがたり~、”と今の私の状況にぴったりマッチしていて、曲の軽快さも相まってなにやらサイサキの良いスタートになりそうだ。

本編も少しだけ見たが、
仲間さん演じる蓮子さんをみて、やっぱりこの方は黒髪がベストだなぁ、
何年か前に”綺麗なお姉さんはどうとか”っていってシャンプーやらドライヤーやらのcmにでてたころは綺麗な黒髪がよくお似合いだったしとか俗世のことをぼーっと考えながらお茶を頂く半俗世お遍路さんの私。


とそうこうしているうちになんだか天気も崩れてきそうなので、すぐ近くの宿に向かう事に。
今夜の宿は民宿だ。
民宿に泊まるのは何年ぶりだろう。
宿毛の民宿以来なので、もう20数年ぶりだろうか。

年間100泊以上は泊まるホテルとちがってあきらかに民家を少し改造しちゃった的な門構えの民宿に緊張しながらピンポンを押しまつこと5秒。

”いらっしゃいませー、ようきたね”

童話に出てきそうな柔和な顔をした女将さんが迎えてくれ、
部屋に案内してくれる。
本当は15時からなんだが、今日はもう先客がいるし、どうぞーとのこと。
なんというホスピタリティ。
バイトさんだらけでマニュアルでがんじがらめになった渋谷界隈とは全然違う対応だ!

そんな対応にも恐縮しながら先客の若い男性にも少しご挨拶。

後で知った事だが、彼は88番大窪寺を先日打ち結願し、これから1番札所に戻りお礼参りをするところだそうな。
途中日和佐あたりで足のマメが悪化し、足を引きずりながら60日間かけて88カ所を廻ったらしい。
80番ぐらいでもう皮が硬化し問題なくなったと、自慢の?足の裏をみせていただいたが(いや、正確にはみたくなかったのだが、勝手に見せられた)それはそれはカチカチで、そのままヤスリみたいになにか削れるんじゃないか!というほどの硬化っぷりだった。
そのまま各地の話や気をつける事、これから(結願したので)どうするか、等聞きたい話も聞きたくない話も諸々色々お聞かせ頂いた。結願したものが出すオーラの輝き(?)は正直感じられなかったが、達成感みたいなものは感じられたし、なによりメタボだったのがとてもやせて健康的になったらしい。
メタボな話はどうでもいいとして、マメは悪化するとこうなるというお遍路につきものの豆レジェンドのいい例を間近で観させていただき、マメのケアだけはきっちりやろうと決意した初日の夜であった.